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自己破産

若い女性から自己破産したいとの依頼を受けた。

病気の父と二人暮らし。彼女が働いて生活を支えている。
幸い父のめんどうもみてくれるという人が現れ結婚も決まった。

相談に来る直前にサラ金数社から借り入れをしていた。
申し立てに当たり債権者からいただく資料に債権者の意見を書く欄がある。
免責に対する意見があればここに記載される。
何か書かれるのではないかと冷や冷やしていると、各社特に意見なしで返送されてきた。

債権者からの苦情がなければ裁判所は問題なしとしてくれるかと思っていたが、申立書を提出すると、即座に書記官から、直前の借り入れについて詳しく説明するようにとの指示がなされた。

本人から借り入れについて詳細な事情を聞こうとするが、なかなか言いたがらない。
借入金と使途とをつき合わせていると泣きだしそうな顔をする。
私はどうなるのですか、と言う。
そのうち、意を決したように台所用品を買いました、と言った。
婚約者から、新居を準備したので台所用品を嫁入り支度として持ってきてほしい、と言われ、鍋やら包丁やらを購入したとのことである。

参った。彼女から嫁入り道具を取り上げ、婚約者に借金や破産を知られたら破談になりかねない。

自分のしたことだから仕方がないね、と彼女に念を押し、できる限りの状況の説明を付して裁判所に提出した。
夕方5時前に書記官から、裁判官の決済が降りました、破産宣告をします、との連絡が入った。

すぐに彼女に連絡し、大丈夫だと告げると、若い女性らしい華やいだ声で喜んだ。私が彼女からこのような声を聞くのは初めてのことでちょっとまぶしい思いがした。


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