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大阪弁護士会の取組(多重債務者)

雨が降ったり晴れたりとめまぐるしいお天気。IDカードをつけた世界陸上の関係者をそこここで見かける。皆さん競技が終わって観光中なのかな。彼らの大阪の思い出って異様に暑い中で競技したと思ったら今度はどしゃぶりの中で観光させられた、とならないかしら。

自治体が多重債務者の過払金を回収して滞納税に充当するスキームについてどう考えるかの議論。
自治体が差し押さえて回収する場合は、複数の過払金があるとき、滞納額に至るまでは差し押さえて回収するが、残りは差押えの解除をすることになるはずで、そうすると弁護士が介入していれば、複数の過払金を全部回収し、税金を支払った残りは本人の手元に残るのに、自治体が介入した場合はそうならない、との問題提起がなされる。
自治体が自ら差押えず弁護士を紹介するシステムだと、弁護士が回収した過払金を債務者に代わって直接納税しなければならないとなると、利益相反の問題があるのではないかとの指摘。
ある自治体では、回収した過払い金は本人に返還してよい、自治体から弁護士を紹介されて過払い金が回収できた債務者は、自治体に感謝して自ら納税するだろうとのこと。

大阪弁護士会では、多重債務者の問題について自治体経由ということではなく、直接会相談課におこしいただこうということで、ラジオや電車で広告を予定している、とのこと。
広告費用が数百万円かかるとのことだが、それなりの効果があると思う。

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和解の極意

晴れ。雷と局地的豪雨の中を裁判所を目指したのだが、北新地駅でダイヤが乱れていて、少し遅刻。しかも目的地の裁判所周辺ではぱらぱらした程度とのこと。事前に電車が遅れているのでと連絡はしたけれど、ご理解いただけたかなあ。

元大阪高裁裁判官による若手会講演「裁判所の視点」
事件の見方の項目では、以前に裁判官の研修で、判決文を伏せて経過だけを提示し、意見を述べてもらったところ、裁判長クラスの裁判官の皆様の意見が一致しなかったというエピソードを披露される。
どなたに当たるかによって、勝ち負けが違ってくることってあるんだろうなあ。
バランス感覚の項目では、過失がどこにあるか立証困難だけれど、過失がないという結論はどうしてもおかしいという事件で、弁護士に調査を促し、弁護士が随分調査したところ、高裁の段階でようやく以外な箇所に被告の過失があることが発見された事例を紹介される。
何かおかしいと思ったらあきらめずにとことん調査すること。
その他最終準備書面の書き方、控訴理由書の書き方、控訴答弁書の書き方などの解説をされる。
最後は負けない和解の秘けつ。
和解は拒否した側が判決で負けるから、拒否したくても自分から拒否せず、相手に拒否させるように話しを持ってゆくこと。
拒否した側が勝つなら和解に応じる人がいなくなるから、拒否した側が負けることになっているらしい。
それから、結審した後の和解の段階で、不利だと知り、弁論の再開を求めて新たな証拠調べの請求などしないこと。
これはルール違反で、一瞬で和解が終わって負けるとのこと。
地裁の和解を断ろうと判決で負けようと高裁があるから構わないが、高裁の和解では後がないので慎重にすること。
一般論だから必ず個別の事件でこうなるとは限らないのだろうけれど、今まで感覚的に感じていたことを、元裁判官から理屈をつけて解説いただき、なるほどそうだったのか、という講演でした。


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常識的発想

晴れ。暑い。天気予報だと曇りか雨で気温は30度を下回るはずだったんだけど・・・?

会派女性部会と執行部との懇談会。
女性修習生の就職が困難と聞いているが、と質問すると、今年大阪はほぼ全員就職が決まった、大阪は頑張ったとの答え。よかった。ただ、東京では100名くらいがまだ就職先が決まっていないとのこと。
合格者の数が増えて、今では修習の終了式も一同に会することができなくなっている、実務修習は1500名が限度だと思う、という話になる。
教育システムが崩壊するほどに急激に人数を増やして、一体だれにどういうメリットがあるのだろう?
質が維持できなければ、数を増やしても仕方がないだろう。国民にとっては税金がかかるうえに危険でさえないか。
私が数を増やせという議論を最初に聞いたのは、バブルのころの日米の非関税障壁に関する議論のときで、米国が自国の弁護士を日本で活動させろと言ったのに対し、法務省が合格者の数が違う、つまり質が違うので無理だと答えると、合格者を増やして日本の弁護士の質を下げろと米国が言ったときだった。
数が増えれば質が落ちるというのを当然の前提とした議論だった。
ところが、現在は、数を増やして質を向上させると言っている。

以前、経済革命クラブとかいう詐欺がなかたっけ。
物を買えば買うほど儲かるという理屈をたて、それがわからないのは旧来の思考にとらわれているからで、新しい経済理論を理解すればわかるとか言ってたように思う。
裸の王様という童話もあった。
王様の服が見えないのは馬鹿だからと言われ、みんな見えているふりをするあれ。


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労働審判研修会

曇り。でも暑い。変なお天気。

某会派研修会「労働審判」。使用者側代理人、労働者側代理人の双方から実務的な話が聞けるとあって、盛況。

講師のお一人は、労働事件でどちらかが100%悪いというのは少ない。どちらにも落ち度があるのがほとんどで、白か黒かではなく、割合的な解決ができるという点で審判制度に期待していると仰る。
審判が出される前に双方の合意で調停が成立するケースが多いとのことだが、統計によれば、使用者側に代理人がついていないときには調停は不成立になることが多いとのこと。
また、労働者が退職している場合には、合意が成立しやすいが、退職せずに争っている場合には、合意が成立しにくいとのこと。

平成18年に制度がスタートするとき、大阪地裁では、年200件程度ど予測していたのに、この1年の実績は100件程度だった、どうしてだろうと議論になる。
裁判員制度については裁判所があれだけ予算をかけて大々的に宣伝しているが、労働審判についてはほとんど宣伝していないとか、大阪地裁の労働部に労働審判の相談についての弁護士会の案内文を置かせてもらうことで合意ができたが、実際にはどこに置いてあるかわからない状態などの意見が出される。
労働者側からすれば、自分が勤務していた会社を訴えるということはあまりしたくないのでは、という意見もある。
会社と言っても抽象的な存在ではなく、長年仲良く働いてきた同僚や上司の顔を思い浮かべると、その人達を相手に訴訟をするような気持ちになると思う。
むつかしいなあ。


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キャリアシステムって何だろう

晴れ。暑い。大阪で世界陸上なんて世界のトップアスリートに対して失礼な気がしてきた。

後藤田さんの口述聴き取り書「情と理」を読んでいるうちに、官僚キャリアシステムというのは、仕事はその他大勢のノンキャリにさせ、キャリアには下からあがってきた書類の決済権をもたせ、何かあったときにはキャリアに責任をとらせる、というシステムではないかという気がしてきた。
それでキャリアというのは、個々の仕事に精通しているよりも、一般常識と教養が重視されていたのでは。
自分はあれをした、これをしたと仰るけれど、短期間に一人でそんなに仕事をしたというより、御神輿の上で担がれていたというようにも見える。

裁判所もキャリアシステムで、しかもノンキャリ(裁判官以外)がキャリア(裁判官)になることはないので役所の中でも最も両者の区別がはっきりしていると聞いたことがあるが、仕事が峻別されているだけに、裁判官は他人の仕事の上という御神輿の上に乗ることができないので、すべて自分で手作業で仕事をしている。
あれもこれもキャリアシステムと呼ぶと誤解が生じないかという気になる。

それはともかく、知事さんに自治省出身者が多いわけがこの本を読んでようやくわかった。戦前の内務省指名の知事との違いは選挙があるかどうかだけで、選挙があるからたまにタレントさんが知事になったりするくらいで、そういうハプニングがなければ結局内務省が知事を派遣していたときと変わらないのでは。もっとも現在は知事になるために役人を辞めているから、知事の任期終了時に戻る場所がないという違いがある。戻る場所がなければ、そちらを向いて仕事をしなくてよいというのはメリットだろうけれど。


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厄除けのおまじない?

晴れ。暑い。こんな日に大阪でマラソンをするなんて信じられない。できれば日中は外を歩きたくないくらいなのに。

某所で、会社の株を20%以上所有している人がいることがわかったときに、第三者委員会の判断で、20%以上の所有者以外の株主に新株予約権を発行することができるという普通決議でしたらどうなるのか、ということが話題になった。
何それ?と思ったがこれがやたらと有効な買収防衛策になるという。
どうして、と尋ねたら、払い込み価格1円程度で新株が発行されたら現在の株式の価値が何分の1かになるから、この決議をしたと発表すると会社の株価は暴落し、株式を20%以上持っている人は財産的な打撃を受けるから、とのことだった。
そうかなあ?暴落した株をさらに買えばいいのでは?けど、それで新株が発行されたら比率が下がるからいたちごっこか。
というより、よくこんな無茶苦茶な決議が総会で通ったなあ。現経営陣が51%持っているのかしら?しかしそれなら一体どうして防衛策が必要だったんだろう?
会社の価値を高めるのがよい買収、下げるのが悪い買収という価値観からすれば、この防衛策は会社の価値を下げているようだし、そもそも現在の株主全員に財産的損害を与えている。決議の時点で株主は株価が下がると気づいていたのだろうか?
株を公開している限り、誰かが買うのだし、買ってもらうことで会社は資金を得ている。20%以上の株式を所有しているというだけで、経営者に買い取り請求をしたわけでも、本社を売却して配当しろとか言ったわけでもないとすると、有事の導入なのか平時の導入なのかどっちなんだろう?買った人の顔つきが悪いと有事か?有名なグリーンメーラーだと有事か?退職金つぎ込んだ素人さんだと平時か?
それにしてもこの防衛策は現経営陣の保護以外の目的なんてないのではないだろうかと疑われても仕方がないのでは。
仮に3分の2以上の特別決議で通ったとしても、相当性の点でアウトではないかと思うのだが、正面きって訴訟で争われなければ決議は無効にならないし、訴訟で争うとグリーンメーラーみたいなイメージがつくかもしれないということで訴訟にしない可能性が高い、だから簡単で有効な防衛策なんだとのこと。
なんだか乱暴な話だなあ・・・・・。

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事業承継と会社法(内藤良祐弁護士講演録)

晴れ。久しぶりに神戸地裁。車窓から見た大阪の空にはみごとな積乱雲だったが、六甲山の上には雨雲。三宮、元町とアナウンスを聞いているとちょっとした旅気分。

旅のお供は「事業承継研修② 事業承継と会社法」(内藤良祐弁護士)
私が言うのもおこがましいが、読んでいてふうんと感心するほどよくできている。
事業承継の定義に始まり、会社法を駆使して、できること、できないこと、できるけれど注意する点などが丁寧に解説されている。
とても本文18頁とは思えないほど内容が詰まっていてしかも読みやすい。
「日本におけるシンクタンクと呼べる組織は実は官庁しかないのではないかという危惧を持っているわけです。本当の意味で国民の方を向いて物を考える機関があるんだろうかということを考えた場合に、やはりそれを担うのは日弁連しかないのではないかという自負を持って、私どもは意見書などを書いているつもりです。」との著者の言葉を、読み進むにつれてこの著者にしてこの言葉ありと納得する。
大阪弁護士会共同組合発行。500円。お薦めの一冊。

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日本の夏の気温って何が標準なの

昨夜の雷雨でようやく都市の温度が下がった様子。昔はこのくらいが普通の日本の夏の気温だったような気がする。今年が異常なのか、これが最近のスタンダードなのか。

ハゲタカ(再放送)を見ていたら、委任状争奪戦をすると言いながら、株主総会で演説合戦をやって、しかもまだ取締役に選任されていない取締役候補者が演説をして(会長書面代読という体裁ではあったが)、その結果筆頭株主の提案が退けられていた。
こんなところで演説をして拍手の多さを競っているということは、過半数の委任状が集まっていなかったのだろうなあ。
そうだとすると、演説なんかしてもしなくても、最初から株主提案は否決されることがわかっていたのでは?
一株株主のような人達が騒いでいたけど、あれは何だろう?議決権は頭数じゃない。選挙じゃないんだから。それに、こんなに大きそうな会社に敵対的買収をかける資金力のあるファンドなんてこの世に存在するのだろうか?
妙な展開だなあと思っていたら、登場人物の一人が「茶番だ」とつぶやいて会場から出て行く(彼も株主か?)。
この一言だけが妙にしっくり腑に落ちてしまった・・・・・・。

株主総会のシーンなら、金融腐食列島の方がよかったなあ。

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自由と正義7月号特集 M&A

晴れ。暑い。地上は何か熱源が近くにあるのかと思うほどになっている。道路のアスファルトと自動車の熱をどうにかできないのかなあ。

「自由と正義」7月号の特集が敵対的買収。どうして今頃7月号なのかとも思うが、机の上にたまった書類の中の中から出てきたので。
組織再編の実務、新会社法とM&A、敵対的買収に対する防衛手段について、の3本を読むとこれまでの経緯と理論が分かりやすくまとめてある。
それにしても、この分野は日進月歩なんてものじゃなく、高速で進化しているみたい。どこに行き着くのだろう。ブルドッグの最高裁決定があったとはいえ、と言うか決定が出るや否や未解決の問題の指摘だの過剰防衛説だのと華々しい議論が続いているし。

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高校生模擬裁判選手権2

晴れ。暑い。木曜になると雨が降るのかもしれないけれど、もうそんなことはどうでもいい。とにかく今暑いと言いたくなる日差し。

債権調査だの担保権だの手形貸し付けだの求償権だの保証だのとややこしい問題がいろいろとあって、金融機関や不動産屋さんなどとのやりとりにうんざりしているところに、母校で教師をしている高校の同級生からメール。
先週の土曜日に大阪弁護士会館で開催された高校生模擬裁判に生徒を引率して行ったと丁寧な報告をいただいた。
参加高校は本当にうまく理論を組み立てていた、当校の生徒は裁判員として参加できたとのこと。
よかった。
以前に会に問い合わせたときには、裁判員を設置するかどうか不明ということで、そのまま確認もしなかったが、裁判員が設置されたんだ。
せっかくの夏休みの真っ最中の暑いさなかに朝から模擬裁判見学に来たのだもの。黙って他校の生徒さんたちをすごいなあと見ているだけより、何か参加できた方が楽しいだろう。
議論する、考える、決断する、といった裁判のプロセスにもわくわくしてもらえただろうか。
新学期が始まったとき、友人たちに、模擬裁判面白かったよ、裁判員になって楽しかったよと言ってもらえたら・・・そんな風景を想像すると、なんだか自分があの学校に通っていたころの気分になってしまう。
ひととき暑さを忘れさせてくれたメールでした。

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貸す人の責任、借りる人の責任

晴れ。相変わらず暑い。先週の予報だと今日雨が降るはずだったのに、週末になったら木曜まで降らないことになっていた。こうやって後3日、後3日と国民をなだめて酷暑をのりきらせようとしているのだとすると、気象庁は護民官の名を冠するにふさわしい役所と思えてきた。

昨日テレビをつけたらNHKが「ハゲタカ」の再放送をしていた。これ、そんなに面白かったのかなあ。
以前に見たときには、外資への債権のバルクセールの話だと思ってたけれど、昨日は事業承継の方が気になった。老舗旅館で親から継いだものだから、自分が起こした会社よりも他人に譲渡しにくいのかもしれない。

銀行の貸しはがしと泣き叫ぶ女性も登場していたが、もう一つよくわからなかった。返済の目処のない会社にずるずる貸すと、結局どこかで破綻するし、その破綻の仕方によっては米国サブプライムローンみたいに他人を巻き込んでの大騒ぎになる可能性もある。貸さないのも親切、事業の見直しをすすめる、どうしようもなくなる前に事業をたたむ、可能であれば他人に承継することを勧めるのも親切ではないだろうか。

もっともバブルのときには銀行が不必要な施設や事業を熱心に勧めて金を借りさせ、バブルの崩壊で返済できなくなり本業の足を引っ張るということがあった。会社だけでなく、個人でも土地があれば、賃貸マンションを建てることをすすめ慣れないマンション経営をさせ、返済ができなくなると返せないなら担保を実行すると言う。貸すときには事業計画を提案し、一生のおつきあいなどと親切そうに説明をしておきながら、逃げるときには、自分の判断でなさったのだから、と言うのもどうなのかなあ。
金を借りるのは自分の責任で、経営は向き不向きがあるので安易に利回りなんて言葉にのせられないこと、というところだろうか。


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M&Aハンドブック(大阪商工会議所)

暑い。連日暑いので、暑さに驚かなくなってきた。市役所の法律相談に来られた方に暑いですねえ、とふってみるが、こんな日に市役所まで相談に来る人たちは暑さなんかにかまっていられないのか、気にしていらっしゃらない様子。

大阪商工会議所が発行している「中堅・中小企業のためのM&Aハンドブック」
読みやすいし、結構内容はあるし、700円と値段も手頃。
末尾に事例集がついていて、16例の成功事例があがっている。
年商1億円なくても事業内容によっては買い手がついたとか、赤字会社でも売れたとか、ハッピーな事例ばかりがあがっている。
失敗事例もつけておいてもらったら、どういうときにはうまくいかないのかわかってよいように思うのだが、会議所にすれば、最初からあきらめられると困る、というか、一度は相談に来てほしいというのがあるから、失敗事例は挙げないのだろうな。
これを読んでいると、シナジー効果を狙ったとか、東京の事務所がほしかった地方の類似業者といった組み合わせで、突拍子もない組み合わせなんてないから、買い手は案外身近にいるのかも。
自分が育てた会社を身内に継いでもらいたいというのは人情かもしれないけれど、適当な後継者がいないのに無理をするより、売れるときに売ってしまった方が、というのは他人の言うことで、生来の農耕民族で、財産は代々子が承継するものだと染みついている日本人には、会社を売ることに感傷的になるなという方が無理かもしれない。美田を遺さず、を実践するのはむつかしい。
最初の第一歩は身売りというイメージを払拭することから。

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建築条件付き土地売買契約

晴れ。暑いというよりも熱いという感じがする。地下街にいても1階で外につながる階段の下には熱い空気が降りてきている。とても温帯地方の国のまんなかあたりとは思えない。

こんな日の法律相談は溜息まじりに事務所を出るけど、相談者だってよりによって今日出かけることはないと思われたのだろう。予約のあった人が一人来られただけ。ちょっと寂しい。
建築条件付き土地売買契約に関する相談。
土地を不動産業者から買うときに、一定の期間内にその土地の上に建物を建てることが条件となっている。もしその期間内に建築請負契約を締結しないときには、土地売買契約は解除される。
不動産会社は、土地を売って儲けた上に、施主が支払う建築代金と建築業者が受け取る代金との差額を取得する。
ネットで調べるとこの差額の相場は400万円から700万円となっている。
結構な利益がでる契約なのだが、土地の購入者からすれば、高い建物を建てさせられることになる。
どうしてこんなことをするのだろう?土地の値段を低めに設定して売りやすくしているのだろうか?
土地を買う方からすれば、業者を探さなくてすむというメリットはあるが、自分の気に入った業者に依頼することができないと言うデメリットがある。
ともあれ、建物を建てるときには、見積書をとり、見積書に書かれているパーツに関してはカタログを見せてもらって、一つずつ価格を確認すること。

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新聞の力

曇り。昨夜はあまりに暑くて目が覚めたので流れ星探し。1時間くらい空を見上げていたら、流れたというより落ちたという感じで一つ。そういえば『ハウルと火の悪魔』に落ちた流れ星を探しに走る場面があったっけ。映画より原作の方が格段に面白かったなあ・・・・というより全く違うものだったような。

朝刊(読売)を見ると、クオーク、オリコ、アプラス、ライフが押し売り業者と加盟店契約をしていたとの記事。
快哉を叫んだ。
以前とんでもない押し売り業者の被害にあった相談者がクオークの契約書を持っていた。そのとき消費者法に詳しい友人から、クオークはそういう業者の契約に名前がでることが多いと教えてもらった。
それからも腹立たしい押し売りの被害でクオーク、オリコの名を見ることがしばしばあった。
あまり消費者法に関する事件をしない私でさえ、これらの信販会社をどうにかすることはできないのかといらだたしい思いをしていたのだから、消費者法専門の先生方はなおさらだっただろう。
これらの会社がしていたことがはっきりと世間に示されたことはとてもうれしい。

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夏休み

晴れ。真夏日。ここまで晴れると夏らしいとほめたい気分。北新地や西天満界隈もお盆モード。

事務員が夏休みなので、レターケースまでとことこお出かけ。新会館になってからレターケースへ行くのは初めて。
ケースの中にははちらしが一枚。某会派が芥川賞作家辻原登さんを招いて文化講演会をすると書いてある。
これは嬉しい。『翔べ麒麟』は連載の途中から読み始め、本になったときに改めて最初から読んだ。登場人物も魅力的だけれど、何より盛唐時代の長安の都の描写がすばらしい。世界帝国の首都にふさわしいにぎわいと繁栄ぶりで、そこを舞台に国際政治、王朝内部の権力争い、果ては大規模な内乱まで起きるのだから、とても楽しい。これを読んでから興福寺あたりを訪ねると、知り合いが見ていたもの、使っていたものが置いてある気分になる。

三角合併だのM&Aだのという論文を読んでいると、どうやら税務と切り離しては考えられないもののようだ。税務署は、国民が経済活動をした結果に税金が発生しているだけ、などと涼しい顔をするが、現実には国民の行動を政策に沿って動かす役割を果たしている。特に企業はトータルで考えて損か得かで動かないといけないので、結果的に多額の税金が発生してマイナスになるのであれば、単純に目的が達成されてよかったね、と喜べないから、税金によるコントロールが効きやすい分野なのだろう。
事業承継の分野でも、だいたいどういうところで税金に注意するかだけをおさえておいて、税理士または会計士と組むのが手堅いということか。
隣接他士業と一緒に仕事をすると、弁護士法に抵触する場合が生じうるという問題があることはあるのだが。


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事業承継

曇り。暑いことは暑いのだけれど、風が強く変なお天気。
NHKで「尾崎豊のいた夏」。CDでしか知らなかった彼の映像を初めて見る。22年も前の映像。
できることなら生きていてほしかった。大量消費される娯楽品として作られたものではなく、思索を紡いだ言葉を全身で表現している歌だから手垢がつかないのだと思う。
「甘いと笑うのもよくわかったから」・・・少年が夢を語るのはなんと危険な行為なんだろう。

日弁連から事業承継支援実務家リストへの登載についてのアンケート。
興味のある分野なので、弁護士、税理士、会計士の友人に声をかけてチームを組み登録。
アンケートの中に、事業承継ガイドラインの解説の研修を受けたかというのがあったので、そのときの研修速報を購入する。
解説によれば、従前はもっぱら税理士さんの仕事だったようだ。
弁護士のところにくるのは、承継に失敗した段階がほとんどだろう。承継に失敗したのだろうなと思われる事案を何件かみたことがある。
他の業界で自分の仕事をきちんとしている息子を高齢の親が呼び戻して、しかし会社の実権は死ぬまで譲らない。となると急遽交代したとき新社長(息子さん)は困惑するだろう。かといってあまりに早く交代してしまうとせっかく創業したのに、自分のものでなくなってしまう。
自分の財産のことだけなら、自分で好きに使ってあとはどうなろうと知らない、ですむけれど、従業員がいるとなるとそんな身勝手なことはできないし、取引先のこともある。会社が動いていれば設備は利益を生む装置だが、たたたむとなると処分に手間と費用のかかる困ったゴミ。
承継に失敗した後の片付け段階ではなく、承継計画をたて、円滑にそれをすすめる段階からお手伝いできればいいなあ。


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抵当権と法定地上権(最高裁判決)

晴れ。猛暑。

「大阪における当番弁護士活動」第14集が届く。原稿を提出してから1年くらいたったように思う。もう掲載してもらえないのじゃないかと思っていたところだった。
他の人達のタイトルをざっとみると、無罪だの更生緊急保護制度を利用しての執行猶予だの処分保留釈放だの不処分だのといった活動の成果が挙げられていて、こんな素晴らしい活動の中に私の原稿が混じってよいのだろうかと思う。
7人に対する殺人未遂が1人に対する傷害となり、不処分というのがあるので読んでみたら、少年が15人のグループにおびき出されて、危ういところを自動車で脱出しようとしたところに警察官が通りかかり、15名から轢き殺されかけたと訴えられて逮捕されたというものだった。警察に虚偽の自白をさせられたところで接見した若手のS谷先生、大変なことだと弁護士はいらないという親を説得して付添人になり、裁判所を説得して観護措置をとらせず、最終的に不処分にしたという華々しい活躍が書かれていた。その間、少年の兄がグループに襲われ、少年自身も再度襲われるのではないかという手に汗握るシーンだの、調査官が自分で逃げようとせず警察に助けを求めたらよいじゃないと非常事態を理解しない発言をするのに対決するシーンだのドラマを見ているような展開。
やっぱり弁護士は熱血じゃなきゃねってこの報告書を見たら思ってしまう。S谷先生、普段は熱い人に見えないんだけど。

法定地上権に関する最高裁判決(平成19年7月6日)。
土地を目的とする先順位の甲抵当権が消滅した後に、後順位の乙抵当権が実行された場合において、土地と地上建物が甲抵当権の設定時に同一の所有者に属していなかったとしても、乙抵当権の設定時に同一の所有者に属していたときは法定地上権が成立する。

一審、二審とも反対の結論をとっている。
確かに甲抵当権が消滅していなければ、乙抵当権設定時に土地建物が同一の所有者であっても、抵当権が実行されたときに法定地上権は成立しない。
そうすると、乙抵当権者は、抵当権設定時に、同一所有者であっても甲抵当権があるから、法定地上権が成立しないだろうとの予測のもとに不動産の価値を評価していた可能性がある。
この場合、甲抵当権があるので、乙抵当権は法定地上権のない不動産の価値から甲抵当権の被担保債権額を引いた価値を計算していたはずである。
ところが、その後甲抵当権が消滅し、乙抵当権は、不動産の価値全体を把握することができるようになった。
問題は、その不動産の価値が、不動産(法定地上権なし)、不動産(法定地上権あり)のいずれであるか、である。

最高裁は、抵当権というものは消滅する可能性があるのは当然のことだから、そのことを予測した上で、順位の上昇の利益と、法定地上権成立の不利益を考慮して担保余力を把握すべきもの、とした。

甲抵当権の把握していた価値がよほど小さくない限り、順位が繰り上がることと法定地上権が成立することのプラスマイナスを考えたらプラスになるように思うのだけれど、実際にはどうだったんだろう。
不動産の所有者からすれば、甲抵当権の把握している価値が小さいなら、弁済してしまって法定地上権をつけてもらった方が有利ということもあるだろう。


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神田秀樹先生セミナー(ブルドッグ買収防衛)

晴れ。暑い。

神田秀樹先生セミナー「三角合併解禁後の企業価値を考える」。
会場に入ると、机の上に封筒に入った資料と判決文らしきコピー。ブルドッグの最高裁決定だ。なんてラッキーなんだろう。昨日の午後に出た最高裁決定について解説してくださるんだ。

講演のテーマは買収防衛策、三角合併、MBO。
前置きとして、適法であると同時に市場における受容性がなければならない、法の趣旨は文脈で理解すべきと仰る。
法律に触れていなければ何をしてもよいとか、誰がどういう状況でしても同じだなどというようなことは仰らない。バランスのよい法律家というのはこうでなくては。

考え方としては、まず、企業買収の良し悪しは、国の経済にとってプラスかマイナスかで決まる、という命題をアプリオリに措定する。
次に買収も防衛もルールに則ってすることになるが、その際、会社法だけでなく、税法、会計ルール、証券取引所のルールもきちんとみておく。
会社法では黄金株の発行は可能だが、証券取引所が認めなければ、上場会社では使えない。

防衛策には、平時導入と有事導入のものがあるが、ブルドッグは有事導入型。
だから、今回の決定で認められたのは、有事導入型で、株主総会の(特別)決議(80%)があり、対価(現金で補償)の支払いがあるもの。
この条件で、対価の差別化(一般の株主は株式で、SP関係者には金銭で)は、
  濫用的買収者か否かにかかわらず適法(最高裁)

防衛策の必要性と相当性。
必要性については株主総会決議があれば裁判所はそれを尊重する。
相当性については裁判所が審査をする。
取締役会だけで発動することができないわけではないが、その場合は、必要性について防衛側が立証しなければならない。

相当性については、買収者に財産的な損害を与えてはいけないが、それと同時に一般の株主にも損害を与えてはいけない。
新株予約権は譲渡できず、株式を譲渡しても予約券は元の株主のもとに残る。そうすると、一般の株主は、新株予約権を行使するまでの間、投下資本の回収に支障をきたすことになるが、これが一般の株主に損害を与えることにならないかが問題となる。
今回のケースでは、期間が長くなく、株主はそのことを承知して決議をした(高裁)ということでクリア。
(本当に株主はそこまで考えていたのか?)

他方、決議なしに取締役会だけで防衛策の発動を決めるときには、必要性の立証をしなければならない。
どうしても総会を開くことができないのであれば、株主の声を聞く方策を考えた方がよいとのこと。
ここまで聞くと、SPは5月にTOBをかけたので、6月の総会で決議がされてしまったということだが、どうして総会の直前なんてタイミングをとったのだろうかとの疑問が生じる。
なお、「総会がなければならない」かどうかについては議論の余地があるとのこと。

今回は有事型だったが、平時型も有効か?
不明。平時に決議し、有事に取締役会で発動するとNG、有事になってから総会決議をしなければならない、というのであれば、防衛策を平時に導入する必要がない。

ブルドッグは特殊か?
会社の規模が比較的小さく、特別決議が可能であり、このような会社は平時の防衛策は不要だろうが、果たして他の会社では同様のことができるかどうかは不明。

それでは、平時導入の会社が大勢を占めるか?
すべての会社が敵対的買収の危険にさらされているわけではない。
平時型が有効かどうか不明であり、また、有事に手段がないわけではない。
ということから、平時に導入する会社はそんなに多くはならないだろうとのこと。

以上ブルドッグに関する部分のみセミナーの内容の要約。
超一流の学者の講演を生で聴く、それも昨日の午後の最高裁決定の解説をしていただくという、スリリングで刺激的な時間でした。


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ビジネス法務9月号

晴れ後曇り。日中はうんざりするほどの真夏日だったのに夕方から湿気た雲が空を覆う。

裁判所の書店で「三角合併の活用法を探る」という特集の雑誌を見つけ、値段を見ると1600円。
こんなタイトルつけるだけで飛ぶように売れるのだろうなと思いつつやっぱり買ってしまった。
三角合併でできることあれこれが書いてあってまるでこの素材をこう使えるという料理の本みたいな雰囲気で、スタンダードな使い方からそんな使い方本当にするのということまで書いてある。
グループ内再編とか持株会社の子会社の事業再編なら先日の会計士さんの講演で聴いた。けど安定株主工作って、他の会社の安定株主になってあげるために自分の会社を吸収される親切な株主っているのだろうか?子会社から親会社への資金供給っていうのがさらによくわからない。子会社が合併した会社の財産を親会社に渡して親会社は合併された会社の株主に株式を渡すということらしいが、これだと子会社の資産が親会社に移っていないような気がする??
いろいろに使えて楽しいという雰囲気だけはわかるけど。

もう一つの特集でブルドッグ地裁判決に対するコメント。
総会屋に対する利益供与とどう違うのということが語られている。総会屋に金を渡すのとどこが違うのかひっかかっていたので、こういう問題のたてかたをストレートにされるとすっきりした気分になる。もっとも結論はすっきりしない。これを読んでも洗練された(?)形の利益供与にしか見えないんだけど。

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金融商品取引法

晴れ。東儀秀樹さんのコンサートに行き、東儀さんと上海の音楽家たちとの共演を楽しんだ。
日中双方の伝統楽器の共演を聞きながら、長い交流の歴史の過程で日本人は折々に中国の楽器の音を楽しんできたのだろうと想像する。そういう幸福な想像をしていると、ときにぎくしゃくすることはあっても、両国の関係は永続的なものだと思うし、東儀さんもコンサートの合間にユニットのありかたについて述べていたように、何か問題が起きればすぐに連絡し、協力してできるだけ速やかに問題を解決する、という姿勢さえあれば、時々の問題は乗り越えられるという気がしてくる。文化交流はいいなあ。言語を介さないコミュニケーションもいいなあ。

夏期研修最終日の午前は「金商法と金販法の新しい世界」(三木俊博先生)。
金融庁の発行している冊子「新しい金融商品取引法制について」が参考文献として配布されているが、それを見ると、業者が遵守すべき行為規制の整備や顧客属性に応じた行為規制の柔軟化、といったもが挙げられている。
プロとアマを区別して扱うという。言われてみれば、取引法制を熟知しているプロに対してめんどうな説明をこんこんとするなんて時間の無駄だし、危険を知らないアマチュアに分厚い説明書を渡して後でよんでおいてねと言って読んだという文書に署名をさせてしまう、というのも危ない話だから、属性によって契約締結前の説明の程度に差をもうけるというのは当然のことだったような気がする。
今までどうしてこんな当然なことが問題にされていなかったのだろう。
業者が遵守すべき行為規制の整備というところで書かれていることを見ると、今までからこんな迷惑なことをしてはいけない、と言われてきたことが、はっきりと明文化されただけのような気もする。
たとえば、勧誘を要請していない顧客に対し、訪問、電話により勧誘をしてはならない、とか、顧客が契約を締結しない旨の意思を表示したにもかかわらず、勧誘を継続してはならない、とされている。
当たり前のことのように思われるが、実際には先物取引の勧誘員は、商工会議所の名簿等をみて片っ端から電話をかけ、嫌だと言っても何度も電話をし、来るなと言っても名刺を持って訪問していた。
アマチュアを強引に取引に誘い込み、短期的に利益を引き出すだけ引き出したらさよなら、というような市場が成熟するはずがない。
規制緩和だとか、違法行為があれば事後的救済ということを政府はすすめているが、こういうのを見ていると、裁判所よりも、市場を成熟させ、外国からの投資家に使いやすくするという政策を掲げた行政の方が、能率的、目的的に適正なルール作りをしているように思う。
裁判所による事後的救済なんて聞こえのよい言葉を隠れ蓑にしたむやみやたらな規制緩和は、この国を後進国並のルールのない国にするのではないかという気がする。


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ひどい話

曇り。台風の影響か、ときどき風に雨粒がまじる。熱い空気と冷たい空気が一緒に吹いている。

某市役所相談。
止まっている車に単車がスリップしてぶつかり、事故は目撃者がいた。警察の担当者も目撃者の話を聞いたら相談者の車が止まっていたことがわかったというので安心して内容を読まずに警察官が差し出した調書に署名押印したら、検察庁でどうしてこんな変な動き方をしたのと言われ、止まっていたと説明するとそう書いていないと言われびっくりした、との相談。
目撃者がいると言っても、検察官はそんな記録はついていないと言ったとのこと。
その後動いていたことを前提に、行政処分の連絡がきて、保険会社からも大きな過失割合を言われ、おかしいと言うと保険会社の担当者は警察から動いていたと聞いたと言っている、と聞くに及んでだんだん腹がたってきた。

こんな話はない、争いましょう、と言うと、ご本人もそうしますとのことだったが、大丈夫かなあ。依頼もないのに私が代理をしましょうでは押し売りになってしまうし。
ひどい話があるものだ、というか警察官が作成した調書に署名押印するときには、慎重に。
高校の社会科の授業でこういうことも教えておいた方がよいような気がする。

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平成21年から裁判員制度が始まります

晴れ。台風が接近しているようで風が吹いている。

裁判員法の改正とからめて裁判員の保護に関する話題を持ってNHKに行くと、皆さんの関心がいつもより高い。
裁判員制度ができたということは皆さんご存じだけれど、詳しいことはわからないので不安。仕事を休まないといけないということはわかるので、心配だなあ、というところか。
ディレクターに、キャスターが選ばれたら番組に穴があきますね、と言うと、マスコミ関係者は免除されるのでは、と都合のよい解釈をなさる。
キャスターも、裁判員をしてみたい気はあるのですが、仕事を休むことを思うと、と切実そう。
オンエア中もキャスターのアドリブが多く、かけあいが盛り上がる。国民全員が自分のこととしてなんとなく不安に思っていることなんだと肌で感じる。
消費税アップなんて話題だと、正面きって反対と叫べるというか、野党の政治家が先頭を切って叫んでくれて選挙の争点となるのだが、裁判員となると野党も叫んでくれないし、争点として選挙があるわけではないし、確実に当たるわけではないので、当たる前から叫ぶのもなんだし、というところだろうか。
もっとも会社経営者にとっては、自分が当たるかどうかより、従業員があたったときにどうするのか、というのが頭の痛いところだろう。
休暇を有給休暇とするのか、無給休暇とするのか、特別休暇制度を創設するのか、創設した場合の期間をどうするのか。
今から考えておかないと、2年後には制度が始まってしまう。

改めて裁判員の就職禁止事由(15条)を見ると、国会議員、国務大臣、一部の行政機関職員、裁判官、検察官、弁護士等々と並んで、裁判所職員、法務省職員というのがありびっくりした。
裁判所の書記官も、検察庁の事務官も裁判員にとられることはないというのは知らなかった。
それなら法律事務所の事務員も免除してほしいなあ。
除外される人をみると、裁判員を推進している人達ばかりじゃない。
自分たちは免除されておきながら、国民に負担をおしつけるなんて、よくそんな厚かましいことができると感心する。
兵役を免除された人が徴兵制を作っている感じ。国民ももっと怒ればよいのに、というか、彼らの広報の中にそんなこと出てこないから国民は知らないのでは?

辞退することもできるが(16条)、この要件はなかなか厳しい。
重い疾病・傷病で出頭が困難な人、介護・養育をしなければ日常生活が困難な人の介護・養育をする必要があること、重要な仕事があってそれをしなければ事業に著しい損害が生じるおそれがあること、父母の葬式等。

誰だっていいかげんに仕事をしているわけじゃない。みんな必要で重要な仕事をしていて、いなくては困る人なんだ。だから、「重要な仕事」を理由に免除してほしいというと全員そうなるから、普通はこの理由では辞退は認められないのではないだろうか。
国民を裁判員にするってその人の仕事よりも大事なことなんだろうか?
一体なんのために税金もきちんと払っている人にそんな負担を押しつけるのだろう。税金って国家に仕事をしてもらうために払っているのに、その税金を使ってこんな制度を作るなんてなんだかおかしな気がする。


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遺言書

晴れ。夏らしいお天気。

新聞に信託銀行による遺言の執行費用の比較表が掲載されており、最低でも100万円から150万円くらいかかる、弁護士に依頼するより費用が明確、と書いてあった。
弁護士費用は、数年前まで基準表があったが、公取から独占禁止法に抵触すると言われて廃止した。
基準表は市民のためにあるはずだったのに、公取に言われて廃止したために今度は市民から不明確だと文句を言われる、というのは納得できないなあ。
知り合いの弁護士がいるなら、その弁護士に相談した方が信託銀行より安くなると思うし、知り合いがいらっしゃらない方は弁護士会の相談課経由で紹介を受ければ、費用は相談課の基準に従うはずだから不明確ということはない。
あとは飛び込みで入った事務所がどうかということだが、電話で予約をいれるときに費用を尋ねてみたらよいのでは?
なんにせよ信託銀行より弁護士費用が高くなることもそうそうないと思う。

それはそれとして、遺言があればすべて解決とかもめないとかいう発想がよくわからない。裁判官が書いたエッセイで、遺言があればもめなかったのに、というのがあったけれど、遺言書があれば裁判所が悩まなくてすむだけで、内容が妥当なのかは裁判所の関知するところではなく、遺言書によっては親族間のトラブルをより深刻にする。
弁護士のところにくる事案が特にもめているだけかもしれないが、私の知る限り自分の意思だけで遺言書を書く人は少ない。
元気なときに熟慮して遺言書を書いても、高齢になり体が弱ったときに相続人の誰かから指示されて書き直すこともあるし、高齢になり、体も頭も弱ってくると、頼っている子に指示されたらそのとおりに遺言書を書くし、息子とその嫁に世話になっていても、たまに訪れる娘に言われて遺言書を書くこともある。
親に遺言書を書かせた子は、兄弟姉妹を親に近づけないようにすることもあり、見ていると気の毒というか、こんな子を産んで育てたのは自分だからあきらめてねというか。

あまりに早くに遺言書を書くと、その後自分で財産を消費してしまって遺言書の内容と現実の財産とが一致しなかったりもする。
当初世話をすると約束していた子が約束を守らず、別の子に世話になることもある。
だから、自分の好き嫌いや、世話になるならないを基準にして遺言書を書くのもどうかと思う。リア王じゃないけど。
信託銀行は遺言書ビジネスに熱心だけれど、このビジネスは国民を幸せにしているのかなあ。


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