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ジャングルブック

日弁連新聞8月号。「司法改革最前線」の中に「裁判員制度における広報用模擬裁判」の記事があった(執筆:堀井準弁護士)。東京で開かれた模擬裁判の様子がレポートされている。
参加者:東京地検、東京地裁、東京3会。
すさまじい内容である。

広報用なので、台本も出来ており、しかも事案は法務省作成広報用ビデオで使用されたのと同じ事案とのこと。法務省が作成したビデオということは当然検察官の立証が成功する事案が使用されていると推測される。
当初はなごやかにみんなで協力しあって広報しましょ、という企画だったに違いない。

ところが、検察庁が台本を離れ、冒頭陳述書を変更し、論告を大幅に変更したことから、これに対応して弁護側も被告人陳述、冒頭陳述書、弁論要旨を作成し直し、さらに検察庁作成冒頭陳述書の適法性をめぐって紛争が生じ、この事態に裁判所は調整の労をとらず、あわや弁護人欠席の事態に至ったとのこと。
うーん。検察官と弁護人の本能なのか。熊と猪の争いを見ているような。行司は何をしていたのだろうか。
もしかしたら広報用模擬裁判が熱くなりすぎているのにあっけにとられ、つきあいきれないと無視していたのか。

さらにすごいのは、結果がビデオと異なり、裁判員、裁判官全員一致で傷害の故意しか認められないとなったとのこと。
法務省、何をしている、そんなことでいいのか、とつい応援したくなる展開。
裁判所は、こんなところで急に乗り気になったのか、それともこれが裁判官の本能か。

広報用であれ模擬裁判であれおかまいなし。本気でしか仕事ができないのが法律実務家の本能か。
感心している場合ではなく、私もこんな熊や猪、たぬきと渡り合わなきゃならないのか。

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