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相互主義

劉連仁事件東京高裁判決。
戦争中に中国から強制連行され、北海道で強制労働させられていた劉氏が終戦直前に作業場から逃走し、その後13年間山中で逃走生活を余儀なくされたことに対する損害賠償請求事件。
一審東京地裁では、裁判所は国の責任を認めて賠償を命じている。
これに対し、高裁では、国賠法上の国の責任を認めた上、劉氏が保護されたときには(昭和33年)、中国には政策として国家無答責の法理があり、相互主義の保証があったとは言えないとして原審を破棄している。
高裁も少し気がさしたのか、そう述べた後、論理的には不要なはずの除斥期間についても言及している。

隣国が蛮国であることの根拠は、民主化を求める自国の学生を戦車でひき殺したというような昔の出来事を持ち出さなくても、最近の出来事だけでも十分すぎるほどである。
しかし、隣国が蛮国であるからといって、相互主義の名の下に、我が国のレベルを蛮国のそれに引き下げるというのも寂しい話だと思う。
国民が自国を、国旗を、国歌を誇りに思うのは、強制されるからではない。郵政を民営化するからでも、石油の確保のために米国の戦争に加担するからでも、首相が神社に参拝するからでもない。

相互主義の名の下に隣国と同レベルに引きずり降ろされた国を誇りに思えと言われてもむつかしい。

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