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外部監査人のお仕事

お昼前に派手な雷雨だったのに昼過ぎには雨はあがり、午後から青空。
ひんやりした空気に強めの日差しが心地よい。

日弁連外部監査人経験交流会傍聴。
それほど期待せずに出かけたら、予想外に面白かった。
包括外部監査というから、県政全部を見るのかと思ったら、毎年テーマを決めてピンポイントで調査するものらしい。
そのため、何を調査の対象にするかというのが重要になる。
調べても調べても何にも問題のないものをせっせと調査するのは時間の無駄だし、調べられる側の負担になるだけだ。
各地の外部監査人と補助者の弁護士が出席し、それぞれの実績や経験、ノウハウを語る。

ホームラン性の当たりが徳島の外部監査で取り上げた政務調査費。
徳島の外部監査人によれば、地味なテーマなので、もう少し大きなものの方がよいかと思ったが、調査中に世間で話題に話題になり、マスコミに注目されるようになったとのこと。

皆様の話を聞いているうちに、選択したテーマがヒットとなるかどうかはまぐれではないらしいことがわかってくる。
県政全体を一覧表にして、監査人と補助者数名で数日かけて眺めているうちに、何かおかしい、と思うものがいくつか見つかるので、その中から選んで調査をするのがよいとのこと。
反対に、監査人の都合で選択したというテーマというのは面白くないこともわかる。
会計士が監査人で、必ず赤字を抱えていて、会計士としては調査がしやすいという理由で公立病院が選択されたケースで、さらに補助者の弁護士が医療事故を扱っているという理由で、自分の興味に基づいたと思われるコメントを付け加えたという報告を聞くと、病院にはご迷惑な話だったのではないかと思う。

自治体の事業が採算がとれないこと自体が悪いとは思えない。
採算がとれるなら民間がすればよいので、採算がとれずに民間ではサービスの提供ができないが、住民のために必要なものだから自治体がする、というのが本来の税金の使い方だと思う。

また、危機管理部門は平時には無駄な出費と誤解されるものもあるとのこと。
例えば下水部門は平時には人が多すぎるように見えるが、ひとたび災害が発生すれば、緊急に人手が必要となり、しかもその時点で外部委託ができないとのこと。
こういうことを知らないで数字だけ振り回すととんでもなく的外れなことになるのだろう。

弁護士が監査人で、自信のある分野ということで、契約だとか債権回収だとかをテーマにしたというケースもあったが、ホームグラウンドに固執すれば、弁護士を監査人にしてもたいした効果は得られない、とか、この分野以外には監査が入らないから大丈夫ということになってしまいそうだ。

内部監査との関係については意見が分かれていた。
同じテーマで重なっても仕方がないので、情報を交換しながら効果的な監査を目指すという意見と、そもそも内部監査が不十分だから外部監査をしているので、内部監査部門と話をしても益はないという意見。
これは、外部監査人の考え方によるというより、各自治体の内部監査の質による意見の違いではないかという気がした。

今日の話を聴いた限りでは、外部監査が成功するかどうかは、外部監査人のセンスと行政が調査結果を骨抜きにするよう巧みに表現の訂正を求めたときに、安易に応じない剛毅さと無骨さということになると思う。

監査というから数字のチェックの話かと思っていたけれど、話を聞いているうちに弁護士向きの仕事だとわかる。


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