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総合力と気迫の防衛

晴れ。少し暖かくなってきた。満開の桜の枝が重たそう。

本年度から研修が義務化された。義務化後最初の研修は「敵対的買収と防衛策について」。講師は久保井一匡先生。久保井先生の防衛策となれば是非聞きたい。
というわけで、開始時刻より15分くらい早く会場に到着。一番乗りかと思ったら、勉強熱心な同期のK氏が先に来ていた。
防衛策の極意は買収者の株式比率を下げることだ、これで大丈夫だと言うと、K氏は方法を言えと言う。目的がはっきりしているのだからたどり着く方法は各自で考えてと答える。
K氏は究極の防衛策は上場の廃止だと言う。(世間体をのぞき)上場して何かよいことがあるか、(LDのような会社はともかく)普通の会社は上場しなくてもよいだろうとのこと。
それはそうなんだけど・・・。大学生の就職先として人気の某酒会社も上場してないし。

久保井先生の防衛策の極意は、総合力と経営者の迫力。
安定株主を得る・維持するため日頃から努力する、株主構成、資産、負債、剰余金などに気を配る。それでも買収者が現れたらそのときこそ経営者としての気概の見せ所だ。
先生は某ファンドの標的にされた大阪の企業の経営者を見て情けない思いをなさったのだろう。
おろおろするばかりで無策。行儀よく振る舞おうとして結局統合されてしまった。本当に統合に満足しているならよいが、そうでないなら戦う姿勢を貫くべきだったと仰る。
日頃からつきあいのある大阪の顧問弁護士に依頼していれば戦っただろうに、スポット的に証券会社とつながりのある東京の事務所に依頼したためにこんなことになったのではないかと嘆かれる。
そうかもしれない。戦う姿勢を貫いてがんばっていれば、チャンスが巡ってきたかもしれない。絶頂にあるかに見えた相手も振り返って見れば盤石ではなかったのだから。
大阪は彼らが好きだった。野球も百貨店も電車もホテルも商業ビルも。彼らが大阪を信用しなかったのだ。

当然のことながら、講義では過去から現在に至るまでに試行された防衛策をとりあげ、その利点、欠点を検討された。
買収者の持株比率を下げるための第三者割当て、新株予約権の割当てなどは裁判になればどう判断されるかあぶなっかしい。
(サッポロのような)事前警告型をとる会社が多いが、事前警告の有効性に疑問がある。
東証は9つの場合に新株予約権の発行を認める定款を承認したが、裁判所がどう判断するかは未知数であるとのこと。
他方上場廃止という防衛策については、全部取得条項付株式に転換するときに手続が強引だと裁判所で認められるか疑問だとされた。

なお、裁判所で争うと未知数というのは買収者側にとっても危険な方法ということである。裁判で防衛側の定款に従った手続きが有効と認定されれば、買収者が既に有している他社の株式にまで影響が及ぶので慎重になるだろうとの予測をされていた。

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