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税理士会との研究会

雨。桜に気を揉むのもこの季節の楽しさか。

近畿弁護士会と近畿税理士会との研究会。今回は税理士会出題。
いつも話がかみあわないが、今回もなかなか納得していただけない。
第一問。代表取締役の夫と離婚したい取締役の妻。他の2名の取締役は妻の親族。実質的には妻が会社を経営しているので、代表権を持った夫が不在になると不便とのこと。
取締役会を開いて代表取締役を解任をすればいいじゃない、という弁護士側に対し、妻は夫の顔も見たくないから招集できないと出題税理士さん。
だったら離婚調停で話し合いをしたら、と言うと、その間もリース代等の支出は発生しているから早く解決したいと仰る。
・・・・・そんなこと言われてもねえ。会社法は手続をきちんしさえすればよいので、反対に手続に瑕疵があるとややこしいことになりますよと説明してもなぜか納得していただけない。
第二問。遺言で不動産を取得する相続人が指定されているが、多額の負債はもっぱらこの不動産に関するもの。それでも他の相続人が相続分に応じて債務を負担しないといけないのかとのご質問。
そうです、との答えにやはりご不満の様子。
第三問。共働きで収入がほぼ同じ夫婦が不動産を購入したとき、夫名義にしておけば、後に半分を妻に贈与するときに贈与税が発生するが、最初から夫婦の共有名義にしておけば、分筆しても税金が発生しない。また、離婚の財産分与として夫名義の土地を妻に渡すと夫に譲渡所得税が発生する。おかしくないか、とのこと。
最初に夫名義にしているが、実質的には夫と妻とが半分ずつ支出しているのであれば、真正な登記名義の回復で共有の登記にできる。もともと夫の固有財産で購入したものであれば、夫の固有財産であっておかしくない、との答えにはどうしても納得していただけない。
夫婦の財産はもともと共有ではないか、婚姻中に共有物分割請求して何が悪い、とのこと。
夫婦といえども固有財産があると説明してもご納得いただけない。
夫と専業主婦の妻のカップルでは夫の預金は誰のものかとのご質問に対し、夫の固有財産と答えるとこれもご不満そう。
共働き夫婦で、生活費の分担を決めてそれぞれが出していた残りのそれぞれの名義の預貯金は誰のものか、というと、それぞれの固有財産だろう。しかし、はっきりと分担を決めていなかったときにはどうするのか、と言われる。客観的状況からどういう意思だったのか推し量ることになるとしか言いようがないが、このあたりで時間切れ。
第四問。遺留分減殺請求。法律の文言は相続開始前の1年間にした贈与は遺留分の算定価格に算入する、となっているが(1030条)、判例で相続人に対する贈与は1年間に限定しないとなっていると説明すると、財産のほとんどを相続開始の1年以上前に生前贈与された場合は、相続放棄すれば初めから「相続人」にならないから(939条)、この場合は相続放棄の方が得かとのご質問。
事業者が事業を承継してくれる相続人に財産を全部渡したいときに遺留分は困るとの問題意識とのこと。
これには弁護士側がはたと困った。
おかしい。いくら初めから相続人にならないとはいえ、そんな解釈はおかしい。
1030条第2文の損害を加えることを知ってなした贈与となるのではないか、という意見と、1030条の判例に言う「相続人」には放棄した相続人も含まれるのではないかという意見が出される。

終了後は最近の流行である会館ツアー。税理士の先生方は、取得価格は、前の会館の譲渡価格は、一人当たりの負担額は、と頭の中でぱちぱちとそろばんをはじいていらっしゃる様子。
隣接業との交流はいつも類似点より相違点をはっきりと認識させられる。

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