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東京高裁処置請求

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東京高裁が2弁護士の処置請求をしたとの記事。

記事では、期限内に控訴趣意書を提出しなかったことが理由ではなく、期限内に控訴理由書を持参したのに提出しなかったことが理由のように書かれている。
刑事訴訟295条には、裁判所の弁論等の制限に従わなかったときに処置の請求ができる、とされている。
同法376条には、期間内に控訴趣意書を差し出さなければならないとされているが、差し出さなかったときに処置を請求することができる、とはされていない。

295条では、制止されても言い続ける行為がいけないとされているのだから、提出しなかったことにまでこれを適用することに違和感がある。
それとも、295条は、裁判所のあらゆる指示に従わなかったときにまで拡大して読むのだろうか?
提出しなかったことで審理を遅延させたと言うが、結果的には、裁判はそのことでむしろあっけなく終わってしまった。
被告人の権利を侵害したとのことだが、弁護士たちに被告人の権利を侵害する意図はなく、むしろ権利を擁護しようとしてしたことが裏目に出たということに異論のある人はいないと思う。

そもそも論から言えば、彼らはこんな事件の弁護人を引き受けなければ処置請求などということになることはなかったのであり、誰も弁護人を引き受けなければ、裁判は開かれずに立ち往生していたはずである。
被告人の利益を侵害したなどと体裁のよいことを言うが、控訴審で審理したところで判決は変わらなかっただろう。裁判が終わったことで真相が本人から語られることなくなったが、裁判を続行したところで被告人は語らなかっただろう。
こうしてみると、処置請求は、裁判があっけなく終わったことの非難を裁判所ではなく弁護士に向けさせるための裁判所の戦略なのかもしれない。

フランス革命時に王妃の裁判に弁護人をつけたのは、公正な裁判であることを内外にアピールするためだったが、現実には訴訟記録を検討する時間も十分に与えず、無罪ということにでもなれば、弁護士はおろか裁判官だって命が危なかった。
一体、どうすればよかったのだろう。道化を演じ続けるのか、手段を尽くして闘って葬り去られるのか。

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