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中小企業のための会社法(株式の譲渡制限)

日記なのにどうして会社法ばかり書いているのか自分でもよくわかりません。
とりあえず、今日は譲渡制限を書きたいなあ、と思ったので。

株式の譲渡制限は、気に入らない人が会社に口や手を出さないようにするためのものなのですが、譲渡制限をしていれば絶対に他人が会社に入って来れないかというと、そういうわけではありません。
譲渡は制限されているだけであり、禁止されているわけではないからです。

譲渡制限されている株式であっても財産価値はありますから、株主が自分の株を売却してお金に換えることはできます。ただ、誰に売るかについて会社の承認を得てくださいね、と言うのが譲渡制限の意味です。

承認の機関は、定款で定めてあればその機関、定款で定めていない場合には、取締役会設置会社であれば取締役会、取締役会設置会社でないときには株主総会です(139条)。
譲渡を承認しないときには、原則として請求の日から2週間以内に買い受け人を指定するか、自分で買い取るかを決めて、承認を請求した人に通知しなければなりません。
通知をしなければ、承認したとみなされます(145条)。
承認の期間は承認請求者との合意で延長できます。
また、定款で2週間より短い承認期間を定めていれば、定款で定めた期間内に通知をしないと承認したことになります。

以上より、会社が譲渡を承認しないときには、株主は譲渡できないのではなく、会社または会社が指定する人に譲渡することができます。

会社が自己株の取得するためには、その対価を支払う必要がありますが、そのために会社が支払うことができる金額は「分配可能額」を超えてはならないとされています(461条)。
分配可能額の定義は461条2項です。

会社が分配可能額を超えて株主に対価を支払った場合には、当該行為を行った会社の業務執行者が会社に対し、会社が株主に支払った額を支払う義務が生じます(462条)。
もっとも業務執行者にこれを支払うだけのお金があるなら、最初からその人を買い受け人として指定すればよいように思うのですが。

以上より、せっかく譲渡制限をつけていても、会社または会社が指定する人に株式を買うだけの資金がない場合には、好ましくない人が株主となるのを止めることはできません。

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