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少数株主権行使の要件具備時期(会社法)

曇り。寒くなると聞いていたのだけれど、期待(?)したほどではない様子。
欠陥住宅ネットの鑑定事例研究会。裁判所から鑑定依頼された建築士の先生が、違法建築であることは明らかだが、施主も業者も違法であることを知って建築していた事例で、裁判所の鑑定人が違法を指摘すべきかどうか悩んでいらっしゃった。双方に違法であることを指摘することの了承をとって鑑定し、地裁では未払いの請負代金請求は認めず、解体して適法な建物を再築する費用の8割(2割は過失相殺)を業者に支払えとの判決で、高裁では反対に施主に未払いの請負代金を支払えとの判決。
違法建築と言ったって、家を図面より大きくするようにとの施主の希望でそうなっているのだから、建て替え費用を業者からもらっても現状より小さく家を建て直したりはしないと思う。

株主の検査役選任の申請に関する最高裁決定。最決平成18年9月28日。
総議決権の100分の3以上の議決権を有する株主は、業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うべき事情があるときには、業務の検査役の選任を申請することができる(旧商法294条、会社法358条)。
申請したときには、100分の3の要件をクリアしていたのだが、その後新株引受権付社債を有していた者が新株引受権を行使し、100分の3以下になった事案。

東京高裁は、申請時に100分の3の要件をクリアしていれば、その後の新株発行によって100分の3を下回っても請求権は消滅しないとした。
これに対し、最高裁は、会社が申請を妨害する目的で新株を発行したなどの特段の事情のない限り、不適法な申請になる、として、特段の事情を審理させるために原審に差し戻した。

「特段の事情」がない限り不適法ということだが、検査役申請後に新株が発行されて微妙に100分の3を下回ったということになると、偶然そうなったと言う方が「特段の事情」のような気がする。
それとも新株引受権付社債はしじゅう引受権が行使されて、総議決権の割合が変動するのはごく日常的なことなのだろうか?
経営側からすれば、防衛策として使えそうだが、あからさまなことをすれば「特段の事情」にひっかかる。


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