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契約締結上の過失

雨のち曇り。
日経PCの法律クイズに、リンクが著作権の侵害にあたるかというのがあり、日記に時々ニュース記事を引用させていただいていることを思い出し、まさかと思いながらこわごわ解答頁を見る。・・・・私、何やっているのだろう?

下請業者が施工業者との間で下請契約を締結する前に下請けの仕事の準備作業を開始した場合において、施主が下請業者の支出費用の補填等の措置を講ずることなく施工計画を中止することが不法行為に当たるとされた事例(最高裁平成18年9月4日判決)。
特段の事情の有無、賠償すべき損害の範囲について審理を尽くさせるために原審に差し戻し。

施主と元請の関係なら、契約が成立することを相手方に信頼させたため、相手方がその信頼に基づいて出費した費用を賠償させるために、「契約締結上の過失」という技術を用いることができる。
本件は、元請ではなく、下請けであり、施主と直接の契約関係に入ろうとしていたわけではないから、実質は似たようなものでありながら、契約締結上の過失という概念は使えない。
原審は、設計監理を委託された者との契約に基づいて準備作業がなされていたものと推認するのが相当なので、設計監理を委託された者との間で解決をすべきとした。
これに対し、最高裁は、設計監理を委託した者から、準備に要した費用はその者が負担するとの説明を受けていたなどの特段の事情がない限り、施主の了承があったために下請け契約を確実に締結できると信頼して準備作業を開始したというべきなので、施主は準備作業に費用を費やすことを予見し得たというべきである、とした。

契約締結上の過失を、契約責任の一種としてではなく、不法行為の一類型として考えた方が理解しやすいのではないか。

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