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東京高裁決定(代理母)

晴れ。10月にしては今日も朝から暑い。キンモクセイの香りが日ごとに強くなるのがせめてもの季節感。

代理母契約をした両親を子の親として戸籍の受理を命じた東京高裁の決定文が裁判所のHPに掲載されていた。
今まできっちり新聞記事を読んでいなかったせいか、手続としては、ネバダ州裁判所の命令の承認をした決定というのを知らなかった。ネットで検索すると、朝日はネバダ州裁判所の命令を重視しと書き、読売は外国判決の承認であることに触れていない。

東京高裁の決定書には、「我が国の民法の解釈では、抗告人らが本件子らの法律上の親とされない」と明記し、「外国の裁判に基づき抗告人らを本件子らの法律上の親とすることに違和感があることは否定することはできない。」としている。
また、「法制審議会生殖補助医療関連親子法制部会において、外国で代理懐胎が行われ、依頼者の夫婦が実親となる決定がされた場合、代理懐胎契約は我が国の公序良俗に反するため、その決定の効力は我が国では認められないとする点に異論がなかった」、という認定もしている。
さらに、ネバダ州は、合衆国の統一州法委員会全国会議が起案した統一親子法とは異なる法律を有していることも認定されている。

国際私法の講義で、合衆国には短期間滞在して一定の手数料を払えば離婚できる州法を持つ州があるので(今でもそうなんだろうか?)、離婚するならそこの州に行って・・・という話を聞いたことがあるけれど、これもネバダあたりではなかったっけ。

それでも東京高裁が戸籍の受理を命じたのは、日本の民法の解釈では出産した女性が母とされているが、代理母契約で出産した女性は子の母となることを望んでおらず、ネバダ州裁判所も代理母を依頼した者を母としたため、依頼者を母とする州裁判所の命令を認めなければ、子に法律上の母がいなくなる、というのが受理を命じた実質的な理由だろう。

州裁判所の命令を認めなければ、父は認知により法律上の父となり、母は養子とすることにより法律上の母となる、という方法もあるだろうが(民法の規定には母の認知の制度もあるが、他人が出産した子を認知することは可能だろうか?)、子の福祉という点からすれば、血縁関係にある両親の実子とするのが望ましいだろう。
どのような親子関係を法律上の親子とするのかは民主的手続を経て制定された法律に定められているのだが、親の自己決定権は法律の上をゆくのか?医療技術に追いついていない国民意識が悪いのか?

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