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大阪弁護士会協同組合

ご親切な方からのコメントでパソコンの不調が解消され、ここ数日の不機嫌がころっと治ってしまった。
ありがとうございました。

こんなに気分がよいときに書く話題でもないと思うのだが、大阪弁護士協同組合から不思議な広告が入った。
裁判所便利マップ大阪版500円(税込)。ごていねいに10冊買うと1冊無料プレゼントとなっている。
内容は、近畿地方の裁判所の場所を書いた地図とその周辺の喫茶店と飲食店とのこと。

誰がこんなもの買うの?しかも10冊も。
と思って裏を見たら「簡易裁判所へ行く機会が多い、顧問先の金融業者の方にも喜んで頂けます!」
と書いてあった。
怒りを通り越してあきれ果ててしまう。
その種の金融業者を顧問先に抱えている事務所のためにこんなものを作ったってわけ?
組合は組合員の出資金で運営されているのだから、せいぜいそういう事務所にしっかり大量に売りつけてちゃんと儲けてね。
まさかこんな事業で赤字を出してまでその種の事務所と業者に便宜を計ったわけじゃないでしょうね。

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裁判所のHP

最高裁のHPがリニューアルされて使い方がわからない。各地の裁判所から大阪地裁の頁に行っても、行き止まりのような頁が表示されるだけ。
従来の大阪地裁のHPには裁判官を含めた裁判所職員の努力の賜のような頁がいくつかあったのだが、まさか最高裁が統制を強めた結果、それらが抹消されたのではないかと心配になった。
一縷の望みをかけて、お気に入りに登録していた表示をクリックすると、幸い元の頁が表示された。
それに加えて、大阪地裁執行部が書式と印紙代の公表をしていた。
ちょっと感動した。
これらは公開して当然のものだと思うのだけれど、彼らは今まで頑として公開しなかったのだ。
どうして拒否していたのか理由は言わないのでわからない。
今回公開したのは、裁判員制度のために予算がついて、HPのコンテンツを何か作らなければならなくなったからではないかと推測しているのだが、理由はどうあれ、大阪地裁はHPをまた一つ充実させた。

最高裁の優秀な担当者が何をお考えかは知らないが、HPの価値は見た目の派手さ、画像の多さではない。
所有している情報を公開し、共有し、活用するための道具にしてもらいたい。
文字が読めないので、画で説明してもらわないとわからないというような人に無理にお願いして裁判員になってもらおうなどと考えるから、内容より見た目の派手さを重視するのではないか。

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株式交換(会社法)

某市共同参画センターの相談から戻り、机の上に置いてある郵便物をチェックし、留守中に電話のあった所に連絡し、それから近弁連倒産法意見交換会に行くか、遅刻しても日記を書いてからにするかちょっと考えて、手帳を見ると意見交換会は明日であることが判明・・・・・。
落ち着いて考えればどうせたいしたこと書いてないんだから遅刻してまで書こうなんて思わなくていいのに。

本町塾も三回目。
株式交換の対価は現金でもいいのかと聞かれてとっさに、「交換」なんだから株式でしょと答えると周囲からブーイング。これに対し、対価が現金でよければ、少数者をお金で排除できるじゃない、と反論した瞬間、そういえばそういうことができるんだっけと思い出した。

株式交換とは、株式会社がその発行済株式の全部を他の株式会社又は合同会社に取得されることをいう(2条31号)。
平たく言えば、会社が他の会社の100%子会社になること。
株価の高い会社は、現金がなくても、自社株を使って、他の会社をばんばん買い取ることができる。
マイクロソフト社が日本中の会社を・・・・と言われる所以である(バブルのころは東京で合衆国全土が買えるなどと言ったっけ)。
株式と株式を交換するから、子会社の株主は親会社の株主となる。
だけど親会社の株主が、子会社はほしいけれど、他人(子会社の株主)が株主になるのは嫌だと思ったときには、株式の代わりにお金を渡すという内容の契約にすることもできる。
・・・相手は会社法なのだから、物を渡してお金を受け取ることを交換と言うなら、あらゆる売買は交換だ、と言ってみても仕方がない。

株式交換をして子会社になるかどうかは、株主総会の決議で決める(783条)。特別決議とはなっているが(309条)、全員一致ではないので、少数の株主が反対しても株式交換の決議はなされてしまう(783条2項の場合を除く。)。
反対株主は株式買取請求ができるが(785条)、こんなことをしても自分の持っている株式がお金に代わるだけだから、株式交換の対価が金銭の場合は反対してもたいして意味はない。どっちにしても金をもらって追い出されるのである。


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アジア的文化圏

姉歯元建築士ほか逮捕のニュースが流れているけれど、ニュースというほどの目新しさを感じない。
先週からずっと逮捕予定のニュースが流れていたのも異様だったし、容疑が、名義貸し、決算書の粉飾、資本金をごまかした、というのももの悲しい。
まして、警察が耐震偽装を通報した検査業者をつつきまわして落ち度を探し破綻に追いやるようなことをするなら、今後誰も悪質な建築業者を見つけても通報しなくなるだろう。
なんだか、本質からどんどん遠ざかっている。
知りたかったのは、業者を連れて省を訪れていたという前長官は耐震偽装とどう関わっていたのか、国土交通省が、理屈はさておき税金を投入するといち早く告げることで事件の早期もみ消しを計ったかのように見えるのはどうしてかということだったのに。

イラクからはまだ撤退しない。
小泉内閣の支持率が40%を超えているのは春の日の謎。
格差は米中より少ないとの答弁を聞いて、本当に何とも思わないのだろうか。
どうして移民、多国籍文化の国と一緒くたにするの?
それに中国に関して言えば、この問題で各地で人民が暴発しているのを弾圧しているか少なくとも隠しているのじゃないかと疑っているのだけれど。

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購入失敗

1時間くらいかけて、ようやくパソコンの注文をしたと思ったのに、アカウントの登録に同意したばっかりに、さらにめんどくさい入力画面が現れ、それもようやく書いたと思ったら、広告を拒否するかどうか聞かれ、拒否すると書くと、さらに入力を求められ、ようやく終わったと思ったら画面が止まってしまい元の画面に戻らない。もしかしたら、注文できていないのではないかという気がする。
どうしてパソコン1台買うのに、こんなにめんどくさくて、あげくにわけのわからないことになるのか。

先日からノートパソコンの調子がおかしい。画面の右端のぺけ印が数字の6になっている・・くらいはご愛嬌ですむが、ゴシックしか字体がないのは困る。
それで、もう1台買うことにしたのに、パソコンでパソコンを買うのってなんてめんどくさいのだろう。
というより、商品情報以外にどうしてこんなに入力する事柄がたくさん必要なのだろうか。
私の1時間を返して!

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年金分割

先日の家事実務研究会で年金分割の講義を聞いた。
講師の社会保険労務士の先生は、年金制度の仕組みから説明してくださるのだが、これがそもそも複雑。
どうしてこんな制度作ったの?という感じ。複数の制度を寄せ集めて統合しているうちに、こういう複雑怪奇なものができあがったらしい。
ややこしければややこしいほど社会保険庁を太らせるための制度に見えてくる。
社会保険庁にしたって、仮にすべての国民の社会保険履歴をパソコンで管理していたとしても、これを計算するのは容易ではないのじゃないかと思ってしまう。

そこへもってきてさらに年金分割。これが離婚願望の中高年女性たちが期待を寄せるほどの効果があるのかどうかよくわからない。
私が理解した限りでは、年金というのは、ポイント制のようなもので、受給時にそれまでに何ポイント貯めていたかによって年金額が決定される。
離婚時に、結婚していた期間のポイントを夫婦で計算しなおして、多い方から少ない方へ分けようというものらしい。
ポイントをもらえるだけだから、そもそも自分に受給資格がなければ、もらったポイントは無駄になる。
また、金額を分割するのではなく、ポイントをもらうだけだから、そのポイントで実際にいくらになるのかは、もらうときにならないとわからない、というより、年金をもらっても、結局そのポイントがどの金額部分に相当するかはわからない。

分割の対象となっているのは厚生年金のみ。
その他、平成19年4月から施行されるのと平成20年4月から施行されるのの違いなど細かな話はあるが、これだけ細かい計算をして、それでどの程度離婚女性の生活の足しになるのか不明。ないよりましというか、もしかしたらせっかくポイントをもらったのだから、受給資格がほしいと離婚女性がせっせと社会保険料の支払いをするのを期待しているのかなと思ったりもする。
社会保険庁がこれでまた太るのかと勘ぐってしまうのだけれど。
あまり足を突っ込みたくない分野。

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判例体系

判例検索には、第一法規の判例体系を使っている。
他と比べると料金はやや高めだが、使い勝手がよく、他のシステムではいらいらするので、他に変えるつもりはない。気に入っている。
しかし、問題が発生してしまった。
第一法規から、ネットでサービスを開始したので、CDRomから乗り換えないかとの連絡があったのだ。

最初のときは、私は現在のシステムで十分満足していますので、という挨拶程度ですんだのだが、それから半年ほどした2度目の電話になると、相手の様子がおかしい。
東京の大手の事務所はネットに乗り換えてますよ、などと強い調子で乗り換えるように言われる。
大手には大手のご都合がおありだろうし、大事務所のすることを個人事務所がまねる理由など何もない。

しばらくして資料が届いた。ネット版に乗り換えたら減額するとまで書いてある。
判例体系にはお世話になっているのだから、できれば相手の希望をかなえてあげたい。
しかし、パンフレットを見て悲しくなった。
ネット版とCDRom版は画面が違うようなのだ。使い勝手が変更されている。
変更したら、判例体系を使用している意味がなくなってしまうかもしれない。

私は、料金が高いなどど文句を言ったことは一度もない。
気持ちよく仕事ができる環境を提供してほしいだけなのだ。
思考をとぎれさせることなく、検索を続けられる画面がほしいだけなのだ。


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免責

債権者集会で、免責不許可事由なしとの意見を述べると、裁判官が怪訝そうにしている。
・・・・破産者本人から破産に至る事情を聞いた限りでは、奥さんの指示で親戚づきあいのために借金をしたのが始まりで、それ以後も奥さんが怖くてどうとかいう話だったのだけど。
これを浪費と言うのだろうか。
本人は几帳面な性格で、毎月お小遣い帳をきちんと管財人の事務所まで届けてくれていた。

先日はあぜくら破産の事件で、確かに浪費は浪費だけれど、相手も相手だと言ってしまった・・。

気持ちを強く持ち、奥さんが派手な親戚づきあいがしたいと言えば、借りてまでそんなことをしてはいけないとやさしく諭し、親切そうに寄ってくる呉服の販売員があれば、こんな高いものは私は買いませんときっぱり言い切る。
そんな人にわたしはなりたい・・・・・・。

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サラ金と銀行と議員さん

水に落ちたイヌなど今更たたく必要ははないと思っていたら、テレビの解説で、サラ金のグレーゾーン金利の解消方法として、利息制限法内の利息まで利息を下げる方法と、利息制限法の利率を上げる方法があると言っていたので、その発想の豊かさにびっくりした。

サラ金の利息を下げるとなると、お困りなのは、サラ金をぱっくり飲み込んで、銀行系のサラ金です、などとわけのわからない宣伝をさせ、高利貸しをしている都市銀行だろう。利益を見込んで購入したのに、予定していた利益が上がらず、株主からサラ金なんかに手を出すからだと追及され、運の悪い(もしくは倫理や品位などどっかに置き忘れていた)経営者は訴えられることにもなりかねない。
どの銀行がどのサラ金と提携しているか知りたいなあと思っていたら、読売ウィークリーに素敵な相関表が掲載されていた。

議員立法。どなたがグレーゾーンを作ったのかも教えてほしいし、これから提出される法案に対して、どなたがどのようなご意見を主張されるのかも報道してほしいなあ。国民の財産を吸い上げる吸血鬼のお名前。もちろんそれなりのメリットがなければ、あえて火中の栗を拾うような主張はされないだろうから。

サラ金さんや銀行さんは、借りられない方が増えますよなどと恫喝しているようだが、信用が低くて借りられないとわかった人に、さらに高金利で貸すってどういうこと?それで鬼のような取り立てをするわけ?
それとも、取り立てなどせず、気が向いたら返してね、と言うことかしら。あるとき払いの催促なし。ほとんど贈与。
もともと返済能力のない人に高金利で貸し付けるメリットって、その人が破産したら、高額の利息を含めた金額を損金処理して、莫大な利益を少しでも圧縮するという計画的節税?

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パネル

個人情報保護法の改正に関するシンポジウム。
基調講演に続いてパネルディスカッション。
並んでいるのは、基調講演をされた刑法の園田教授のほか、保険会社の社員、町内会の会長等個人情報保護法施行以来どちらかと言うとお困りの方々。

内容はおいておく。
先日、欠陥住宅ネットの総会でも感じたのだが、パネルディスカッション形式が、ディスカッションになっていない。
司会が、誰それさんと指名して質問をし、それに答える形で、短い演説をしているように見える。
司会者は、自分が望む結論に会場の意見を誘導しようとしているように見える。
極端なことを言えば、司会は、反対意見が出ないような誘導的な質問をし、かつ、反対意見の人には質問をしないようにすることができるのだ。
見ていて楽しくないし、パネリストもあまり楽しそうでない。
司会の意見はおいておいて、パネリスト間で意見交換をするのでなければ、あの形式をとる意味がないように思うのだが。

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友新会研究委員会の活動予告

友新会研究委員会の本年度の活動予定が決まりました。
会社法の勉強会を2か月に1度のペースで実施します。

大阪弁護士会の会社法連続講座が通知から1週間以内に定員に達したということで、申し込みをしたのに受け付けられなかったという会員も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

友新会研究委員会では、実務に密着した研究ということで、非公開会社の定款、自己株式の取得とその後の処理などがテーマとして挙げられています。
多くの皆様の参加をお待ちしています。

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自由と正義4月号

4月号の自由と正義は日本司法支援センター特集。
関連する14の論文、エッセイが掲載されている。
トップバッターはもちろん神々しいお名前を持っておられる元東京都副知事。
お写真がひどい濃い化粧などとは申し上げますまい。
以下、読む気もしないおべんちゃら論文だが、最後から2つ目に鳥取県片山知事のお名前を見つけた。

短いものだが、第一章「自治体は司法とは無縁ではない」で、小泉政権で生じた社会のひずみを指摘し、公正な社会のために弱くなる立場の人を守るのが司法の役割であるとされ、第二章「日本司法支援センターに期待される役割」では縁遠い、近づきがたい、わかりにくいなどのバリアを解消するものとしての注目されるとし、第三章「センターへの注文と自治体の見識」では、必要な財源の確保を含めて体制の充実に努めると共に、決して霞ヶ関の役人の天下り先にしてはならない、とされている。
さすがに片山知事。胸のすく思いがする。

最後の論文は日本経済新聞論説委員安岡崇志氏のもの。
書き出しで、法テラスの名称について天照大神、アステラス製薬等並べ、「どうもあまり」と評価した上、以下同論文ではこの名称は使わない、とされている。極めてまっとうな言語感覚の持ち主である。胸の悪くなるような茶坊主est(チャボウゼスト)たちとは一線を画していて気持ちがよい。なお、論文のタイトルは「テラス?ネット?問題は「名より実」」となっている。

編集者の論文の並べ方の絶妙さに感心する。
怪獣映画なんかでは、最初に怪獣が暴れまくり、最後に颯爽としたヒーローがそれをやっつけて、現状への反省と未来への希望を示し、観客の気分をすっきりとさせるが、あれと似た展開か。

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幹事会

肌寒い。

友新会幹事会。幹事会に出席するのは初めて。もっとこじんまりした会かと思っていたのだけれど、よく考えたら、各期1名以上の幹事を選出しているのだから、相当な数になるのは当然。
昨年度の講演委員会の委員長、副委員長が幹事として出席しているのを見て、講演委員会楽しかったなと思い出す。

一人ずつの自己紹介で、ご高齢の先生は、私の同期は4割しか残っていない、その内の元気なのの中で順に幹事をしているから数年おきに回ってくると言われ、ご兄弟で事務所をしていらっしゃる先生は、兄弟共に幹事なので、交代で出席しようと思う、とのこと。5割の出席率かと周囲が納得しかかったとき、もちろん冗談です、双方休むときもあります、と仰る。どの部分が冗談で、どの部分がそうでないのか判別ができなかった。

各期の幹事とは別に、各委員会の委員長と若手会の代表世話人が出席している。
今年度の若手会代表世話人は、同期のS君。ここ数年の若手会の活性化した活動を承継し、さらに発展させたいとの抱負を語る。
学生時代から知っているのだが、代表世話人として挨拶をしているのを見ていると、立派になって、と妙な感慨を抱いてしまった。
同期としてできる限りのサポートをしたい・・・という気持ちは十分にあるのだけど・・。

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なんば相談所移転前日

花曇り。あまり気の乗らない今年の桜だったが、夜、満開の大枝の下に立って花の天蓋を見上げると、さすがに妖気を感じる。

午前なんば法律相談・・・なんだけど相談者がいない。1時間以上も相談室で寂しく持参した本を読んでいると、自分の職業に対する疑問が湧いてくる。私は本当に弁護士に向いているのか。
2時間経ってようやく相談者が一人。備え置きの六法が自分のと使い勝手が違うので、民事執行法の条文を探すのに手間取る。条文の内容も裁判例も知っているのだが、ほらね、と示すことがなかなかできない・・・反省。

事務所に戻って呉服過量販売の相談者と打ち合わせ。その後交通事故の判決文の検討。秀才がご自分の面子も含めあちこちに気を遣って書いたような臭いがする判決文。書き手の人柄がよいことはわかるが、その域を出ない。
公表された判決文の中にもお気に入りはいくつかあるが、特に印象に残っているのは登録して2年目か3年目のころの大阪地裁判決。
若手の裁判官単独事件だった。訴訟指揮がてきぱきし、訴訟全体の見通しがよい上、証人尋問では会計についての知識があることを示し、判決文では不動産鑑定についての知識を見せつけた。
負けた側だったが、判決文を受け取り、裁判全体を振り返って見たとき、エクセレント、と思った。
勝っても負けても、ああいう裁判がいいなあ。もちろん勝つ方がいいけど、というか、勝てば少々の難など忘れてあげるけど。

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除斥期間

春らしい薄曇り。暖かい。

内視鏡検査についての参考文献を探しに弁護士会図書館へ。あまり期待せずに行ったのだが、消化器内視鏡という雑誌の特集号、「内視鏡「べからず」集」が置いてあった。
珍しい本だなあと表紙をめくると、「HIV弁護団文庫」との印が捺してあった。
当時の原告と弁護団のご苦労を思うと、胸をつかれる思いがする。

先日新聞に、血液製剤でHIVに感染した方に対し、国は除斥期間を理由に賠償を拒否したとの記事が載っていた。
不法行為をしたことを認めていても、不法行為の時から20年を経過すれば、賠償責任がなくなるというのである。
平成2年の最高裁判決がそう言った。
その後、戦後補償問題で国はその主張を繰り返してきた。
だから、HIVの件についてだけ、除斥期間の主張をしないということは論理一貫性を欠くと考えたのだろう。
まさか、除斥期間は、外国人には適用するが、日本人には適用しないなどど、文明国としてはみっともなくて言えないだろうし。

もし横田めぐみさんを拉致した国の裁判所が、拉致から20年を経たら賠償責任がなくなるとか、金さんのすることはすべて正しいから、そもそも不法行為とはなる余地はない、などと判決したら、日本国民の感情は最悪だろうなあ。それも独裁体制下での判決なら、裁判官だって家族もあるし大変なのねと同情の余地はあるけど。


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瑕疵

雨。大雨のおそれという天気予報が出てもたいてい午後にはあがってしまったりするので、たいしたことないやとたかをくくっていたら、しっかりした雨が続いている。

3月1日号のNBLにシステム開発委託契約についての論文が出ている。以前、デジタルコンテンツ法で、この問題を担当したので、どんなことが書いてあるのだろうと興味深く読み始めた。
ジェイコム株に関するみずほ証券の誤発注問題から書き始めて、証券取引所のトラブル、みずほ銀行のトラブルと読者の興味をそそる書き出しはうまい。
さらに、ソフトウエア開発の過程の説明、テストの条件設定の話と続き、さすがに具体的な事例が集積する東京の有名事務所の論文はおもしろいなあ、と読み進む。
続いてようやく法律の解説に入るのだが、しばらく読んで、驚愕した。請負の担保責任は債務不履行責任の特則だから、請負の債務不履行責任は1年間しか追及できない、と書いてある。
今の今まで、こんな解釈は聞いたこともないし、考えたこともなかった。
私の記憶がどこかで混乱をきたしているのか?私が法律を勉強しはじめたころ、間違ったことを覚えて今に至っているのか?
あわてて基本書、注釈書を見るが、ごく普通の、私の知っている法律しか書いていない。
請負の債務者不履行責任に基づく損害賠償請求権は、普通の損害賠償請求権であるから、10年の時効にかかる。
予備校で勉強した人の瑕疵担保責任の理屈はひどい、特に請け負いのあたりでぐちゃぐちゃになっているという話は聞いたことがあったが・・・・・・。

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親会社の定義の謎

1週間ほど前に届いた大阪弁護士会主宰の会社法の連続講座の申し込みをすると、定員に達しているからと断られてしまった。相変わらず会社法は人気が高い。

会社法の条文を読んでいると、不思議な謎に出会う。
定義規定である2条4号の「親会社」もその一つ。
解説書では、子会社、親会社は、いずれも法人であればよく、会社ある必要はないとなっているが、親会社の定義規定では、株式会社を子会社とする会社その他の法人となっている。この定義から、親会社は会社である必要はないが、子会社は株式会社である必要がある。
他方、子会社の定義では、子会社、親会社とも株式会社である必要はない(2条3号)。

会社法135条では、子会社は、その親会社である株式会社の株式を取得してはならない、と書いてある。
この場合、親会社が株式会社である場合だけを対象としていることは明らかである。

問題は、親会社の定義が、株式会社を子会社としている会社となっていることである。
親会社というためには、株式会社を子会社としている必要があるから、135条にいう「その親会社」というのは、株式会社を子会社としているものだけを指しているとすると、株式会社でない会社を子会社としている株式会社の株式であれば、その子会社(株式会社でない法人)は取得してよいとなるのか?
それとも、子会社は、という書き出しで始まっていれば、子会社の定義が優先して、子会社が株式会社である必要がなくなるのか?

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ゆうしんゆうしん

晴れ。桜は満開。今頃になって風邪気味。

昨日研究委員会かと思って出かけたら、全委員会を対象にした説明会だった。
幹事長のM先生以下今年度の執行部が並んでいる。
元兄弁のN先生が会計担当幹事。相変わらずクールでシャープで、予算をばしばしチェックしそうな雰囲気に緊張感が漂う・・のだけれど、本年度のキャッチコピーが「遊心、優心、てんこもり」?
彼のセンスではないような気がするのだけれど、この路線の説明も会計担当がしている。
昨年の幹事長は、国際派のY先生。コピーは「Now Let’s Step Forward」。退任の挨拶が「Today is the first day of the rest of your life」。
かなり路線変更があると考えてよいかもしれない。
執行部から、カラフルな「ゆうしんゆうしんてんこもり」饅頭をおみやげにいただく。・・・ひらがなで書くと忍者か何かの呪文みたい。

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新年度

講演委員会報告書を入稿して昼前に女性部会へ。新入会員歓迎会企画。といっても研修所の卒業は秋だから、入会して半年ほど経っている。

書店に寄って1時半ころ事務所に戻ると、I委員長から原稿に対するコメントが送られてきている。いつもながら仕事が早い。ついでに、人を上手におだてて仕事をさせるのもお上手。気をつけなくちゃ。

女性部会では、新入会員の挨拶のほか、部会員の近況報告があった。若い女性達が、乳幼児が自宅で待っている人もいるのに、夜遅くまで忙しそうに働いている様子がうかがえる。パートナーになった、独立予定という報告もあり、男女間に差があるなんて言われていた時代があったっけ、という感じだ。
私も仕事しなくちゃねと思いながら予定表を見ると、夕方からは友新会研究委員会の第一回会議。


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消費者

先週の金曜が締め切り日だったので気になってはいたのだが、講演委員会の原稿の催促の電話。
商品先物取引の分析を急いでいたため、他の仕事は後回しになってしまっている。
督促電話の主は先物取引研究会のメンバー、ということで、電話をいただいたついでにあれこれ教えてもらって疑問を解決。

商品先物取引の解説書を読んでいると、著者の弁護士が、先物取引で失敗した弁護士から依頼を受けた事例が載っていた。
事件で相手方としていた先物取引会社から、たまたま勧誘を受け、勉強のためにと思って勧誘トークを聞いているうち、必ず儲かるという話についのってしまった事案とのことである。

他人事とは思えない。
世間は、呉服過量販売の被害者に対し、どうしてはっきり断らないの、と冷たいが、私は、もし自分が展示会商法をしている店に足を踏み入れたら、被害に会わずに脱出できるか自信はない。
被害にあっていない人が、私は大丈夫だ、ちゃんと断れると思っていることの方が不思議だ。
彼らはプロで、ノウハウもあり、普通の人は、そのような状況に置かれたときの対応の仕方を練習したことさえないのだから。
子どもたちに、大人から道を聞かれても教えてはいけませんよ、と教えるだけでなく、何度も「いや」と大きな声を出す練習をさせるように、大人たち、特につつしみのある高齢の家庭婦人たちには、「いやです」「いりません」「帰ります」「帰らせてください」と大きな声を出す練習が必要な気がする。
私の好みからすれば、そんな練習をしなくても平穏に生きることのできる社会が望ましいのだが。

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年中行事

春。桜が咲いている。散々寒かったり、雨だったりした後なので、なんだか気が抜けてしまって例年ほど嬉しくない。
年々歳々・・・・つい他の年の花と比べてしまうのも桜ならではなんだろう。他の花では、昨年は、一昨年は、と記憶をたどらないもの。

弁護士会から数通の封筒が届く。
何かと思って開けたら恒例行事の委員に選任されました通知。全部にまじめに出ていたら、初回委員会開催日の午後はずっと会館で過ごすことになってしまう。
とはいえ、参加しておもしろいのは、本会ではなく、そこから派生するなんとかチームとか、小委員会。適当に割り振ってもらって、適当におもしろそうな所で仕事をしよう。

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定款変更

裁判所のHPがリニューアルしていることに気が付かなかった。1週間も前のことらしい。
最高裁判例のチェックに時々見ていたくらいだけれど、リニューアルされてしまったら、どこまでチェックしたかわからなくなる。
とりあえず開けてみると、それ以前の問題で、最新判例の頁そのものがなくなっていた・・・・・。・・・さらに、なんだか読みにくくなっている。
1週間も前のリニューアルに今頃愚痴っても仕方がない。

会社法の制定を受けて、公開会社では平均100くらいの定款変更がなされるのではないかとの記事があったので、実例を見たいと思っていたら、ビール会社が3月30日に定時株主総会を開催、定款変更。
「利益配当金」を「期末配当金」とするなどの文言変更、会計監査人規定の新設など会社法がらみのものから、目的規定の追加という純粋な変更、さらには読点の挿入といった、この際だからという感じの変更まで多数。
株券を発行する旨の定めが新設されている。
整備法76条では、旧株式会社の定款に株券を発行しない旨の定めがない場合には、新株式会社の定款には、株券を発行する旨の定めがあるものとみなす、となっているが、このみなし規定を使わないことにしたと思われる。
ながめていると定款変更に携わられた法務部の方々のご苦労がしのばれる。


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公益通報者保護法施行

本日、公益通報者保護法施行。
労働者が、公益通報をした場合、それを理由としては、解雇等不利益処分をすることができないという内容です。

労働者の通報先としては、労務提供先、通報対象事実について処分又は勧告をする権限を有する行政機関、通報することが被害の発生、拡大を防止するために必要であると認められる者、の3種類が挙げられています。

会社としては、いきなり外部に通報されるより、まず社内で事実を把握し、適切に対処し、必要であればその後に公表する、という手順を踏むことが望ましいことは言うまでもありません。

先に記載した3種の通報先への通報の条件は少しずつ異なります。
労務提供先に対しては、通報対象事実が生じまたは生じようとしていると思われる、という程度で可能ですが、行政機関に対して通報するには、通報対象事実が生じまたは生じようとしていると信じるに足りる相当の理由が必要です。
さらに、必要と認められる者に対する通報には、行政機関に対する通報の条件に加えて、(イ)労務提供先や行政機関に通報すれば解雇等の不利益な取扱いを受けると信じるに足りる相当の理由、(ロ)労務提供先に通報すれば証拠隠滅等がなされるおそれがあると信じるに足りる相当の理由がある場合、(ハ)労務提供先から正当な理由なく公益通報をしないよう求められたとき、(ニ)書面により労務提供先に公益通報をした日から20日を経過しても、労務提供先から調査を行う旨の通知がない場合または、労務提供先が正当な理由なく調査を行わない場合、(ホ)個人の生命または身体に危害が発生し、又は発生する急迫した危険があると信じるに足りる相当の理由がある場合、です。

以上より、会社のとらなければならない対応は次のようになります。
1 公益通報を受け付ける窓口を設置し、従業員に周知徹底する。
2 会社が設置した窓口への通報を奨励し、通報者を保護する。
3 書面で公益通報があったときには、速やかに受領した旨を通知する。
4 公益通報がなされたときには、誠実に検討し、今後の対応について通報者に通知する。

適切な窓口がなければ、情報は行政機関等の外部に先に通報されるおそれがあります。
適切な窓口があっても、書面に対する受領通知を発しなかったり、誠実に対応しなければ、外部への公益通報の要件の一つが充たされてしまいます。

この法律は、会社の危機を招くためのものではありません。
会社の危機を未然に防ぐ道具として有効に活用することを考えましょう。
外部に通報する要件を充たしていない通報は保護されないのです。
勇気を持って会社のために通報してくれた従業員を保護し、通報に適切に対応することで、会社へのダメージを最小限に抑えることができます。
それは社会、株主、取引先、従業員にとって利益となることであり、経営者が果たすべき責任なのです。

 

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