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消滅時効の起算点

曇りのち晴れ。
日曜日の住宅相談で、はじめて3人もの相談者が現れた。とはいえそのうちの一人はリピーターだから、実質は2人。

 自動継続特約付きの提起預金契約における預金払戻し請求権の消滅時効は、自動継続の取扱いがされることのなくなった満期日が到来したときから進行する(最判平成19年6月7日)。
 預金者が継続停止の申し出をするかどうかは預金者の自由に委ねられているのに、初回の満期日に払い戻しを請求することを前提に、消滅時効の起算点を解釈するのは、事実上預金者に払い戻しをするよう要求しているに等しい、というのがその理由である。

 先日の学生さんの法律相談会に、一定額まで貸し付けをする契約で利息の返済がなければ元本に組み入れ、元本と利息が当初の約定額を超えたときには、超えた分を請求する、という契約に関する相談が持ち込まれた。
 約10年前に返済したのが最後で、それ以後請求もされていないかったのに、このたび一定額を超えたとして請求された、銀行の請求権は時効消滅しているのではないかというもの。
 約定では、契約は毎年自動更新されており、一定額を超えたときに超えた分を請求するとなっているから、一定額を超えるまでは銀行が請求しても借り主は一定額を超えていないので返済しないという抗弁が成り立つ。
 つまり銀行が権利の行使ができるのは、一定額を超えたときなのだから、そのときが消滅時効の起算点だろう。
 学生さんたちは、どの相談者に対してもそうなのだが、目の前の相談者に同情的で、なんとかして銀行に消滅時効を主張する方法はないものかと考えていた。
 学生さんたちの議論を聞きながら、冒頭の最高裁判決が脳裏をよぎった。
 銀行だって、10年も自動更新されている定期預金の時効消滅を最高裁まで主張したくらいだから、個人だって自動的に利息が元本に組み入れられて10年もたったら時効消滅を主張したくなるよなあ。
 もっとも、通帳に記帳すれば貸し付け残高はわかるようになっていたというのだから、残高を記帳していなかったので知らなかったという抗弁もどうかなあ。

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