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内部統制の理論と実践(八田先生講義)

曇り。少しずつ晴れてきている様子。

「内部統制の理論と実践」研修。講師は青山学院大学院教授八田進二先生。
当然のことだろうけれど会計がご専門とのこと。
近隣業界の先生のお話をお伺いするといつも感じるずれというか感覚的、人種的にこれだけ違うのか、というのを今回も感じる。
雑談なのか、本論なのかが聞いていてわからない。
うっかりしていると講演全部が雑談と自慢話に聞こえる。
分厚い資料が配付されているが、おそらくこれは自分で読めばわかるということと、この内容を2時間で話すことはできないから最初からその内容を話すことはあきらめて、日本版内部統制の理念とご自身の活躍ぶりを話すことになさったのではないかと考えてしまった。
いや、もしかしたら最後の20分から30分くらいは内容の話をなさっていたのに、私が理解できなかっただけかもしれない。

とにかく、わかったことは、日本版SOX法などというものは存在しないこと、米国のSOX法の欠点をみた上で、その轍を踏まないように日本版内部統制基準が作られたということ、ちまたで言われている内部統制の実務というのは先生のお考えからすれば間違いが多いこと、特に日本版SOX法対応と書かれたIT関係の本はほとんどが先生のお考えからすれば勘違い本らしいということだった。

素人にこれだけのことを2時間でわからせてくださった先生の講演は素晴らしいというべきものだと思う。
あとは、配布された大部の資料と先生の解説本を穴のあくほど読めば日本版内部統制基準についてしっかり理解できるはず・・・だけど、会計の素人としては、もしかしたら理念の部分だけを理解してあとは会計士の先生にお任せした方が効率的かも。


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Comments

八田先生は自他共に認める企業会計の第一人者だと聞いていますが,とてもエネルギッシュな方でしたね。確かに脱線が非常に多かったですが(むしろ脱線話の方に力が入っていたような・・・),しかし八田先生が伝えたかったメッセージは詰まっていたように思います。

内部統制は,財務諸表の信頼性確保のためのもの,要するに「あの会社の株を買うとき,あの会社と取引するときに,開示されている業績とか資産状況は正しいのだろうか」という点の信頼を確保するための制度であり,常にそれを忘れずに考えましょうよ,ということなんだと思います。
すなわち,内部統制ルールというものを作ることが自己目的にならないように,細かい勘定科目を追うばかりで,巨大な粉飾を見逃してしまうようなことにならないように,会社も監査人もやりましょうということではないでしょうか。

例えば,「10万円の備品購入の決裁方法は万端だけれども,10億円の商品仕入れ・販売が環状取引であることを見過ごすような業務プロセスは,この際にきっちり直しましょうよ」ということで,会社のトップはマニュアルを売ろうとするコンサルとか監査法人のいうことを真に受けず,自分の頭で考えなさいということなんだと思います。
内部統制の議論が華やかな昨今,「証券市場の信頼性確保」という出発点からズレが生じてるんじゃないの,と感じていた私には,とても納得の2時間でした(脱線しなければ1時間かからなかったと思いますが・・・)。

Posted by: 南国弁護士 | 2007.07.14 at 10:30 AM

いつも拝見しています。優れた批評精神には頭が下がる思いです。

今日は私の仕事とも関わりがあるので,少しまじめな話を。八田教授がこの世界の権威であることは間違いない事実ですが,今回どのような話をなさったかは私は知りません。

しかし,この「内部統制」という言葉,巷で語られているように財務諸表に関わる部分だけで閉じる世界ではないということが,ちゃんと理解されているのか,私には疑問です。突き詰めて考えれば,財務諸表の観点からの統制レベルを求める所謂日本版SOX法は,内部統制高度化の取組みの端緒に過ぎないはずです。本質的な統制レベルを高めるためには,財務上のデータだけでなく,より幅広い観点での対応が求められると思いますが,世の中で,そうした話がきっちりなされているかは大いに疑問です。

私たちは日本版SOX法の範囲だけ出なく,ITの観点から,統制レベルを高めることのお手伝いをしようとしています。例えば金融機関のFraud防止とて,内部統制の高度化のはずですね。我々はこれをITを使って抑止力を高めるための取組みをしています。別に私は本を書いているわけではないので,どうでもいいのですが,八田教授が何を以って「日本版SOX法対応と書かれたIT関係の本はほとんどが勘違い本」とおっしゃているのかは非常に関心のあるところです。私の考え方も勘違いなんでしょうかねぇ。

いずれにしてもSOXだけでなく,より先を見越した内部統制を行わない限り,世の中の馬鹿げた企業関連のトラブルはなくならないのではないでしょうかねぇ。コムスン然り,ミートホープ然りだと思います。こうした企業で内部統制がどうして利いていないのかというケーススタディでもやってもらえば,この話ももっとわかりやすいかもしれません。

また,一般企業も,来年からのSOX対応さえ済ませてしまえば,「喉元過ぎればなんとやら」になってしまう可能性も否定できません。彼らが継続的に内部統制高度化に取り組んでいくという姿勢を示さない限り,法的規制対応のその場凌ぎになるような気がしてなりません。そこに大きな不安を感じます。

Posted by: 中年音楽狂 | 2007.07.16 at 01:57 PM

音楽狂様
貴重なご意見ありがとうございました。
八田先生の講演のテーマは、金融商品取引法における内部統制であり、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」及び「財務統制の評価及び監査に関する実施基準」等についてのご説明でした。
この点から、金融商品取引法の内部統制が、財務報告以外にものにまで及ぶような説明は間違いだと仰ったのだと思います。
もちろん、適法性・妥当性監査が不要だと仰ったわけではなく、これらは金融商品取引法上の内部統制ではなく、従来から存在する監査役、外部監査役の仕事である、と棲み分けを示されました。
この講演で、会計士と弁護士の棲み分けが明確になったような気がしました。
音楽狂様がご指摘のような事項は、当然に必要な事柄であり、今後、飾り物でない監査役、外部監査役による企業活動の適法性・妥当性のチェックが重要性を増すことになると考えております。
今後ともよろしくご指導のほどお願いしたします。

Posted by: 悠 | 2007.07.18 at 05:38 PM

南国弁護士様
コメントありがとうございました。
新しい法律ができて、罰則までつくと、他社がどうしているか気になってついコンサルに金を払って解決しようという気になりますよね。
自分で考えて間違っていたら責任問題だし。
自分で考えなさい、会社にあった方法をとりなさい、というのは理屈ではわかっても実行はなかなか困難な気がします。
当たり前のことが当たり前にできていれば問題はないのでしょうが、お役所を相手にするときには横並びも大事そうですし(笑)。

Posted by: 悠 | 2007.07.18 at 05:42 PM

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