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不正競争防止法研(虫歯予防ガム高裁判決)

曇り。少し寒い。
朝刊に知財高裁が福岡の「ひよこ饅頭」のことを和菓子としてありきたりの形として立体商標を取り消したとの記事。
納得がいかないなあ。「ひよこ」と言えば福岡のおみやげとずっと思っていたし、愛らしい形に特徴があるとも思っていたのに。

不正競争防止法研究会。東京高裁平成18年10月18日。キシリトールガムの比較広告に関する判決で、一審判決は原告敗訴だったのが、高裁では比較広告の差し止めが認められた。なお、損害賠償については被告に過失がないとして認めらなかった。
一審では双方の実験結果が異なっており、実験条件によって結果が変わるのかと思っていたら、高裁の段階で原告が被告の実験で得られた画像データを解析し、被告の主張するような結果にならないと主張した。
高裁が鑑定実験をしようとしたが、被告が実験について厳密な条件を指定し、実験者まで限定したので、再現のための鑑定実験は断念することになった。
これをもって、裁判所は、被告が当初の実験の合理性について必要な立証を自ら放棄したものと同視すべきで、被告の実験の合理性はないと言わざるを得ない、とした。

比較広告が虚偽であるとする裁判では、虚偽であることの立証は原告がしなければならない。
高裁も、「虚偽性について立証責任を負う控訴人(原告)の申し出に基づいて」と述べている。
被告の実験の再現のための鑑定実験は、被告の実験結果が虚偽であったことを立証するためだから、この実験ができなければ、立証ができない。立証ができなければ、立証責任を負う原告が敗訴する、ということになるはずである。
被告が鑑定実験にあれこれ条件をつけて実験ができなかったことによって、立証責任が転換したのだろうか?
判決文では虚偽性の立証責任は原告、実験の合理性の立証責任は被告と書かれているように読めるのだけれど、虚偽性と実験の合理性とはどう違うのだろうか?

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差押えと譲渡担保(最高裁)

晴れ。散歩に適した美しい季節。

譲渡担保と差押えに関する最高裁判決(平成18年10月20日)。
不動産の譲渡担保の目的物に対し譲渡担保権者の債権者によって差押えの登記がなされた後に譲渡担保設定者が全額弁済をした場合、第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることができるか否かについて。
最高裁は、弁済期の前後で分け、弁済期の到来後の弁済によっては不許を求めることができない、とした。

事案の解決にはそれで十分だったと思うのだが、最高裁はさらに法律論を展開し、弁済期の到来前に差押えの登記がなされた場合は、設定者が弁済期までに債務の全額を弁済して不動産を受け戻したときは、第三者異議の訴えにより不許を求めることができるとした。

差し押さえた側からすれば、譲渡担保の弁済期がいつかはわからないし、原因欄が売買等譲渡担保以外の事項が記載されていれば譲渡担保であるかどうかもわからない。
設定者による弁済が未了であり、設定者に資力があるとわかっていれば、不動産の差押えではなく、債権の差押えを選択するだろう。
弁済期が到来しているか否かという偶然の事情により、不動産の差押えが空振りに終わるかどうか決せられるうえ、債務者(譲渡担保権者)が知らない内に設定者から弁済を受けていて、差押えが空振りになってからその財産を差押えようとしても他の債権者に弁済されてしまっていて債務者は無資力ということもありうる。

他方、本件事案では、設定者は全額弁済したのに担保目的物の受け戻しができない。
譲渡担保権者の二重取りになるから、不当利得返還請求はできるだろうが、弁済後に担保権者が無資力になれば、返還を受けることができなくなる。
債務の弁済期が徒過した後に差押えの登記がなされた場合は、譲渡担保権者に弁済をしても担保目的物は戻らない。差押え債権者と交渉した方がよい。

ところでこの判決の内容からは、弁済期前に設定者が全額弁済をしたのに、譲渡担保権者に登記が残っていた場合は、差押えが優先するはずである。
設定者が不許を求めることができる要件に、弁済期前の弁済だけでなく、受け戻しまでが要求されているからである。
94条2項の類推なのだろうか。それとは無関係の要件なのだろうか。

・・・ここまで書いて裁判所に出かけたのだか、5分ほど歩いているうちに判決のロジックがわかった。
こういうことではないか。
差押え登記→弁済かつ受け戻し→弁済期到来 第三者異議での不許申立可
差押え登記→弁済期到来→弁済かつ受け戻し 不可
差押え登記→弁済→弁済期到来         不可
弁済期到来→差押え→弁済         不可

なお、弁済期到来→弁済→差押え で譲渡担保権者に登記が残っていた場合について言及されていない。この場合に94条2項類推の可能性があるのではないか。

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学納金判決(最高裁)

晴れ後曇り。
メールソフトを開くと56通の受信を開始し、その内の14通がゴミ箱マーク。残った41通を読み始めたが、3通くらい読んで、残りは後回しにすることに決める。

入学金訴訟最高裁判決。入学金については大学は返還義務を負わない、授業料は原則として3月末までに入学しない意思表示があれば返還しなければならない、4月1日の入学式に無断欠席をしたときには入学資格を失うとの規定があるときには、4月1日の入学式に学生が無断欠席した場合に授業料を返還しなければならない、とのこと。
入学金の法的性質は特段の事情のない限り、「入学しうる地位を取得する対価」とされた。
入学金という言葉に対して漠然と抱いていたイメージに添う定義だと思う。

特段の事情の例として不相当に高額と挙げられていることから、入学金という名目さえつけておけば金額にかかわらず返還しなくてよいとはならない。
また、入学資格の喪失に関する規定の仕方にも注意すること。

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晩秋

曇り。やや寒い。

12時から事務所で打ち合わせ。40分で終了し、5分で支度して1時に弁護士会館で土曜日相談。
新会館になってからの新サービスで、1時から4時の間に5人の相談者。
いつもより若い人が多い。1回だけで傾向がわかるはずはなく、今日がたまたまそうだったのかもしれない。

夕方事務所に戻る前にパンを買って昼食(というよりはおやつの時間も過ぎているが)にする。
昼の打ち合わせの聴き取りの内容で資料を作成し、月曜提出予定の書面を仕上げて・・・・・・・。
なんだかマラソンをしている気分。
月曜は日弁のシンポジウム出席のため、日記はお休み。

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離婚事由?

晴れ。予報によると寒くなるはずだったのだけれど?御堂筋の銀杏はまだ色づかない。

広報委員会のMBS分原稿のお題が届く。前回は、ボランティアサークルのHPに他人の写真を無断で使用したというもので著作権の話。なるほどありそうな話だと思ったのだけれど、今回は、妻が家事をしないという理由で離婚できるかというもの。
・・・・・・・・・・?
愛があれば乗り越えられる・・というほどの問題でもなく、双方結婚前から生活していたはずなので、それぞれのライフスタイルで適当に暮らしていれば、と思うのだけれど。
質問の趣旨がいまひとつよくわからない。
家事をしない妻と離婚したら自分が家事をしなくちゃいけなくなるだけじゃない。

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記者感覚

曇り。勤労感謝の日。

会月報に「司法記者クラブの窓から」という連絡がある。タイトルのとおり、司法記者クラブの方々に順にエッセイを書いていただく企画のようだ。
今月号は、産経新聞のF氏。
弁護士会が嫌いな理由が書いてある。
会の態度が「お役所」とのこと。会と言われても具体的に誰を指しているのかよくわからないのだが、「お役所」との記載には思わず笑ってしまった。
会が税金で運営されている市民サービスを目的とした役所だと考えれば、ご不満が募るのもわかる。
会は会員の会費で運営されている私的な団体なのだが。
ちなみに日弁と大弁の会費合計で毎月4万円以上支払っている。その一部は当番弁護の費用だとか法律相談の運営費といった市民サービスに使われている。
弁護士を批判される方は、平均的な弁護士以上に市民のために金と人手を出していらっしゃるのだろうか?

それはそれとして、110番を実施するときに予告報道はしてもらいたいが、結果は教えないという態度が気に入らないという具体的なご不満にはこちらも納得がゆく。
110番を実施する目的の一つは、同種の被害が多数存在すると思われる分野について、被害の実情を明らかにすることである。
110番で得られた被害の実態を、具体的内容は明らかにすることはできないが、統計処理した数値の公表や一般論化した被害の実情を明らかにすることで新たな被害者の発生を食い止めることができるかもしれない。
110番の電話を受ける弁護士はボランティアであり、自分の仕事の時間を割いて参加していることを考えると、速やかに統計処理をしろという要求は酷ではあるが、だから公表しないというのではなく、可能な範囲での公表の手段を検討してもよいように思う。

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外野席

曇り。 暖かい。
堀江さんの裁判の様子がニュースになっているのでいくつか読んでみたが、記者が興味をもったやりとりが断片的に書いてあるのが多く、証拠調べの方法で激しくもめたという雰囲気はわかるのだけれど、争点が何で、どっちの言い分に理があるのかがわからない。
野球のニュースなのに乱闘シーンばかり流しているといった感じ。

それにしてもどうしてこんなにもめるのだろう。公判前整理手続きが導入されたことで、検察の準備時間が不足しているのだろうか。
先日の民訴法のシンポジウムで、高橋教授が、迅速が実現されていることはわかったが適正はどうか、という問題提起をされたことを思い出す。
刑事訴訟でも同様の事態が生じているのだろうか。

裁判員制度のために連日的開廷をするという話がでたときに、検察は対応できるが、弁護側は無理ではないかという心配があった。
堀江さんのようなお金持ちが元検察官の刑事弁護専門の弁護士に依頼すると、おそらくその事件にかかりっきりで対応するだろうから、連日的開廷でも問題はないのかもしれない。むしろ反対尋問の準備時間が不足して検察が不利になるのかもしれない。
・・・もしかして裁判員制度ってお金持ちに有利な制度?
かと言って、検察官と元検察官がやりあっていると思うと、どちらかを応援する気にもなれない。
どちらもがんばれ、というところか。

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破産法研修企画

晴れ。やや暖かい。
ノートパソコンのバッテリーの自主回収のニュースを全く他人事のように聞いていたけれど、もしかしたらとメーカーのHPでチェックすると回収対象に該当していた・・・・。めんどくさいなあ。

会の研修企画の第一回会合に参加。種々の研修は受けていたけれど、企画に参加するのは初めての経験だ。1回の研修を実施するのに、どれだけの準備が必要かがわかって興味深い。
今回企画する研修の範囲は破産申立と破産管財。全会員を対象に年内にアンケートを実施し、質問を募ることになった。全倒ネットのMLは誰かから出された質問に誰かが回答するという使い方がされているが、ここでは実名をあげて全国ネットに質問するわけだからそれなりのものでないとという意識が働いてしまう。こういう日常業務の疑問はなかなか聞けないよね、と日頃の疑問をいくつかあげると、小ネタとして使えそうなのでまとめておくようにと言われる。
今回のアンケートに回答いただく質問、疑問は小ネタOKということなので、顕名での質問にためらいを感じていらっしゃった方も日頃の業務で感じた「これってみんなどうしているの?」をどんどんお寄せください。

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同窓会(ゼミ)

雨があがりかけている。湿度が高いせいか寒くない。

土曜日のゼミの同窓会は盛会。元ゼミ生の北京の弁護士も電話で参加。現在は京大にいらっしゃる教授が乾杯の挨拶で阪大LSに言及される。LSに熱心な塩野先生がいらっしゃったので、しばらくLS談義が続く。
大手弁護士事務所勤務のパワフルな女性弁護士が京大民事裁判演習を担当することになったと近況報告。司法試験の受験指導ができるのは貴重な人材だ。卒業生を京都にとられた、というか大阪は何をしているのだろう。
LSの学生さんたちの間では渉外事務所が人気が高いとのこと。給料がよいからねえ、と言うと、それだけではなくステイタスとして信仰を集めているらしいという返事。
他方、大阪の初任給の相場が下がっているという話もある。大阪で下がっているなら、東京はもっと低いのだろうか。
初任給以前に就職先がどのくらい確保できるのかも弁護士会の心配の種になっている。会派の就職斡旋会(通称お見合い会)は現行60期に対しては2度に分けて開催されたが、新60期のための会は1度しか予定されていない。現行60期の採用希望事務所が多かったので、同一年内に遅れて登場する新60期の採用希望事務所がどれだけあるのかわからないというのが正直なところだと思う。
教授に現行60期の採用がよかったそうなので、と申し上げると、うち(京大)の新60期はとても優秀だよと仰った。手塩にかけて育てた新60期より現行60期の方が人気が高いのが心外ということか。

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大阪弁護士会コンサートご招待のご案内

大阪弁護士会で12月19日火曜日午後7時から新会館オープニングコンサートが開かれます。
場所は新会館2階ホール。演奏は大阪フィルハーモニー。セビリアの理髪師序曲他。
400名無料ご招待です。
応募方法等詳しいことはこちら

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日弁連臨時総会の争点

雨。予想外。少し寒い。
夕方からゼミの同窓会で、それに出席すると仕事の時間が減る。
考えていても仕事の量は減らないから、どこかで仕事の時間を増やすしかない。
ここまで考えて、日曜日を仕事にあてることを思いつく。
これで問題が一気に解決した気分がして、さらに気が緩みそうなのがこわい。

来月上旬に日弁連臨時総会が開催される。
総会のたびに双方から委任状の提供を求める文章が届く。
今回の争点は、当番弁護士等基金の運営主体を変えて拠出期間を延長すること、という議案らしい。
以前、某マスコミが当番弁護は弁護士会のヒット商品などと評価したらしいが、この言い方はおかしいと思う。ヒット商品というと、有料で提供するサービスで利用者が多い、と聞こえるのだが、当番弁護の費用は弁護士が出している。
つまり、無償で提供しているサービスであって、その利用者が多い、というのだから、商品ではなく評判のよい贈与だと思う。
それで、この活動を続けていたらいつかは国が金を出してこの事業をしてくれると言うのが弁護士会の言い分だったのだが、普通に考えたら、国のどの機関が財務省と折衝までして予算をとってきてくれるというのか、そんな奇特な役所があるわけないじゃない。
現在の事態は、弁護士が従来どおり費用を出し、その金を法務省に渡して、支援センターに当番弁護を運営させようというもの。
金も人も出して口は出せなくなり、感謝は法務省がされるわけ?

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少数株主権行使の要件具備時期(会社法)

曇り。寒くなると聞いていたのだけれど、期待(?)したほどではない様子。
欠陥住宅ネットの鑑定事例研究会。裁判所から鑑定依頼された建築士の先生が、違法建築であることは明らかだが、施主も業者も違法であることを知って建築していた事例で、裁判所の鑑定人が違法を指摘すべきかどうか悩んでいらっしゃった。双方に違法であることを指摘することの了承をとって鑑定し、地裁では未払いの請負代金請求は認めず、解体して適法な建物を再築する費用の8割(2割は過失相殺)を業者に支払えとの判決で、高裁では反対に施主に未払いの請負代金を支払えとの判決。
違法建築と言ったって、家を図面より大きくするようにとの施主の希望でそうなっているのだから、建て替え費用を業者からもらっても現状より小さく家を建て直したりはしないと思う。

株主の検査役選任の申請に関する最高裁決定。最決平成18年9月28日。
総議決権の100分の3以上の議決権を有する株主は、業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うべき事情があるときには、業務の検査役の選任を申請することができる(旧商法294条、会社法358条)。
申請したときには、100分の3の要件をクリアしていたのだが、その後新株引受権付社債を有していた者が新株引受権を行使し、100分の3以下になった事案。

東京高裁は、申請時に100分の3の要件をクリアしていれば、その後の新株発行によって100分の3を下回っても請求権は消滅しないとした。
これに対し、最高裁は、会社が申請を妨害する目的で新株を発行したなどの特段の事情のない限り、不適法な申請になる、として、特段の事情を審理させるために原審に差し戻した。

「特段の事情」がない限り不適法ということだが、検査役申請後に新株が発行されて微妙に100分の3を下回ったということになると、偶然そうなったと言う方が「特段の事情」のような気がする。
それとも新株引受権付社債はしじゅう引受権が行使されて、総議決権の割合が変動するのはごく日常的なことなのだろうか?
経営側からすれば、防衛策として使えそうだが、あからさまなことをすれば「特段の事情」にひっかかる。


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行政事件訴訟法講義(水野先生)

晴れ。日差しは暖かいが空気は冷たい。

水野先生行政事件訴訟法講演。藤原猛爾先生とのコラボ企画。
行政事件訴訟法なんて、以前なら見ただけで拒絶反応を起こしていたが、今回講演を聴きながら全く抵抗感がなくなっているのに気づく。本町塾のおかげとH先生に感謝する。
水野先生ならではの法律改正時の議論の説明もあり興味深い。司法制度改革で唯一成功した分野か。小泉さんにこういう功績があったと初めて知った。
東京地裁の国旗・国歌判決にも言及され、この判決を批判する人には、ちゃんと読めと言っている、国旗・国歌を否定しているのではなく、職務命令に基づく行政処分がいけないと言っているだけだ、との解説を聞いて、私の読み方が間違っていなかったと嬉しくなる。

藤原先生からはアマミノクロウサギ訴訟の解説。アマミノクロウサギを原告にしたというセンセーショナルな出来事は知っていたが、内容は今回初めて知った。
クロウサギの生息地にゴルフ場を開発し、そこに至る道路をつけようというもの。
ゴルフ場?なんでこんな場所に。業者はクロウサギの棲息を調べるようにと行政から言われて棲息していないとの調査報告書を出したとのこと。どうしてそんなことがまかり通ったのだろう?
裁判ではゴルフ場開発は違法との見解が示されたが、原告適格がないということで棄却されたとのこと。
普通に考えれば、行政がゴルフ場の開発を許可しないというのが筋で、行政が機能していないのなら、司法が差し止めをしなければならないはずだが、そのルートが法律上存在しないというのはおかしい。
消費者契約法では団体訴訟が導入されたが、行政訴訟でも同様の立法は考えられないのだろうか?


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過労死研究会

晴れ。日差しはよいが空気が少し冷い。

過労死弁護団の勉強会に参加。新人対象なのだが、新人でなくてもよいということなので最新の情報に触れに出席する。新60期、現行60期も参加している。
5年ほど前に2000年問題担当者が自殺した事件の弁護団に加えていただいたことがあるが、過労死の勉強をするのはそれ以来だ。
この種の勉強会では、どのような証拠がどこにあって、どうやって入手するのか、という点が興味をひく。具体的な内容はこんな所に書いたら叱られるのだが、今回の勉強会でもなるほど、と思うような説明がある。やはり時々勉強会には参加しておかなくては。
日本人の30代の平均労働時間は過労死と認定される基準に近いそうだ。
過労死の場合、ご遺族の手元には労働内容に関する資料は何もない。
勉強会に参加していらっしゃったご遺族は、家族がなぜ突然自殺したのか、その理由が知りたくて労災申請をし、裁判所をしたと仰っていた。
日々の出社・退社時刻、労働内容、会社に配置転換を求めたときのやりとりなどの経緯を日記にでも残していただいていれば、ご家族にも何があったかわかるし、労災申請をするときの資料にもなるのだが。

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住まいづくり大相談会

晴れ。雷と俄雨。季節の変わり目なのだろう。

本町塾のH先生のご紹介で「住まいづくり大相談会」で法律相談の担当をさせていただくことになった。
主催者から、ちらしができたのでFAXする、訂正箇所があれば連絡がほしいとの連絡。
送られてきたちらしを見てびっくりした。

「住宅の建築前、建築後のトラブルから、家の境界線、相続、権利関係など住まいにまつわる様々な法律問題に幅広い知識をもつ弁護士が親身になってお答えします!」

・・・・・・・・・・・?なんだか自分がどこかの神社のご神体にでもなった気分。お賽銭箱に10円玉を入れて拝むとその分野のどんな願いでも叶えてしまう・・・・・。
家の境界線って・・、土地の境界のことなんだろうな。建築前、建築後のトラブルってどんなのだろう?
だめとも言えないのでこれでお引き受けする。どんな相談がくるのか予想して参考文献を持っていかなくちゃ。とりあえず、建築関係の法律相談の参考書をざっと読む。

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労働の対価

晴れ。昨日の寒気は何だったのだろう?

会相談課から個人再生希望として紹介された事件。多額の借金があり、長く失業し、住宅ローンも税金も随分滞納しているが、この度就職できたので個人再生したいとのこと。
確かに、無職の方が個人再生希望された場合は、無職ではこの制度は使えないと説明するが、だからと言って就職さえすれば個人再生ができるかというと、今後の返済能力の問題になるからむつかしい。特に住宅ローンの長期滞納があると頭を抱えてしまう。
話し合いを重ねたが、住宅を残したいとの希望が強く、夫婦共に2か所掛け持ちで働く、週末も休みなく働くとのこと。それでは体を壊さないかと心配になる。
銀行にもお願いして返済可能なローンの支払い方法への変更を検討していただく。
ようやく申立をすると、今度は裁判所が本当に大丈夫なのかと疑わしそうな様子。仰ることはわかるが、再生は本人のやる気にかかっている。本人たちは必死だ。
時間をかけて手続をすすめているうち、夫婦で必死に働くと借金の返済をし、生活をし、ローンを支払い、子どもの教育をするだけの収入が入るということがわかってきた。
以前ラジオで、「おばあちゃんの言葉」として、「働くと米と味噌と信用がついてくる。」と言っていたが、本当にそのとおりだと思った。

この度裁判所から再生計画の認可決定が出された。本人たちはとても喜ぶだろう。と言っても返済が始まるのはこれからで、今後の数年間が大変なのだけれど。

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うつ気分

時々雨。

昨日の午後いっぱい某所で請求書だの領収書だの帳簿だのなんだのをつき合わせていて、結局終わらず次回持ち越しとなった。頭の芯がぼおっとした状態で事務所にたどりつくと、不在の間に届いた書類、FAX、手紙、電話・・・・・・。
何もかも放りだしてやる、と悪態をつくだけの気力もなく、のろのろと片づけはじめたが、頭が重い。気分が沈む・・・。
積み上がった仕事のうちどれかが期日までに出来なかったらどうしようと思うと余計に物事がややこしく感じられる。
・・・・今日の夕方になって気力を回復して続きをはじめると、昨日の夜あれほどいらだたしかったことがそれほど苦でなくなっている。

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市民感覚懇談会

晴れ。冷気が去ってまた暖かくなっているような・・・?

広報委員会とテレビ局ディレクターとの懇談会。司法記者クラブの皆様は遠慮があって率直な意見をくださらないようなので、市民感覚で話をしてくれる方を探そうとの副委員長の発案。
蓋を開けてみれば、話をする前に、用語の説明からしなければならないことがわかる。
司法支援センターについて、新聞でこのような記事がありますが、と話し始めると、司法支援センターって何ですか、という質問がくる。
司法支援センターについて説明しようとするのだが、出席している弁護士の思い入れ度の違いによって、説明の足並みがとれないというか、どんどん枝葉に話が及んで、聞いている方はわからないだろう。
それで、ごちゃごちゃしていると、何のメリットがあってそんなものを作ったのだ、という鋭い質問がくる。
何のメリット?私が聞きたい。小泉さんに聞いきてほしい。
法曹人口の増加についてと言っても、もともと興味がない、と言われればそれまでか。
せっせと背景事情などを説明していると、問題の所在が徐々に伝わり、そう単純ではない問題に考えこまれる。これが知的な人間の普通の反応だと思う。
ちなみに某新聞社は、社の方針で人口増加をしろという記事を書くとのこと。説明は聞かないし議論の余地もないらしい。社の方針だから。こんなものに金を払って読んでいる人はお気の毒だ。
説明していると、委員長からしゃべりすぎだと言われる。
あちらは、今まで問題意識をもっていなかったので、すぐには意見が言えない、再度会合の機会をもってもらえたら議論が深まると仰った。
私は・・・・ひどく疲れた。弁護士にも会にも「市民感覚」にも。

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秋晴れ

晴れ。秋らしいお天気。

先日勝訴した事件の依頼人夫婦が訪ねて来られた。
若い可愛らしい夫婦で、独立して事業を起こして数年目。
もめている金額はさほど大きくなかった。扶助協会を介したといえども弁護士費用は発生するので、金銭面の収支からすれば勝ってもさほど満足感はないのではと心配していた。
事務所に来られた2人の顔はとても明るかった。お金の問題よりも精神的な負担がなくなり、仕事に専念することができ、顧客が増え始めた、とのことだった。
弁護士に任せたことでトラブルから解放されてよかったという言葉を聞くのは初めて。私もとてもうれしい。

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本町塾(土地収用法)

晴れ。風がなく、昨日より穏やかなお天気。

本町塾で土地収用法報告。エクセルを使いこなせないため、所々手書きの手作り感あふれたチャート図を持参し、ほのぼのとした雰囲気を味わってもらおうとしたところ、形容詞に違和感ありとの指摘。
本町塾では、行政法に特有とも言える長い条文をきれいに読めるとポイントが高い。
漢字がいくつ並んでいるのだろうと数えたくなるような文章を、息継ぎ、イントネーションに注意し、字面を追っているのではなく意味がわかって読んでいるように聞こえるよう注意する。「又は」「若しくは」「及び」「並びに」などのつなぎ言葉に注意するとさらにそれらしく聞こえる(はず)。
土地収用法3条の1号から35号までの適格事業は準備段階で、これを一つずつチェックすべきかどうかちょっと悩んだ。
これを全部チェックしていると時間がかかる。多分そこまではしないと思う、けどH先生のことだから、なさるかもしれない・・・・。
結果は、全部チェック。道路法と道路運送法・貨物自動車運送事業法、鉄道事業法と軌道法、鉄道事業と索道事業など、H先生のご説明が興味深い。と共にT君がやたら詳しい。????
日本郵政公社の株式会社化によって郵政公社関係の条文が改正されている。
次回も引き続き土地収用法。早めに切り上げて忘年会・・・・・ざこば鮨(^o^)/

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6民懇談会

晴れ。気温は下がる。御堂筋の銀杏の実が強風でぼたぼたと音をたてて落ちる。
歩道を歩くときには気をつけなくちゃ。

司法委員会と6民との懇談会と懇親会。新会館の会議室を使用。6民の皆様は初めて新会館にお越しとのこと。
林部長は、こんなに立派な建物だと知っていたら、会議室を貸してほしいというのを議題に入れておけばよかったとご挨拶。お祝いの言葉なのか、利用できるものは何でも利用しつくすという信念の持ち主なのか。あるは弁護士会から、ここのところ毎年のように提出されている、債権者集会の混雑を緩和してほしいという要請に対する牽制球なのか。

新しい話題として現れたのが、管財人に源泉徴収義務があるか、という問題。
大阪地裁の行政部で義務ありとの判決が出て、控訴中とのこと。
倒産した会社の元従業員に配当として、未払い賃金を支払うときと管財人報酬の支払いについて問題となっている。
特に元従業員に未払い賃金を支払うときに源泉徴収をしようとすると、単なる配当と違い、源泉をするための情報を把握しておかなければならず、また、相殺によって処理するときには、現実には金銭は動いておらず、源泉に必要な分を元従業員から受け取る必要がでてくる。現実問題として可能なのか。
弁護士の中には義務なしとして争うべきだとの意見もあるが、管財人事務所に税務調査が入ったとの情報もあり、自分が矢面に立って争いたくないという意見もある。裁判所は同じ大阪地裁の判決に真っ向から反対するのもどうかと思案していらっしゃるようだった。

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会社法(株主代表訴訟)

晴れ。今週半ばからついに天気がくずれ、気温が下がるらしい。

山口先生から一読をすすめられていたダスキン株主代表訴訟事件判決(大阪高裁平成18年6月9日判決判タ1214号115頁)をようやく読む。
長いなあと読み始めたけれど、途中から面白くなり一気に読めた。

株主代表訴訟を提起するためには、まず会社に役員に対する責任追及の訴えを提起することを書面で請求し、会社が一定期間内に責任追及の訴えを提起しないときに訴訟を提起できる。(会社法847条、旧商法267条)
商法でも同様の規定があったが、本件では訴訟提起後に会社に対して責任追及請求がなされている。
判決は、請求後も会社が責任追及をしなかったのだから、適法な訴えと認める、とした。
仮に請求を受けた会社が訴訟を提起すると、株主が提起した訴訟が却下され、会社が提起した訴訟が適法なものとなるとのこと。
株主には、却下される可能性は残るとはいえ、会社に請求することなくいきなり訴訟を提起し、その後に会社に請求する、という新たなルートができた。

会社法では、請求を受けた会社が責任追及をしないときには、請求があれば訴えを提起しない理由を通知しなければならない、という規定が新たにできた。
会社から理由を聞いて、訴訟を提起するかどうかの資料にするためと説明されている。
請求者が理由を聞く必要がない、と思えば会社に尋ねなくてもいい。

事案は、日本で販売するために中国で肉まんを製造したが、肉まんの皮に日本で許可されていない添加物が入っていた、それに気づいた第三者がダスキンの役員にそれを告げた、不許可添加物と知らされた役員は商品を調査し、添加物が検出されないほど微量であることを確認し、在庫を販売し、事実を告げた第三者に多額の金銭を渡した、役員会は事後に一連の事実を知ったが、何もしなかった、後日不許可添加物の件が発覚し、加盟店の営業補償などで多額の出捐をした、というもの。

何もしなかった役員会のメンバーに責任があるのか。
肉まんは販売され、消費されており、回収は不可能である。
ちょうど某ハンバーガー屋が平日半額セールをしていた時期で、不祥事を公表すると業界の競争に生き残れない可能性があった。
発覚したらそれから対応しよう、なんとかなるよ、いう雰囲気があるだけで、役員会として公表しないという決議もしなかった。

読みながら「経営判断」かな、という気もした。
公表しても売上げは落ちる、公表せずに発覚もしなければ売上げは落ちない。
どちらの道を選択するかは会社の舵取りをする経営者の選択によってもおかしくないような気もする。

裁判所は、発覚することはわかっていたのだから、発覚するまで公表しないというのは善管注意義務に反するとした。
金を渡さなければ公表するぞと言っていた人にこれ以上金を渡さないと決めた時点で、世間に公表されるのは時間の問題だと言うのだが、公表すれば自分が金を要求し、既に多額の金を受け取っていることも発覚するから、黙っている可能性だってあったようにも思う。
判決文を読んでいると、発覚の可能性がなければ、公表しないという選択肢もありえたと聞こえる。

発覚後に公表したことをマスコミに批判されて損害が発生したというが、発覚前に公表してもマスコミは叩くだろうから、それはそれで損害が発生する。
マスコミの批判は事実誤認に基づいたものもあったというから、それによる損害までも役員のせいというのもどうだろうか。
つきつめてゆけば、役員の善管注意義務違反というのは、マスコミ対応が下手だったということになるのか。
原告の主張する損害額105億円余りに対し、認容額が2億余りから5億余りなのだが、2億円にしても大きい。

なお、社外取締役の1人から社長に宛てて、事前に公表すべきだ、発覚してからでは手遅れで、大きな損害が発生するという詳細な提言書が届いていたが、この提言書が役員会で取り上げられなかったとされている。

会社の経営者は、常に時代の風を読む力が要求されている。


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文化の日

快晴。祝日。目覚ましもかけていないのに、どうして祝日だとすっきり目が覚めるのだろう?
内閣府で勤務している元同僚から久しぶりに帰阪するので事務所に寄ると連絡が入る。
「任期付き」のはずなのだが、消費者契約法の改正にどっぶりつかっているので、当分あちらにいるらしい。

次回の本町塾まで後数日。この週末にチャート図を仕上げて、説明用のレジュメを作成する予定。


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祝 田原先生最高裁ご就任

快晴。朝夕は涼しいのだが。

田原先生最高裁裁判官ご就任。
滝井先生はご退官。滝井先生お疲れさまでした。大阪に戻って来ていただけて嬉しいです。

田原先生と言えば倒産法というイメージだけれど、紹介記事によれば国選を中心に刑事弁護を200件こなされたとのこと。知らなかった。
日頃のご発言の内容から厳しいイメージがあるので、一度意見交換会だったかで隣の席に来られたときにはとても緊張した。
おそるおそる発言したことにきさくな身振りで同意の意を表してくださったのが抱いていたイメージと違っていてとても意外だった。ちょっぴりファンになった。
田原先生、最高裁でのご活躍におおいに期待しています。

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持つべきものは

晴れ。11月になったという実感がわかないお天気。

A先生から突然お電話をいただく。お名前は知っているし、日頃から研究熱心なご活躍ぶりは傍で見ているが一体・・・と緊張が走る。
用件は、近畿税理士会との研究会の事例を提出してほしい、というものだった。
この研究会には、税法の分野はきちんと勉強をしたことがないので、耳学問だけでもしようということでこそっと参加している。
近畿税理士会と近弁連との合同研究会で、交互に出題している。いくらこそっと参加と言っても出席させていただいているからには応分の負担をしなければならないようで、税理士会出題の問題の解答担当をしたこともある。
税理士会から出題される法律問題に解答するのは法律問題だからよいのだけれど、税務がらみの問題を作るとなるとある程度税務を知っていなければ、とんでもない的はずれをしてしまう。
問題を考えては、それについて調べるのだが、そうすると結構答えが見つかってしまう。私程度が思いつく質問は簡単すぎて税理士の先生方にお尋ねするまでもない・・・・・。

ちょっと考えて、同期の友人たちに、税務がらみでお困りの案件はないか、困った問題を教えてくれたら後日ちゃんとした解答を渡すよ、と依頼メールを送ってみた。
ほどなく問題が届く。
一件落着。


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