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医療事故刑事判決(東京地裁)

梅雨。

慈恵医大の腹腔鏡手術による業務上過失致死事件の判決。
東京地裁。

以前、テレビの特集番組で手術中に何が起きたのかの検証をしていたが、見ていて怖くなった。
腹腔鏡手術の経験のない3人の医者が、ごそごそと手術を始め、途中でできなくなり、もうやめようかと一人が言っているのに、もう少しやってみようと他が引っ張り、それを何回か繰り返しているうちに、麻酔科の医師からいいかげにしなさいと一喝されてようやくあきらめたということだった。
これが映画なら質の悪いホラーコメディなのだろうが、ことは現実に起きており、結果は取り返しのつかないものだった。
医師らは死亡と手術の因果関係がないと無罪を主張していたとのこと。
裁判官は、医師らの行為は、経験を積みたいという自己中心的な利益を優先したものであり、患者の安全確保という医師として最も基本的な責務を忘れた行為である、3名の医師には腹腔鏡手術をする最低限度の能力がなかったと、厳しい批判の言葉を述べられたと報道されている。
事実が特集番組のとおりだとすると、とてもとてもまっとうな批判である。
この医師らには、人の命を預かっている自覚がなかったのだろうか。
執行猶予をつけるだけの値打ちがこの「医師」たちにあったのだろうか。

業務上過失致死傷罪というは、自動車の運転中に注意力を欠いて事故を起こしたような場合に適用されるのだけれど、自分に能力がないのを知っていて手術して、途中でやっぱりできないと思っても引き際がわからなくて、ずるずる続けて患者を死亡させた、というのと普通の交通事故を一緒にされたくないと思う。

弁護士会に医療事故の相談に来られる方達の話を聞いていると、倫理的には問題外で、技術的には稚拙という医師がそこそこ棲息しているようなのだが、これは医師不足とかいうお題目で、金を積めば入れてくれる大学を量産したせいなのだろうか。医学部をどんどん増やしていたころ、優秀な子だけが医学部に行くのは道徳的に問題があるというような理解不能な理屈があったように思うのだが、そういうことを言っていた人は無能な医師に手術されて殺されても文句はないだろうが、普通の人も迷惑を被るからいいかげんにしてほしいと思う。

専門家の数が不足だから、学校を増やして大量生産しようという状況はロースクールにもあてはまるのだが。

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