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家庭裁判所

離婚調停で荷物の引き上げについて、相手方から話しがあり、後は双方代理人がついているので当事者間で話しをつめて、ということになった。

しかし、具体的な話についてこちらからの質問、依頼について相手方代理人からは何の応答もない。
従前からのこの代理人の対応を見ていると、こういうこともあるかな、という事態である。

しかし、家裁で約束した日は迫っており、打ち合わせをしておかないと当日とんでもないトラブルが発生する可能性がある。

思いあまって家裁に電話し、せめて前回の調停で相手方が、こちらの依頼についてどう答えたかを教えてもらえないかと聞いてみた。事情も説明した。
書記官は一言、代理人間で話しをしてください、と言った。

馬鹿である。
こちらからの質問、提案、依頼に相手方代理人が答えないから電話をしていると説明をしている。

繰り返そうとすると、あなたは弁護士でしょう、そんなこと電話で答えられるわけがないでしょう、名前を覚えておきますからね、と言った。
家裁の書記官に名前を覚えていただいてもいただかなくてもどちらでもかまわない。
こちらは、書記官の名前には興味がない。

家裁は家庭のトラブルを解決する平和の裁判所とのことである。

夕方になってようやく相手方代理人からファックスが届いた。荷物の運び出しは2日後の日曜の予定である。
しかし届いた内容は荷物の運び出しとは無関係な内容であった。
事務所に電話をしても営業時間は終了したという無愛想声なメッセージが流れるだけである。
仕方なく、日曜の件は了解いただいたと解しました、との礼状をファックスした。

1時間ほどしてファックスで返信があった。
本人に希望は伝えたが、それについての回答は聞いていない。
混乱がないことを希望する、と書かれてあった。

その鷹揚さは感動的であった。
これで仕事になるのだから、家裁の書記官も弁護士もよい職業だと思った。

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好日

1日の大半を事務所の外で過ごしているような日々が続き、これからもまだ続きそうです。
スケジュールを追うのに精一杯で、頭がくらくらしてきます。
もっとも今日少し気分が悪いのは、昨日の阪大知財研究会懇親会でワインを飲み過ぎたせいかもしれません。

弁護士の研究会に「阪大」とついていますが、虚偽表示ではなく、ちゃんと本物の大阪大学の知財の教授が出席しておられます。

今朝の債権者集会では破産者が現れず、悲しい思いをしましたが、事務所に戻ると裁判所から、破産者が30分ほど遅刻して裁判所に来たので免責審尋をしたと連絡が入っていました。

午後の家裁の調停では、調停委員の一人が弁護士で、当方が開示を求めている資料を相手が開示しなかったらどうするの等、悪い事態を予想した質問をしてこられます。

前回までは、裁判官、書記官、相手方代理人、私で話をしており、その場ではそういう事態が予想される雰囲気は全くなかったので、いきなり悪い事態を想定した質問をされても、ワインで気分がすぐれない頭では対応できない。

結局、相手方代理人の先生は今日までに集まった資料をそろえて持参してくださっていました。

バレエで傷めた左足を少しひきずりながら、重い記録の入った鞄をかかえて西へ東へ。
それでも関係者の善意に支えられて、なんとか事件が良い方向へ進展して行く今日は好日?

『デジタルコンテンツ法』(上下)(商事法務)が出版されました。ほんの少しですが、私の執筆部分もあります。

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調停

調停には調停委員がいる。
法律家もいるが、そうでない人も多い。

『離婚調停の奥義』というタイトルの本を購入した。
調停委員向けらしいが、調停成立に向けてのノウハウが書かれている。
調停委員が調停で問題を解決しようとするなら、このくらい解決向けた強い意志が必要であると思う。

家裁では調停委員の奇妙な言動によく出会う。
依頼人には調停委員は法律家ではない、奇妙な言動をしても気にしないように、と予め注意をしておく。
これを忘れると、怒り出したり、どこかへ抗議文を出す、とまで言う人もいるから大切なことである。

婚姻費用の分担の調停が成立したとたんに、妻に向かって、夫は帰って来ないわよ、どうして離婚しないの、離婚したらどうなの、と言った調停委員がいた。

夫の不倫を問題にしている調停で、2人の子のうち一人は妻の連れ子であることにこだわった調停委員もいた(夫と子供達の仲は良好だった)。

にっこり笑って、私たちの仕事は聞くことです、意見を言うことではありませんと言って、なるほどよく聞いてはくれたが、時間ばかりかかり、自分からは何一つ事態を進展させず、かえって双方の不信を増幅させたのではないかと思われる調停委員もいた。

国民の司法参加により、良識を司法に反映できるとのことである。
当事者にとってはただただ迷惑なのである。

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感想文

大学から、ロイヤリングを聴いた学生たちの感想文が届いた。
製本してあり、約1センチの厚さがある。

話が正確に伝わっていなかったり、誤解されてたりしていることもわかる。
もう少し慎重に丁寧に話しをしないといけないのかもしれないと思う。

事実認定に関して異論があるというものもある。
法律家として、事実を疑ってかかるのは大切なことである。
今回の事実認定は、判決書の事実認定の項目からひろったものがほとんどであり、個人的には、認定されたは事実は固いかな、と思っていたが、疑う、というのはやはり重要な姿勢だと思う。
自分の考えに反する証拠には目をつぶる、ということさえしなければ事実認定を疑うことは大切だと思う。

次に、認定された統計の数字それ自体が事態の惨さを如実に語ると考えて統計数字を挙げたが、その態度が冷たいと感じるというものもあった。
最低限の客観的な事実を指摘することで事件の全体像を理解してもらいたいという私の日頃の準備書面の書き方に反省を促すものである。

この問題は司法的に解決すべきものではないのではないか、というものもある。同感である。しかし、なぜか他の機関が解決しようとしないから司法的解決に頼らざるをえないという現実がある。

除斥期間がある以上仕方がないのではないか、という意見もある。
法律家の卵らしい健全な意見だと思う。

何より嬉しかったのは、自分で時効や除斥期間の裁判例、判例にあたって考えたいという意見が多数あったことである。
取り上げたのは、私が法律を学び始めたころに授業で読んでおくようにと言われて読んで衝撃を受けた判決である。
直接判決文に当たり、衝撃を受け、疑問を感じ、さらに深く思索を深めてくれる人が一人でも現れれば、望外の幸せである。
(紹介した判決を探したが見つからないという方はご連絡ください。)


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嫡出子

結婚して数年の女性の離婚相談を聞いていると、どうして結婚したのかな、と思うことがある。
疑問を口にすると、子供ができたから、という答えが多い。

そんなものかな、と思うとともに、どこか割り切れない思いも残る。
食べていけないというのであればともかく、たいていは仕事もあり、知的水準も高い女性たちである。
子供に嫡出子の身分を取得させるために母たちは自分の将来を犠牲にするのか。

彼女たちは子供が生まれる前から、生まれてくる子供への愛情と責任感を抱いている。
夫たちは、子供がいる妻が離婚という思い切った行動にでないとたかをくくっている。
子供達が少し大きくなるまで母達は夫からの暴言、ときに暴力を堪え忍ぶ。

嫡出の身分はそれほど重要なことなのだろうか、自分だったらどうするだろうか、と考えてみた。
出産は現在でも危険なことあり、死の可能性すらある。
自分一人のことなら、少々の危険に直面してもそんなに簡単には将来を売り渡したりはしないだろう。
しかし、出産で自分が死んだらどうなるのか。
子供は生まれたときから孤児となる。

婚姻届けは、自分に万一のことがあったときにも、父親に子供の扶養義務を負わせる力を持つ。
無事に出産を生き延び、さらにこの保険が不要になったと思ったとき、彼女たちは離婚を考えるのか。

結局のところ想像でしかない。
しかし、母になる、というのは大変なことなのだろうなと思った。


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リース契約

昨年末に、工場の機械を転リースで使用していたら元リース会社がリース料を支払っておらず、リース元からリース料を支払うか機械を引き上げると言われた、という相談者が来られた。
年末がかき入れ時の業界で、今機械を引き上げられたらどうしようもなくなる、とのことである。
リース元にリース料を支払えば二重払いの危険が生じる。

元リースとの契約を解消して、リース元と話をすれば解決できるのではないか、と思い、元リース会社の代理人弁護士に電話をした。

あなたの所は機械を使っている、リース契約に不履行はない、解消はできない、とそっけない。
引き上げるとまで言われているのに、そんな馬鹿な話はない。第一相手はリース料を支払っていない。
常識的にそれはおかしい、と言うと、常識はそうかもしれないけれど、法律は違うのよ、違うというなら判例でも調べて送ってきなさい、とのことである。

リース契約がややこしいことぐらい私でも知っている。
相手は大型倒産を手がけることで有名な事務所である。
おそらくリース契約についても熟知しているに違いない。

それでも何かおかしい、と思い判例検索をかけてみる。
あった。
元リースがリース元に料金を支払わず、転リース先がリース元からリース物件の返還を請求されたら、その時点で履行不能となり契約は終了する・・・・・・。

年末に送った内容証明の効果はどうなったのだろう、とも思わなくなったころ、解除を確認するとの内容の3者間合意書のドラフトが送付されてきた。


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地方裁判所

民事の第一回期日があった。

相手方は、主意的に契約を、予備的に不法行為を主張している。
当方は、契約、不法行為共に成立していない、双方の関係は不当利得の関係が残るだけだと主張している。

相手方は一審に先立ち、不法行為を理由に仮処分をしている。

このことから、相手方は契約が成立しているとは考えていなかったのは明らかである。仮に相手方が契約が成立していると認識していたのであれば、それ以後になされた不法行為を理由とする仮処分は相手を畏怖・困惑させて債権を回収しようとするものであり、不法行為となる可能性がある、と主張した。

裁判所は、なぜか混乱しておられる。
あなたは、契約が成立したと言っているのか成立していないと言っているのかどちらなの、と問われる。
どうやら、仮にという概念がのみこめないらしい。

こういうのんびりした裁判所も悪くないな、と思った。
さらに、裁判所の独り言のようなつぶやきを聞く限り、契約の成立と不法行為(不当利得)では利率が大きく違い、実質上のねらいはそこにある、ということも全く気づいておられないご様子である。
次回は結審して判決になるのかな、ともつぶやいておられたが、どのような判決になるのかも楽しみである。

控訴理由書の準備をしておこうっと。

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民事訴訟法

その1
当方が原告、被告は2社。

第一回期日までに和解の話が訴訟外で進んでいる。
1社は早々和解金を振り込んできたので、訴えを取り下げた。
もう1社とも和解の内容は合意できたが、社内決済の関係で和解金の振り込みが第一回期日より後になる可能性があるという。

答弁書を出してもらうと、取り下げのときに相手方の同意の印鑑をもらう必要が生じるため、ちょっとめんどくさい。
担当書記官に電話で事情を説明し、期日を和解金の振り込み予定日以後に延期してもらえないかと頼んでみた。

書記官はちょっと考えて、期日の変更はしないが、指定された期日に原告も欠席してはどうか、と提案した。
ちょっと意表をつかれた。
これならわざわざ取り下げ予定の事件で期日の変更をする必要はない上、約束の日になって和解金が支払われないときは期日指定の申し立てをすればよいから、不都合はない。

さすがは民事訴訟法を使いこなしている書記官である。

その2
高裁で順番を待っていると、前の事件の控訴人代理人と被控訴人代理人との間で、執行はしないという紳士協定でとりあえず判決をしてもらった上で和解の話をするということでまとまった。

なるほど、裁判所には判決を書く労力がかかるのだな、ま、それが裁判所の仕事だから、と全くの他人事(当たり前だと思う)で見ていた。

裁判長の反応は素早かった。控訴人代理人に、控訴を取り下げてはどうですか、と言い、被控訴人代理人には控訴の取り下げに問題はありますか、と言われ、その場で控訴の取り下げが決まった。

この民事訴訟法的反射神経の速さが仕事の能率を左右するのだと感心した。

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除斥期間

明日のロイヤリングの資料のために、事件の経過の一覧表を作成した。
事件の内容を把握するために時系列表を作成するのはどのような事件でも同じである。
しかし、除斥期間が問題となるような事件となると、時系列表は昭和6年の満州事変から始まる。
もはや事件の時系列表ではなく、現代史の年表のようである。

東京地裁や福岡高裁その他同種の判決の事実認定に沿って年表を埋めて行く。
最初はいつもと同じ時系列表作成作業であったのに、次第にふつふつと怒りがわいてくる。
と同時に情けない気分にもなってくる。

60年ほど前に極東で起きた出来事である。
日中戦争、太平洋戦争が相次いで起こり、物資が不足し、何より軍需産業を支える人手が不足した。
そこで、隣国から3万数千人を銃で脅して船に乗せ、本邦に上陸させ、強制労働をさせた。
無理な輸送と過酷な環境下での労働で7000人近い人が亡くなった。
敗戦後、外務省は強制連行・強制労働に関する報告書を作成したが1部を残して焼却し、以後、そのような事実は存在しないと国会答弁を繰り返してきた。

平成5年にNHKが外務省報告書の存在をスクープし、事件は明るみに出た。
しかし、この事件に関して、国は謝罪も賠償もしない。
日本の裁判所では不法行為のときから20年が経過すれば賠償請求権は除斥期間にかかる。

戦争は国家間の紛争の解決の一つの手段である。
しかし、それのもたらす被害の大きさを見るとき、なんとしてでも避けたい選択であると思う。

学説からは、除斥期間の適用を制限する理論が種々提案されている。
学説を引用する弁護団に対し、国は元自衛隊員の評論家が書いた文章を反論の書証として提出した。
そうか、この評論家の意見を現在の政府の見解と考えてもよいのだな、と思った。

再び情けなくなった。
戦争のもたらした惨禍を直視せず、何の責任も負おうともしないこの国は、一体どこへ行こうとしているのだろうか。


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高等裁判所

事件が大阪高等裁判所に係属した。
担当部が決まり、裁判長のお名前を調べると、I裁判官だった。

様々なお噂は以前から耳にしている。
最近のご活躍としては、困難な和解をまとめるのに剛腕ぶりを発揮され、格調高い和解前文を書かれたとお聞きする。

お会いするのを楽しみに出かけた。
事件は、単純な貸金返還請求事件であるが、当事者の一方が死亡しており、証拠が乏しく、相手方は金銭消費貸借契約の存在を主張していながら、契約書の原本も提出していない。
一審は、金銭消費貸借契約書は探せば出てくるはずです、というものも含め、生存している当事者の言い分を全面的に信用するという内容だった。

このような事件であるから、I裁判長というのは正直言って嬉しかった。
私にも依頼人(相続人)にも真相はわからない。
I裁判長の洞察力をもって真相を解明していただけるのなら、納得ができるものとなるだろう。

初対面の感想は・・・・・すごいなあ、の一言に尽きた。
双方に対して、書証を探せ、家捜ししてでも探せ、知人宅を回ってでも探せ、ないということがあるか、それが弁護士の仕事だろう、とのご指示である。
・・・以前の勤務先のボスからもこれほど叱られたことはありません、はい。

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家族法

大阪南部の自治体の法律相談に高齢の女性が来られた。
次男の嫁が相続を主張して先祖伝来の土地を売ると言っているとのこと。

次男に分家をさせるため先祖伝来の田の一部を宅地にして次男名義にしていたところ、次男が亡くなった。
分家のために次男名義にしたのであり、他人に売却するなどとんでもないと言うと、嫁は土地を買い取れと言ってきた。しかし、嫁が要求する額はとうてい払えない。

周囲の風景は農村の名残をとどめている。

相談者に相続の規定を説明する。
しかし、おそらく現在の家族法の規定は、この女性の規範意識からすればおかしなものだろう。

1945年8月に革命があり、憲法が変わったのです、あなたも一票を有する国会議員で構成される国会で新たな法律ができたのです、などという説明がこの人にとって何か意味があるだろうか。

困惑している女性を前に、あなたの言いたいことはよくわかる、けれど、我が国にはもはや「家」という制度は存在しない、と説明する私もまた困惑する。

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利息制限法

任意整理を希望する女性の事件を引き受けた。
夫に内緒で生活費の不足をサラ金から借りていたとのこと。
ついに借金が夫に知られてしまい、借金嫌いの夫は借りたものは妻の収入から可能な範囲で返すよう妻に命じた。
従順な妻は、夫に従い、自分の給料の範囲内で返済計画をたててほしいとのことであった。
定年まで後数年の女性である。

妻は借りた金はすべて生活費の不足に宛て、遊興費には消費していないと言う。
夫に生活費の不足を相談すると叱られる、借金をしていることが知れたら離婚されると思って黙っていたとのことである。
それならば、夫も知らなかったではすまないだろう、長年妻一人にやりくりの苦労をかけ、自分はその恩恵にあずかっていたのだから、夫婦で協力して返すのが当然ではないのか。

しかし、なぜかこの理屈に納得してくれた夫は今までに一人もいない。
今回も夫は、自分は借金が嫌いだ、妻が勝手にしたことだ、という。
妻も私がしたことだと言う。

夫婦仲良く意見が一致しているのだから、私一人が反対する理由もなく、債権者に連絡をして妻の任意整理を始めた。
その結果、妻が夫に借金が知られるのが怖くて長年きちんと利息を支払っており、今まで支払った高利の利息を利息制限法に引き直して計算すると、過払い金が150万円近くあることがわかった。
最近取引をはじめたところに返済する金額と差引をしても60万円以上のプラスになる。
長年外で働き、家事、育児もこなし、借金をして家計をやりくりしてきたことに対する報酬というところだろうか。

それにしても、サラ金の利息は高い、と思う。
そして、サラ金各社は、訴状が地裁から届いてようやく過払い金返還の話し合いに応じ、次いでしぶとく値引きを要求してくる。
簡裁の事物管轄が上がって喜んでいるのは誰だろうか。


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霊験

追起訴がずいぶん遅れている事件で、検察が今後の追起訴時期も明確にしなかったために、裁判所の訴訟指揮を求めて食い下がっていたら、裁判所がついにしびれをきらし(多分私に対してです。おかど違いだと思うけど)、追起訴は6月10日、開示は6月17日、と言い放ちました。

すると、追起訴は6月8日に、開示は6月10日になされました。

裁判所の一言って、何て霊験あらたかなんでしょう。
どうして弁護人が食い下がる前に自発的に霊験を行使してくださらないのかなあ。

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受付業務

弁護士会の法律相談の受付という仕事があります。
弁護士の紹介を希望する人から簡単に事情を聞いて、弁護士を紹介するのに適した事案かどうかを振り分ける仕事です。

紹介に適した事案は、聞いていてすぐにわかるので簡単にすみます。
困るのは、紹介に適さないと思われる事案です。

過去に誰それからこんなことを言われたのに、相手は言っていないと言う、どちらが正しいかはっきりさせたい、というような場合、それは法律問題ではないので紹介できない、と言うしかないのですが、これを納得してもらうのはなかなか大変です。
本人にとってはとても重要なことのようですので、しぶしぶではなく、できるだけ納得して帰ってもらいたいと思い、説得を試みます。

また、相談の内容を聞いても質問と関係のないことばかり長々と話をして、答えてもらえないこともあります。
質問にはっきり答えない人の場合も、問題が紹介に適なさいことが多いです。
紹介を依頼している人も何となくそれがわかっているから、質問とは違う話をして自分の置かれた状況の苦しさをわかってもらおうとしている気配があります。

順番を待っている人がいるので、一人にそんなに長い時間は割けないのですが、とにかく誰かが聞いているだけで納得してもらえるかもしれないと思われる事案には、ある程度は時間を割いて話しを聞くことにしています。

自分の話に自分で興奮して怒鳴る人もいます。
こういうケースも紹介に適さない問題であることが多いです。
怒鳴りようがあまりひどいと弁護士会の職員がなだめに来てくれますが、怒鳴っているうちに、もういい、と帰ってもらえることもありますから、無理になだめる必要もないかもしれません。

弁護士も裁判所も法律も万能ではなく、人生の問題のうちほんの一部の解決のお手伝いができるだけです。
怒鳴ったり、泣いたり、こちらの質問とは関係のない話を延々と話したりする人たちを見ていると、その人たちは、おそらく重いものを抱えて生きているのだろうな、と思えてきます。

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利害相反

夫の不倫相手を訴えている事件で、相手の弁護士がいきなり私に邪魔をするな、怒鳴りました。
何ですか、と尋ねると、夫が離婚調停を取り下げたのは、私がさせたのだろう、とのことです。

この弁護士は、不倫相手の代理人であると共に夫からも委任(離婚調停及び慰謝料請求訴訟の参加について)を受けています。

いずれにせよ、夫は家庭に戻っているのですから、離婚調停をする意味はなくなっています。
妻からは、夫が取り下げたいと言うと、夫の弁護士が、それは困ると言うので夫は困っている、という話を聞いていました。

夫は必要がなくなったから取り下げたので、私とは何の関係もないことを説明しましたが、納得していない様子でした。

その後、妻から説明を聞いてようやくその弁護士が怒鳴った理由がわかりました。
その弁護士は、夫に何度も電話をかけてきて、妻に不倫相手に対する訴訟を取り下げるように頼め、と指示をしていたそうです。
自分がそういうことをしていたから、私も同じことをしていると邪推したものと思われます。

さらに、不倫相手が夫の年金手帳を持っているので返してほしい、と言っても、その弁護士は「考える」などと言って言を左右にしてなかなか返しません。

妻は、夫は(自分が依頼した)弁護士から、不倫相手に金を払えと言われている様子だ、と言っていました。
ここまでくると、風変わりなどと言うレベルを越えているのでは・・・・・・・?

ちなみにこの弁護士と「刑法理論」の項目で登場した某ロースクールの教員と同一人物。


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不正競争

会派の研究会に不正競争防止法部会がある。
比較的若手でこの分野に強い弁護士が中心になって運営されている。

先日の研究会で、宗教法人の名称が問題となった事件が取り上げられた。
ある宗教法人の末寺が独立し、元の寺名から末寺を示す1文字を除いただけの名称を使用していたという事案である。

問題は、宗教名と宗教法人名が一致していたことだった。

ことをハンバーガーショップに置き換えて考えてみる。
フランチャイズを受けた店が独自のハンバーガーを開発し、フランチャイズ契約を終了させて独自のハンバーガーを販売するとき、フランチャイザー名を使い続けていれば、不正競争になることは明らかと思われる。

しかし、仮にフランチャイザー名が、「ハンバーガー」というものであればどうか。
商品名も「ハンバーガー」だから、「ハンバーガー○○店」という名称を使用するのは仕方がないことになるのではないのか。

また、キリスト教や仏教、おそらくはイスラム教もその発生からしばらくすると、教義の解釈や自らの正統性をめぐって宗教内で四分五裂し、しかし、格派いずれも自らの宗教を、たとえばキリスト教、仏教、イスラム教と名乗ってきたのではないのか。
そのときに、分裂した派に、キリスト教、仏教、イスラム教を使うなというのも妙な話ではないのか。
もっとも当時は、不正競争防止法などという法律はなかっただろうが。

そもそも宗教法人の名称に不正競争防止法の適用が妥当するのか。
宗教法人は、信者の寄付で成り立っている。その寄付行為は市場経済の公正な競争秩序の範囲に含まれるのか。

研究会の意見は二分された。

・・・・もし、裁判所が、これは宗教の問題だから、裁判所の関知するところではない、と言えばどうなるのだろうか。
どうしても名称の使用をやめさせたければ、実力行使をするしかなくなる。
古くから宗教の各派は自己の解釈の正しさを主張し、信者の獲得に努めてきたと言えばそうなのだが、その過程で「異端」に対する激しい憎しみと攻撃がなされてきた歴史があったように思う。

結局のところ、裁判所による解決がなされて事件は落ち着きどころを得たのかもしれない、と研究会からの帰り道で少し法律家らしからぬことを考えてしまった。

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刑法理論

某私立大学ロースクールの教員をしている弁護士が、学生が結果無価値を教える刑法の授業に文句を言っている、結果無価値を教えて司法試験に受かるのか、と言っていた。

ロースクール設立の目的は、予備校で受験技術を習得しただけの法律家ではなく、幅広い法理論を学んだ法律家を育てるというものではなかったのか。

犯罪とは何か、処罰されるべきは何か。
処罰されるべきは悪しき行為である、と考えるのであれば、実行の着手で犯罪は既遂に達し、結果の発生は処罰の加重要件に過ぎない。
処罰されるべきは悪しき結果である、と考えるのであれば、結果が発生した時点で犯罪は既遂となり、例外的に法律の定めるものについて未遂を処罰することになる。
私はこのように理解している。

前者の考え方を貫徹するのが行為無価値一元論であり、物の本には、現在我が国でこの立場をとる者はいない、と書いてあるが、それは誤りです、私はこの立場です、と教授が言われるを私は大学の授業で聞いた記憶がある。
司法試験委員もしておられた刑法の教授である。

大学の授業とは別に、法学教室に連載されていた「犯罪各論の現在」も愛読していた。
こちらは、結果無価値の立場から書かれていた。

それぞれ行為無価値、結果無価値を貫かれる両教授が、いずれも文書偽造の判例を批判しておられるのがおもしろかった。
出発点も理屈も違っている、それぞれの思考の跡をたどるのにわくわくするような思いがした。

司法試験の口述試験で、文書偽造について尋ねられ、自分の思うところを答えた。
判例は知っているか、と聞かれ、判例を答えると、それ以上は追及されなかった。

実務は、常に理論を貫徹しているわけではない。
しかし、だから、理論を勉強するのは無駄だというのはいかがなものか。
そういう法律家を誰が望んでいるのか。

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扶助協会

弁護士費用を支払えない人には、法律扶助協会が費用を立て替え払いしてくれる。
立て替え払いを受けた人は、毎月1万円程度を扶助協会に償還することになる。

少年事件は、原則として償還不要とされていた。

19歳の息子が警察に逮捕されたが、無実だ、助けてほしい、というお母さんが来られた。
家は貧しく、息子は働いているが、給料は安く、弁護士費用は払えない、と言い、付き添っていた息子の雇い主も彼は見習いであり、一人前の給料など支払っていない、と言うので、扶助協会に申し込みをしてもらった。

お母さんは、息子の無罪を心から信じ、息子のために労をいとうことはなかった。

審判があり、家庭裁判所は、非行事実なし(無罪)、と認定した。
10日間ほど、勾留されていたため、その間の損害について国家から補償がなされることになる。
そこで、彼の休業損害を裁判所に提出することになった。
すると、彼は、扶助協会に申告したのとはかけ離れた高額な給与を受け取っていることの証明書を雇い主からもらってきた。

どうしたものか。
彼が高額の給料をもらっていたとすると、扶助協会に対する詐欺がなされたことになる。
彼が高額の給料をもらっていなかったとすると、国に対する詐欺をすることになる。
本人は、扶助協会は母親が申し込んだのであり、自分は知らないと言う。

彼に、補償は請求するが、そのかわりに扶助協会が立て替えた費用は扶助協会に償還してほしい、と提案をした。
すると、彼は、扶助協会に償還するのは嫌だ、と言った。

しばらくして、電話があり、補償を請求すると言ったらお母さんに叱られた、だから請求しない、と彼は言った。

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弁護士保険

弁護士賠償責任保険の更新の案内が届いた。
保険会社のお薦めプランは、1請求3億円、保険期間中合計9億円のタイプ。
独立前ならともかく、現時点で訴額3億円の事件を私が扱うとは思えない。

昨年独立時に申し込んだタイプは、1請求2000万円、保険期間中合計6000万円。
極めて現実的なプランである。
今年はどうしよう。

1請求1億円の保険が必要かどうかを考えるには、今年度中に訴額1億円の事件の依頼があり、確実に勝てる事件であり、かつ訴状の出し忘れ等で全額賠償責任を負う、という確率がどの程度あるのか、ということになる。

ちょっと想定しがたいケースに思われる。
訴状を出し忘れるほど忙しくないし、客観的に見て確実に勝てるような訴訟で全額負けるということも考えられない。そのくらいの自負はある。

それでも、安心料ということと、今年度中に大きな事件があればいいな、という期待料ということで、1億円の賠償保険に申し込もうか。

明日はどんな事件に遭遇しているか、ということがまったく予想のつかない仕事である。


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委員会

会派の選考委員会(来年度の副会長候補者を選考する委員会です。)から事務所に戻ってきてメールをチェックすると、会の所属委員会から、委員推薦の件、というメールが入っていました。
もしかしたら、でも、まさか、と思ってメールを開くと、やはり私の所属委員会が増えていました。

今度は、情報公開・個人情報保護法対策PT、だそうです。
ここでは何をすることになるのだろう。

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IT

会のIT委員会
素人の発想でよいから、こういうのができたらいいな、というのがあれば発言してくださいとのことでした。
国選の受任をネットでしたい、市役所の法律相談の割り当て表をネットで閲覧したい、刑事事件の量刑一覧表がほしい、会の法律相談予約をネットで受け付ける等、すぐに実現可能なようですが、検討するとそれぞれちょっとした問題があることがわかります。

法律相談をネットでする、証人尋問もネットで結んで、となると、弁護士はパソコンに向かって字を書いたり、しゃべったりするだけで、裁判所に行くことも依頼者と直接会うこともなくなるのかなあ、という予想に、なぜかIT推進に熱心な委員達が一斉にそれは寂しいから嫌だ、と反論。

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家事事件

高校生のとき読んだペリーメイスンシリーズの中に、愛人から夫を取り戻したい、そのためには愛人から夫に対して金の話をさせて夫が愛人に嫌気がさすようし向けたい、と依頼人がメイスンに話す場面がありました。
・・・本当にこんな作戦がうまくいくのだろうか。

夫が不倫をして家を出て行った、という相談を受け、しばらくして夫から妻に対し、離婚の調停がおこされました。
その時点では、夫と不倫相手の関係が続いているのかどうかわかりませんでした。
そこで、とにかく不倫相手に損害賠償請求訴訟をしてみることにしました。

すると・・・・夫は相手方(不倫相手)に補助参加をしてきました。

・・・・こんなのもありかなあ、と思っていたら、しばらくして依頼人から「夫が家庭に戻ってきた」と連絡がありました。

不倫相手に損害賠償請求訴訟をしたことと、夫が戻ってきたこととの間に関係があるのかないのかは今でもわかりませんが、どういういきさつにせよ、ひとまずは、よかった。


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刑事訴訟

5月中旬に追起訴が予定されていた事件で、検察は、5月下旬になって、追起訴は6月上旬か中旬になった、さらに7月上旬に追起訴する、と連絡してきました。
事件は、放置自転車に乗っていた占有離脱物横領と、店番のすきをみて文具券を掴んで逃げた窃盗で、追起訴が予定されているのも同種の窃盗のようです。
占有離脱物横領と文具券の窃盗も別々に起訴されており、その間、3週間以上の期間があいています。
なお、最初の起訴は3月上旬であり、2回目の起訴と3回目の起訴予定の間は2か月以上あいています。

本人に尋ねると、2か月くらい取り調べもなされていないようです。
逮捕、勾留期間を定めた刑事訴訟法の趣旨を見事に無視しているばかりではなく、昨年度の司法事務協議会で検察が追起訴予定を守るとした約束にも反しています。
でも、一番驚いたのは、裁判官が、検察官に「なるべく早くしてくださいね」と一言言っただけで、弁護人には、「遅れると言っているのだから仕方がないでしょう、裁判所は事件もわからないのだし」と言ったことでした。
どういう人権感覚をしているのか、という以前に、どういう刑事訴訟のセンスをしているのだろうか、と思いました。
他方、検察官は、自分には、捜査が遅れていることの説明義務はない、と言っていました。
この裁判官にしてこの検察官あり。

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ロイヤリング

6月17日、大阪大学のロイヤリングを担当します。テーマは「時効・除斥期間」です。
学生のときに724条後段が除斥期間であるとした平成元年最高裁判決を読み、あまりの悲惨な事案と無惨な結果に衝撃を受けました。
除斥期間が問題となるような事案は、いつも慄然とするような事実認定が記載されています。
東京地裁の毒ガス判決のような胸のすくような判決、福岡高裁判決のように途中まで期待を盛り上げておいて最後に急速に失速してしまったような判決など、除斥期間というものは、講学上の概念として存在しているのではなく、その適用、不適用について、生きた人間の悲痛な叫びが目の前で繰り広げられている中でなされるぎりぎりの判断がなされているということを、学生さん達に伝えたいと思います。

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23条照会

弁護士法23条照会担当の委員会に所属しています。
委員会では、23条照会に対する回答拒否を減らすための検討をしています。
回答拒否がなされた場合、照会を依頼された先生から弁護士会に対して回答を求めるよう申し入れがあれば、拒否事由を検討の上、弁護士会から照会先に回答をするよう申し入れをしています。
会から照会先に回答を促すと、拒否していた照会先からも回答が返ってくることがあります。
現在照会会員から弁護士会への申し入れはあまりなされていませんが、もっと活用されてもよい制度ではないかと思います。

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破産法改正

破産法が改正になる、ということで、大阪弁護士会ではチームを組んで解説書を作成中です。
財団債権となる債権、優先債権となる債権、劣後債権となる債権を一覧表にできれば、と考えていましたが、税法の知識も必要で、なかなか大変です。

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