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独占禁止法(郵便番号自動読取機)

晴れ。夏らしいお天気。

独禁法研究会。宮本先生ご報告。「郵便番号自動読取機入札談合事件」。
事件当時、この機械が作れるのは日本で2社だけで、それぞれ右流れ、左流れ、と違うタイプのものを製造していた、官の方から入札前に一方に内示があり、内示のない方は入札をしていなかった、受注状況としてはほぼ半分ずつだったというもの。
なお、その後さらに1社が技術開発に成功し、現在は3社が製造している。

この状況で2社が談合していたといえるか、官からの内示がなくなって以後も再発のおそれがあるか。

最高裁の判決(平成19年4月19日)は、審決書に旧独占禁止法54条2項の適用の基礎となった認定事実が明確に特定されていないことが、旧独占禁止法57条1項の規定に違反するか否か、という点のみ判断し、明確に特定されていなくても旧57条1項、旧54条2項の規定に違反しないとして原審(東京高裁)に差し戻した。

それはそれとして、やっぱり官からの内示で半分ずつ受注していたという態様が問われているとき、官からの内示がなくなっても、他の方法で同様の市場分割をすることができるから、再発のおそれがなくなったとはいえない、という判断はどうだろうか。
問題となっているのか官からの内示を受けて受注行動を決めるというものなのだから、やはりこの行為が繰り返されるおそれがあるかないかということが問題になるのではないだろうか。
それとも、独占禁止法というのは、行為態様を問題にしているのではなく、市場分割という結果から考えるのだろうか?
また、レジュメでは「意識的平行行為」という用語が記載されていて、同調的値上げなどの場合には違法とはならないとの説明がなされた。
ライバル社の動向を探り、独自に自社の方針を決めた場合、つまりライバル社に探りを入れて何月何日に30円値上げすると決めたことを知り、自社も同日同額の値上げをすることを決定するような場合は、ライバル社と事前に交渉しているわけではないから価格カルテルにはあたらない、ということらしい。
前回の研究会では、業界団体の会合に出席し、値上げの話をしているときに、自分のところは一緒にできないよと言っていたが、後に追随して値上げをしたことをとらえて違法とされていた。
今回の2社は、互いに交渉したわけではなく、官からの内示を受けて行動している。2社しかないので全く顔をあわせていないわけではない。
何がよくて何がいけないのか、いまひとつ釈然としない。

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