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住友信託銀行vs.国税

晴れ。夜になると寒い。

住友信託銀行が外貨調達のため海外の取引先に債権を売却し、数か月後に一定額を上乗せして買い戻す契約をしていたのを売買ではなく、貸し借りで上乗せ分は利息の支払いとの国税局の主張が認められなかったとの記事。

取引の外形だけをみれば、債権を担保にして外貨を一定期間借りて、期日に元本と利息を支払って債権を返してもらうのと、買い戻し特約をつけて債権を売買するのとは区別がつかない。
そうすると、売買か貸借かは当事者の意思によることになる。

東京地裁は、売買であることを明確にした欧米の標準契約書にならった契約書を住友信託が作成していたと認定し、上乗せ分は、再売買の保証を得るためのもので利子にはあたらない、と判断したと書かれている。
売買であると明確に記載されている標準契約書にならった契約書を使用しているということが、当事者の意思が売買であることを示しているだけでなく、欧米には同種の取引の標準契約書があって、売買として国際的に認められている取引類型であることも住友信託の主張の裏付けとなったと思われる。

国税と争うときには、予め納付しておくと、還付加算金がつく。還付加算金は利率がよい。このケースでは63億円納税して75億円還付されるとのこと。
国税は控訴するかどうか検討中とのことだが、国際標準の取引の法律構成について、我が国の国税だけが違う解釈で課税をするというのは、なかなか通りにくいと思うのだが。

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