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受益者連続型信託

晴れ。季節が狂う前の9月ころのお天気とのこと。

財産を遺贈した場合、財産を受け取った人は、それを完全に自分のものにでき、受け取った人が死亡すれば受け取った人の相続人がその財産を相続する(残っていればの話だが)。
妻に全財産を渡し、妻が死亡した後、妻の相続人である妻の兄弟がその財産を相続するという説例があげられている(子がいないということだろう)。
妻には全財産を渡したいが、妻が死亡した後に妻の兄弟に渡るのは嫌だ、別の人の渡したいという場合にはどうしたらよいのか。
遺言でこのような指定をすることはできないというのが通説だが、信託でならできるという不思議。
遺言でできないとする理由には、遺贈により取得するのが所有権であり、所有権を期限付きにすると所有権の永続性に反するということが挙げられている。

後継ぎ遺贈型の受益者連続信託。
この内容の信託を設定しておけば、自分の死後の財産の受益者を妻にし、さらに妻が死亡した後の受益者を指定しておけば、妻には財産を渡したいが、妻の兄弟には渡したくないという希望どおりになる。
ただし、この信託の効果は無期限ではなく、信託がされたときから30年を経過したとき以後に現存する受益者が受益した場合であって、その受益者が死亡するまで、または受益権が消滅するまで、とされている。
期限を限る理由は、公序良俗。
英米の信託では、「永久権禁止原則」があり、一定期間内に受益者が画定しない信託は、その受益者に関しては無効とされ、その理由は公序良俗だと説明されている(『現代信託法』能見善久)。

どうして公序良俗に反すのだろう?何がいけないのだろう?
死亡した人の意思が、いつまでも財産を縛っているのがいけないのだろうか?それとも人はそれほど長く将来のことを予想できないため、はずれた予想に基づく財産の配分の指示になる懸念があるからだろうか?

なんだかNHKスペシャルで見たアンデスのミイラ文明のような感じがしてきた。
ミイラが生きている人と同様に扱われる文明。

30年で効果が終わるのではなく、30年経過したときに、受益者がいれば、その受益者が死亡するまで効果が続く。
だから、自分の子の将来を心配して信託をしたときには、十分カバーできるし、自分が死んだ後30年後の受益者となると、もしかしたら自分の孫どころかひ孫かそのまた子が受益者となっているかもしれない。そのときの受益者が0歳だったとして80年生きるとすると、自分が死んだ後110年間財産の配分を指定できることになる。
そんな先まで心配しなくてもよいような気もするし、その間に消費しつくされないとなるとどれだけ莫大な財産だろう。会社の株式の配当金で、景気よく数百年存続するような会社を想定すればよいのだろうか。
受託者はどんな人になるのだろう。これもまた景気よく数百年存続する信託銀行のようなものを想定すればよいのだろうか?景気の浮き沈みによってどちらかが破綻しそうな気がする。
受託者であることを代々承継する一族と受益者たちの物語などというものを想像するとかなりSF的。

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大阪弁護士会遺言・相続センター設立準備会

曇り後雨。少しずつ秋らしくなってくる。

大阪弁護士会が新しい遺言・相続センターを設立しようとしている。
信託銀行が遺言信託などというネーミングで、顧客を誘因し、遺言執行を事業にしようとしているのに対し、本来的に遺言・相続が弁護士の業務であることを社会に広めようの思いから立ち上げが企画された。
信託銀行は、資産1億円近くないと相手にしないらしい。
簡単な遺言の作成ならセンターに依頼した方が安いし、複雑なものであれば、銀行に作成を依頼するより弁護士に依頼した方が安心。
センターの設立はとてもよいアイデアに思えたが、設立しようとすると、なんだか障害物がいっぱいでてくる。
簡単な遺言で相続財産が一定額(5000万円から7000万円の案が出ている)の作成費用を10万5000円(税込み)にしてはどうかという提案があると、一律に料金を決めると独占禁止法違反となるという公取委の見解にひっかかるし、相談センターからは、相談センター基準より安いと、会に二重の基準があるように見られるとの意見が出される。
延々と続く議論を聞いていると、一体この人達は、競業者がいるとか、弁護士の人数が既にふくれあがりつつあるという認識があるのだろうか、という気になる。

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遺言信託

晴れ。10月に入ったばかりといったお天気。外を歩いているのが心地よい。

11月7日のNHKラジオの広報原稿のテーマが決まらず、放送に穴をあける夢までみてしまった。
赤福や亀田一家ではテーマにならないし、ノバは生々しすぎて方向性が見えてこない。第一、会社更生とは株式会社のみが使える手続で、とか、破産と会社更生の違い、とか説明したところで、30万人と言われる受講者にとっては、そんなことどうでもいいから、払った金がどうなるのかが知りたいと言われそうだ。
食品の表示についての不正競争防止法というテーマはちょっと前に別の担当者が解説しており、食品の偽装なんていうのはもう新しくないテーマで、世間の関心は、偽装があった後の会社の対応の方だろう。
そうすると、会社法における内部統制とは、という話になるのかもしれないが、大和銀行事件で議論された内部統制はスケールが違いすぎて、赤福に適用するのか・・・・という感じではある。社長ぐるみの不祥事に内部統制と言っても、誰が何を統制するの、ということになるし。食品ならダスキン事件かなあとも思うがこれともちょっと違う。あれは中国で製造した商品に未承認の添加物が入っていて、それを隠して強請られ、金を渡したという話だったけれど、赤福のは売れ残りの餅を再販売したということで、なんだかちまちましているうえに、長期間にわたっていて、どの程度悪質なんだかよくわからない。添加物にトレハロースと言われても、トレハロース入りの餅なんてそこらじゅうにあって、記載がないのに入っていたと言われても、ふうんそうか、あの柔らかさはそうだろうなあという感想しかでてこない。
赤福餅は大好きだし、以前から、まとめ買いして冷凍しておいたらよいという話も聞いていたので、冷凍して販売したと聞いても、もともとそういう商品じゃないの、と思うし。
餅もあんも伝統的に保存のきく食べ物だろうし、赤福餅で食中毒になったという話も聞かないし、不二家と違って細菌が発見されたという話でもない。肉や鶏と違って、違うものが入っていたわけでもないし、恐ろしいウイルス感染の危険でもなさそう。
不思議なのは、どうしてこの程度の話で、毎日毎日会社がマスコミに報道のネタを渡しているのかということ方で、せっかくノバだの防衛省だのと大きな話題が続いているのだから、小出しせずにさっさと発表して販売再開に向けての努力を開始すればよいのに。

というわけで、11月7日のテーマは遺言信託。信託銀行がさかんに宣伝している「遺言信託」は単なる相続業務で、本当の遺言信託というのはこういうもの、という話。
遺言信託、遺言代用信託について、設定の仕方、実際の使われ方、その限界(後継ぎ遺贈、遺留分)まで。
事業承継にからめて話ができればなおよかったのだろうけれど、そこまで入れると長くなりすぎる。

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独占禁止法(東洋精米機事件)

雨。

独占禁止法実務研究会。東洋精米機事件(東京高裁昭和59年2月17日判決)。
独禁法審決・判例百選(第6版)では、「実質的証拠の原則」に関する判決として扱われている(230頁)。

公取委が市場を画定していながら、シェアを認定するにあたって、画定した市場外の販売額を算入して認定したというもので、これだけ見ると、公取委がなんだか不細工なことをしたなあ、で終わってしまいそうな判決。
精米機メーカーが、販売業者を通じて米穀小売業者に精米機を販売するにあたり、販売業者との間で競合品を扱わないとの内容の契約をしていた事案。
研究会では、当時公取委は、不公正な取引方法について市場の画定は不要だと考えていたのではないか、との意見が出される。
そうだとすると、この判決は、不公正な取引方法についても市場の画定が必要だということを明らかにした判決となる。
さらに、判決では、すでに各販売業者が事実上特定の事業者の系列に組み込まれている場合は、排他的条件付取引に公正競争阻害性が認められないとされる余地が生ずるものと解される、と述べている。
これについては、系列化を進展させれば、市場の閉鎖性は一層甚だしくなるので、容認すべきではないとの批判が強い。
研究会ではこれについて、他の80%のメーカーが系列化しているとき、最後の20%のメーカーが排他的条件付契約をして系列化を完全なものとしたら、最後に系列化したところが独占禁止法違反なのか、という議論がなされる。
他の業者もそもそも最後の20%のメーカーのものは扱おうとはしていなかったのだから、誰も排除されていないじゃないか、最初の10%の系列化は問題にされていなかったのに、他人が系列化して、系列化が進んだ段階で最初の10%も違法とされるのか、他人の行為によって事後的に違法となるのか、という議論もなされる。
白石先生の『独占禁止法講義』(第3版)では、反競争性という弊害の発生にどれほど寄与したか、という点が基準となるものと思われる、と記載されている。
そうすると、シェアの大きいところの系列化だけが違法で、排他的条件付契約を破棄されることになり、シェアの小さいところの系列は残るということになりそうだけれど・・・?

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投資信託の差押え(14民懇談会)

曇り。

司法委員会と14民事部との懇談会。今年ちょっと変わっているなと思った話題は投資信託の差押え方法について。
貯蓄から投資へのかけ声のおかげか、従来預金を差押えの対象としていたのが、最近では預金が投資信託に変わってしまっていることがあるので、預金と共に、投資信託も差し押さえる必要があるとのこと。

取引のある金融機関がわかれば、金融機関を第三債務者として預金の差押えをすることができるが、投資信託となると、取引のある金融機関は、単なる販売会社であり、実際の財産は投資信託委託業者と投資信託契約を締結した信託銀行に保管されている。
そうすると、単なる販売窓口である金融機関ではなく、その背後にいる投資信託委託業者を第三債務者としなければならないのではないか、しかし無数といえるほどにある投資信託のどれを購入しているかわからないし、全部の委託業者を第三債務者として差押えをするわけにはいかない、という問題提起。

結論から言えば、14民は、投資信託の振替社債とパラレルに考えてよいとのこと。
振替社債の目録記載方法は、金融法務事情1667号、54頁参照。

平成18年12月14日最高裁判決。
債権者が投資信託の販売会社に対して解約実行請求をしたことについて、一審では、解約実行請求により信託契約について一部解約の効果が直ちに生じるとしたが、控訴審では一部解約金支払請求権は、信託契約について一部解約がされたことを条件として発生するものであり、解約権は販売会社ではなく信託の委託者が有するものだから、受益者から解約実行請求がされただけでは請求権はまだ発生していない、とした。

最高裁では、投資信託の契約の仕組みを分析し、受益者は、販売会社は、解約実行請求をした受益者に対し、委託者から一部解約金の交付を受けることを条件として一部解約金の支払い義務を負い、受益者は販売会社に対し、この条件のついた一部解約金支払請求権を有する、一部解約金支払請求権を差し押さえた債権者は、取立権の行使として、販売会社に対して解約実行請求の意思表示をすることができ、販売会社が一部解約金の交付を受けたときには、販売会社から取り立てることができる、とした。

販売会社の背後にいる投資信託委託業者を探す必要はなく、販売会社を第三債務者とすればよいけれど、販売会社は財産を預かっているわけではないから、実際に金を取り立てるためには、解約金が販売会社に交付されていることが条件になる。

使い勝手がいまひとつよくわからない。訴訟になっている事案では、債権者が解約請求をしたのに、解約されていなかったようだし。


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裁判員辞退事由政令案雑感

晴れ。
裁判員辞退事由政令案が公表されたとの記事。

妊娠中、出産直後、配偶者や親族の入院で付き添いの必要がある場合、妻や子の出産に立ち会う場合(子の出産の立ち会いってどういう意味だろう?妻が子を産むときの意味だろうか?それとも代理母を想定した政令?)、遠隔地に居住などが辞退理由とのこと。その他包括的規定。

裁判官のコメントというのがすごい。裁判員が国民の義務だとしたら、辞退理由は限定されるべきとのこと。
まるで納税と並ぶ憲法上の義務みたいに聞こえる。
納税は、それで国家が運営されているから、憲法上の国民の義務というのもわからないではないが、納税して国家公務員の給料を支払っているうえに、国家公務員がしている仕事の一部を分担するように義務づけられるなんてまるで兵役だ。
それでも兵役には、まだ国土と国民の防衛という意味があるけど、裁判員ってそれほどの意味があるのだろうか?
どちらかと言うと、意味があるから義務とするのではなく、義務として無理にさせないと、やりたい人だけやることになって、そうするととんでもないことになりそうだからというふうに聞こえる。とすると裁判員に意欲的な人なんてどうせろくな人じゃないだろうというのが国民的な暗黙の了解となっていそう。
誰がこんなこと思いついたんだろう?ものすごく不思議だ。当時の報道を思い出すと、公明党がやたら熱心だったように思うけど。


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信託法研究会(遺言代用信託)

雨。秋の長雨というよりどしゃぶり。

信託法研究会。
世間で遺言信託と言われているもののほとんどは単なる遺言で、遺言業務に乗り出した信託銀行が、信託銀行の業務であることを強調するために遺言に信託を付しているらしい。
それでは遺言信託というものが存在しないのかといえばそうではなく、遺言代用信託というものが存在する。

受益者に委託者の死亡時ないし死亡後に信託から給付を受ける権利を取得させる定めのある信託。

通常の遺言とは違い、信託だから、委託者、受託者、受益者という当事者が登場する。
被相続人が委託者となり、生前に信託を設定し、自分が生きている間は自分が受益者となり、自分が死んだ後に財産を受け取る受益者を指定する。
信託を設定しなくても、遺贈すればよいようにも思うのだが、障害のある子に定期的に生活費を渡したい場合などに使うのだろうか。
あるいは、遺贈してしまえば、遺贈された物は受贈者の所有となり、以後受贈者の相続人に相続されるが、そうではなく、受益者に生涯無償で使用させ、受益者の死亡により受益権を消滅させたいというような場合はどうだろう(91条)。

必要に応じていろいろな設計ができそうな道具のようだ。

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家族法PT(722条)

晴れ。行楽日和、だと思う。外に出ていないからわからないけど。

手帳を見ると、委員会も研究会も入っておらず、急ぎの仕事は報告書だけだから、報告書を書いてしまえば少しのんびりできるかも、と思っていたけど、報告書を書いていると、和解案を受諾するとの連絡があり和解契約書を作成して送付したり、聴き取りをして不思議な話だねえ、と言ったばかりの案件で聴き取った話の内容と全く違う事実を示す書面が送られてきたり・・・。
第一机の上には、研究会や委員会の資料が層になっていて、早くファイルしなきゃ、でもその前に内容を資料を読んで次回までに内容を検討しておくこと、という宿題がでていたから、ファイルしちゃうと宿題を忘れないかと心配でさらに層が厚くなっていったり。

家族法PTで團先生が722条、いわゆる300日問題について報告。
議論をすればするほど、現行法でいいんじゃないの、300日問題なんてマスコミが騒いで作り出した問題で、冷静に考えたら現行法にはきちんと対処法が作ってあるじゃないという感がある。
そう思っていたら出席者の一人が、コピーを配布してくださった。
300日問題について、現在のシステムにこんな不備があるという記事。
離婚後、待婚期間を守って、その後に出産し、子どもが離婚後300日以内に産まれたから、離婚後に懐妊したことを証明しようとしてお医者様の証明をもらったら、その証明書の内容では、離婚前に懐妊した可能性があるので、認められなかったというもの。
・・・・・・こういうのを待婚期間をきちんと守ったというのかどうか知らないけど。待婚期間って何のためにあるのか考えていなかったんだろうな。
お医者様がそれほど懐妊時期がわからないというはずがないだろうということで改めて記事を読んでみると、出産後に懐妊時期を証明してもらいに医者に行ったように読める。それじゃあお医者様でも無理だろう。どうして妊娠中に診察してもらっていた医者に証明してもらわなかったのだろうか????これ本当にあった事案?
こういうケースをとりあげて、ほら現行制度に不備がある、とか、法改正が必要だとかマスコミに騒ぎ立てられると余計に引いてしまう。子どものない男の人が机の上で考えたみたいなケース。

推定されない嫡出子には、親子関係不存在確認訴訟という制度が準備してあり、「自由と正義」の寄稿文によれば、相手方(子の父とされた離婚した元夫)は、子どもが生まれたことも知らないし、自分とは全く関係のない子だから、訴状が届いても迷惑だし、まして裁判所に出てきて争うことなんかしない。比較的簡単な手続で解決できると書いてあった。
昨日のPTでは、前夫が出てきてくれるなら、調停を起こして合意すればすぐに審判で解決する、という方法も紹介された。
いずれにしても、きちんとした手続をとれば、ほとんどのケースはそれほど時間がかからずに、子の生物学上の父と法律上の父を一致させることができる。
お母様の中には、そういう手続をとりたくない、と仰る方もいらっしゃると思う、というかいらっしゃるから300日問題などと言われているのだろうけれど、結婚したのは自分なのだし、子どもを産んだのも自分なんだから、生まれた子を無戸籍にするより、少しの手間をおかけになったらどうかと思うのだが。

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地方自治法(住民監査請求の条文構造)

晴れ。少しずつ空が秋らしくなってなってくる。

本町塾。地方自治法242条住民監査請求。
この条文は法令文書のお作法のパズルみたい。
H先生はこういう構造の条文に出会うたびに法則を教えてくださるのだけれど、ぱっとみてわかるというにはほど遠い。
この条文が読めないから住民監査請求に腰が引けてしまうと言われるとちょっと悔しい。
多分、「又は」と「若しくは」の羅列のパズルを解くとこうなると思うのだけど・・・・。

242条
普通地方公共団体の住民は
 
 当該普通地方公共団体の 
          長
     若しくは委員会
     若しくは委員
又は
 当該普通地方公共団体の職員
について

 違法若しくは不当な
    公金の支出
    財産の    取得
            管理若しくは処分
    契約の    締結若しくは履行
  若しくは
    債務その他の義務の負担
 があると認めるとき

又は
 違法若しくは不当に
    公金の    賦課
       若しくは徴収
   若しくは
    財産の管理
 を怠る事実

があると認めるときは、これらを証する書面を添え
監査委員に対し、
監査を求め、
   当該行為を    防止し
        若しくは是正し
  若しくは
   当該怠る事実を改め
 又は
   当該行為若しくは怠る事実によって当該普通公共団体の被った損害を補填する

ために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。

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欠陥住宅ネット事例研究会(酢酸ブチルほか)

晴れ。秋晴れ。爽やか。

夕方冷蔵庫から2リットル入りの水のペットボトルを出して机の上に置いていたら、ごと、という音がして、ボトルの中が何かおかしい・・・不気味。
ボトルの外側から見てもよくわからない。多分、かなりの大きさの氷が浮かんでいた・・・と思う。
もしかしたらボトルの底に氷ができて、それが暖まってはずれて浮かんだ音?
どうやったら冷蔵庫の中でそんな風にボトルの水が凍るのだろう??
冷蔵庫の中を確認すると内壁に氷が分厚くついている。おかしいなあ。冷蔵庫なのに。。。

いつまでも冷蔵庫の相手をしているわけにはいかないので欠陥住宅ネットの事例研究会に行く。
けど、印刷物を見ると左目が痛くなり、結局目をつぶって報告を聞いているか、配布物以外のものをぼんやり見ながら話を聞くことになってしまった。
最初の報告は建築士からで、弁護士と共に被害者側で事件に関与し、調停で1年半で解決した事案。1年半で解決したということがとても嬉しい、このくらいの期間で解決するなら、またこういう事件に関与してもいいな、とのこと。
肝腎の事案はと言えば、3階建て住宅で、最初の図面と違う構造の建物になっていて、中間検査も完了検査も受けておらず、というか受けたら検査を通らない建物で、揺れるというもの。配筋が少なく、コンクリートのかぶり厚が不足し、床スラブが入っていない。取り壊して建て替えを要求していたのだが、結局2階の床をはがして鉄骨をつないで補強することで和解成立。和解ならともかく、判決でこんな解決が認められたら業者はやり得という意見が出される。
次は、弁護士から最高裁判決の紹介。高裁が不法行為の成立は違法性が強度な場合に限るとしたのを、最高裁は、そのような場合に限定すべきではなく、建物の基本的な安全性を損なう瑕疵がある場合には不法行為が成立するとした。例としてバルコニーの手すりの瑕疵で、居住者が転落の危険があるような場合が挙げられている。
どの程度の瑕疵で「基本的な安全を損なう」となるのだろうか、これは不法行為の成立をかなり限定するものなのか、広く認めるものなのかでひとしきり意見交換がなされる。すでに訴訟において建築会社から基本的な安全を損なうものではないとの抗弁が出されている例があるとのこと。
最後は、リフォームで過敏症が起きたが、原因が高濃度の酢酸ブチルかどうかという事案。保健所の検査で、高濃度酢酸ブチルが検出されたが、これが過敏症を引き起こすとの科学的データがないとのこと。
既製品の床板を使用したのだが、通常は工場で数か月保管されているものを使用するのに、これはできたてを使用したので、十分に乾いていなかったのだろういうことだった。
過敏症は個人差があるのだろうか?もしかしたら精神的なものも影響するのかもしれない。
その他、従前の建物の基礎を次の建物の基礎に流用した、と思っていたら、実は従前の建物の基礎のように見えていたものは建物の基礎ではなく、擁壁の底板だったという事案。

世の中にはいろんなことが起きるものだ。


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免責観察型管財事件

快晴。今年の秋は雨が少ない。降れば降ったで局地的豪雨だし。

破産管財事件というのは、破産者の財産を管財人が調査し、換価して配当をする手続だと思う。
しかしそれとは別に免責観察型と呼ばれている類型があり、換価対象財産はないが管財人をつけることがある。。
この手続では、免責不許可事由がある破産申し立て事件に管財人をつけて調査させ、最終的に裁判所が管財人の報告書を見て免責の可否を判断する。
そもそも裁判所が免責観察型管財事件に指定するときには、明らかな免責不許可事由がある場合が多いが、だからと言って不許可事由が大きいから免責不許可という意見を出すと、何のためにわざわざ管財人をつけたのか、と言われてしまう。
そうすると、管財人の役割は、単なる免責不許可事由の有無の調査ではなく、そこに至る事情、申し立て後の生活状況、今後同様の行為を繰り返す可能性の有無などを調査し、裁判所に判断材料を提供することだということになる。
破産者に家計簿をつけてもらい、現在の経済状況を把握するとともに、麻痺してしまった日常の金銭感覚を取り戻してもらったり、破綻状態に至った原因を振り返ってもらったりと、事案ごとにどう対応しようかと悩んでしまう。
過剰与信のクレジット会社数社が債権者だったりすると、どうせ儲かりすぎて高額の税金を払わないといけないのを貸し倒れ損失を作って税金を圧縮するのだろうと思ってしまう。がこんなことを思ってしまうと、こちらの労働意欲が低下するから、なるべく思わないようにする。
それとも、借金 は過剰与信のクレジット会社のせいだから免責許可という意見もあり、かなあ。
貸すというから借りたのだと本人に開き直られても困るけど。
あれこれ悩むばかりで、しかし調査時間は限られていて、なんだか溺れかけた魚みたいな気分になる類型の事件である。

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金融商品取引法勉強会(第一回)

晴れ後曇り。このくらいになると、まだ10月だもの日差しが強くて当たり前、とお天気に対して寛大になれる・・?

金融商品取引法勉強会第一回。
とりあえず集まって、どういう分担ですすめるのかを考える前提資料として、金融商品取引法とは、という程度のレジュメを持参する。

金融商品取引法とは、取引法が改正されたもので、金融先物取引法、外国証券業者に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律の4つの法律が統合されたもの、というのが形式的な説明になる。

法律が改正された要因としては、我が国では個人金融資産が約1200兆円あるがその大部分が預金であり、銀行は貸し倒れのリスクを抱えながら、預金の払い戻し請求には応じなければならないが、運用リスクを銀行が丸抱えするのはおかしい、という「論点整理」が「新しい金融の流れに関する懇談会」から出されたこと、と物の本には説明されている。
銀行ってお金を預かって運用するのが仕事じゃなかったの?
プロでも貸し倒れがでるような状況で素人にどう投資判断せよというの?
ま、懇談会の理屈が通ってしまって法律改正となったのだから今更言っても仕方がない。

貯蓄をやめて投資をしようとかけ声をかけても、投資が怖くて安全な貯蓄をしている国民がすぐに貯蓄を取り崩して投資をするわけがない。
それで、開示義務の強化、業者規制の横断化(同じようなリスクの商品なのに規制が異なることのないよう)、投資勧誘規制を設け、ほらこんなに法律が整備されていますよ、ということなった、ということのようだ。
法律を整備したから、投資が安全になるわけではないと思うけど?

規制対象商品は有価証券(2条1項)とみなし有価証券(2条2項)。
2条2項は前段と後段に分かれており、前段は有価証券に表示されるべき権利について証券が発行されていない場合。電子株券などを指す。2項の商品は1項の商品より流通性が低いと説明されているが、電子株券に関しては、流通性が株券より高くなるとの指摘がなされている。
後段には証券に表示されるべき権利以外の権利が指定されていて、5号は今回の改正の目玉商品の一つ集団的投資スキーム持分。各種ファンドが含まれるよう包括規定となっている。

規制対象となる取引に関しては、デリバティブ取引の範囲が拡大されている。
天候デリバティブ。気象の観測成果にかかる数値を金融指標として・・・・。天候に左右される事業のリスクヘッジのためという想像はつくけど、現実に使われているのを見たことがない。

金融商品取引法の特色の一つはプロとアマの区別。それぞれをさらにアマに移行できないプロと移行できるプロ、プロに移行できるアマと移行できないアマに分けているから、4つの区分になる。
プロと区分されると、投資家に対する行為規制(勧誘規制、契約締結に関する規制、投資顧問契約の規制、投資一任契約規制)の適用除外となる。
アマがプロになるメリットはなさそう。
そもそも投資の専門家よりよく知っているなら投資の専門家に依頼することはないし、知識に差があるなら、知ったかぶりをするより専門家に説明義務を負わせておく方が安全だと思う。

投資勧誘規制。
顧客の知識、経験、財産状況、契約締結目的に照らして不適当な勧誘をしてはならない(40条)となっているが、これらの事項は、顧客の自己申告によるのだろう。担当者から、ここに丸をつけておいてもらったらいいですと言われて、指示されるままに申告書を作成したという場合はどうなるのだろうか?
インターネット取引の場合は、自分で申告のクリックしているから申告内容が事実と違っていても常に自己責任ということになるのだろうか?それとも、業者の画面によっては、説明が不十分ということで適合性原則違反となることもありうるのだろうか?


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事務所のホームページ作成の第一歩・・

晴れ。昨日ようやく平年並みの気温になったらしい。

弁護士事務所のホームページ作成の広告が届いて、作るメリットがあるかどうか友人に相談する。
遠隔地の人が依頼人となるわけではなく、ごく狭い地域の人に事務所を知ってもらえばよいのだから、インターネットで広告することにメリットがあるのだろうかというのがごく素朴な疑問。
友人に相談すると、ネットを見て依頼されることも結構あるということなので、前向きに検討することにする。
しかし、ホームページを作ったらこの日記は一体どうなるのだろうか??

それはさておき、作るとすれば他人様の事務所がどんなページを作っていらっしゃるのか調査。今までネットで弁護士事務所の検索をする必要がなかったから、他人様の事務所のページはほとんど見たことがない。
とりあえず相談した友人のページを見て、それから山口先生のビジネス法務の部屋を訪問する。・・・これはブログだったっけ。
そこで、土曜日のNHKドラマに言及されていて、山口先生のブログにしては珍しい話題だなと読んでいると、40期代現役裁判官のブログというのがあることがわかり、そちらを訪問する。
いずれもドラマにリアリティがあると書いてあって、私も同感。支部にプレイルームかというつっこみも全く同感。こういう場合はね、大阪ならプレイルームがあってね、と家族に説明していたら突然プレイルームが写ってなんて贅沢な支部・・と絶句したもの。
島の支部は裁判官のエリートコースと言われているので、今までから行きたい裁判官は多かったのではないかと思うが、あのドラマを見て、島に行きたいと思う弁護士が増えるのではないかと思った。
島に3人だけ。そのうちの一人はアル中みたいで、もう一人は高齢でお亡くなりになられ、事件はそこそこありそう。

登録して2年目くらいのとき、おそらくこの島のモデルと思われる島から大阪に来た女性の弁護人となったことがある。
執行猶予中の事件だった。私は彼女の最初の事件のとき、修習生として検察官の横に座って見学していた。酒気帯び運転。
アーモンドの形の瞳をした彫りの深い顔立ちの愛くるしい女性は漁業の男性に嫁いだが、夫の暴力に耐えかねて離婚。島の漁村の男たちは気が荒く、妻をなぐることもしばしばだという。離婚後島のスナックで働いて幼い子どもを育てていたが、交通の便が悪く自動車で通勤していて帰宅途中に捕まった。子どもは仕事中自動車の中で寝かせていた。公判までの間に大阪に引っ越していたため、彼女は公判の場所に大阪を希望した。
大阪と島では、交通の便利さに違いがある。大阪の裁判官は島の事情がわかっていただろうか?

数年後、彼女は再び大阪地裁に起訴され、私が弁護人となった。大きな瞳で涙を流すのを見て、なんとか彼女を島に返してあげたいと思った。
公判検事は、彼女が10代で結婚したのを早いと責めた。事件と何の関係があるのかさっぱりわからなかったうえに、島の女性が高校を卒業して漁村に嫁ぐのに10代が早いというのもいかがなものかと思った。大阪で公判をするのが適切なのかと再ぴ疑問に思った。
結局実刑判決となり、島に返したいとの私の思いはかなわなかった。もっとも彼女も島に帰りたくはなさそうだったけど。

だから、というか、ドラマで裁判官が、夫婦関係調整事件の当事者たちのよりがもどりそうだと気楽に言っていたのにはドラマと思いながらも腹がたった。私が彼女の代理人なら、暴力に頼る無職の夫とよりを戻すなんてことをさせずに養育費を請求するけどなあ(^^)

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労働法講演会(畑先生、杉島先生、田中先生)

晴れ。さすがに夜は気温が下がるようになってきたけれど、日中の日差しはまだまだ元気。

某会派企画「若手弁護士のための労働事件セミナー」
畑先生(使用者側)、杉島先生(労働者側)のお二人がパネラー、田中崇公先生がコーディネーター。
以前にも似たような企画があったので、今回は欠席しようかとも思ったけれど、とりあえず出席。
結果からいえば出席は正解。とても面白かった。

労働法は大学で講義をとっておらず、労働事件の経験は使用者側2件、労働者側1件程度。
基調講演をされた畑先生は冒頭に、先生が教えていらっしゃるLSでは3分の1が労働法を選択し、試験を受けている、こういう人達がこれから実務にでてくるのに労働法を勉強をしていないというのは言い訳にならないと仰る。
基調講演の個々の法律論はおいておくとして、印象深かったのは「労働事件を手がける弁護士の心構え」のパート。
1 健全な労使関係の形成・育成を目指すこと。
 社長に対し、労使関係は契約に基づく関係であることを直言できる弁護士であること。ワンマン社長の顔色を窺って言いなりになっているようでは良い使用者側弁護士たりえない。
 解決内容が妥当であること。労使関係の紛争はその場その場で勝ちさえすればよいというものではない。
2 コンプライアンスの視点をもつこと
3 リスク・マネジメントへの配慮
 裁判が予想されるとき、経営側にどれだけ負担がかかるかを説明すること
4 迅速性
 早期着手・早期対応が必要な分野である
5 誠実性
 労組からの信頼を得られないようでは良い使用者側弁護士ではない。依頼者、相手方、裁判所に対して誠実であれ。
6 均衡性
 落としどころを見据えた解決 
さすがに使用者側弁護士としての貫禄、安定感があると思わせる講演でした。
 パネルディスカッションで興味深かったのは、うつ病の従業員への対応。
 休職期間が切れそうになると就労可能という診断書が提出され、本当に就労可能か疑わしい場合が多くあるうえ、うつ病は再発しやすい。
 しかし、もし再度発症したら会社の安全配慮義務違反として損害賠償請求をされかねない。
 そこで、最初は半日勤務から始め、それを1か月2か月継続して様子をみて、大丈夫そうであれば全日勤務にするようにとのこと。半年間は残業はなし。
 解雇せずに休職期間を与え、完治していないのではないかと思われる人を受け入れたうえ、損害賠償請求をされたのでは会社は大変だなあと思うのだが、大変だなあで終わっていては会社側代理人の存在価値がない。先生の提案された方法は、なるほど会社も従業員も守る対応だと感心した。


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急ぎすぎた世界の

曇り。雨まじり。

テレビタックルを見ていたら、出演者の一人が法律がむつかしいのは、弁護士を儲けさせるためだと言っていてびっくりした。
そんなこと考えたこともなかったし、今まで一度も聞いたこともなかった。
法律は社会のルールで、社会が複雑化するとルールも複雑になるのだと思っていた。
我が国では法律は国会が作るもので、国会議員の中に弁護士はいるけれど、それほど数が多いわけではないし、その人達が弁護士のためにわざと複雑な法律を作ろうとしているとは思えない。
中国では漢ができたときにそれまでの体制を批判し、体制が変化したことを民集にアピールするためではないかと思うのだが、法3章のみとしたことがあった。
なお古代の中国法は行政法と刑罰法だけで取引法、私法はないと東洋法制史で習った。
ローマの12表法の時代には、ローマ市民には子どものころから学校で12表法を暗記させ、一人前のローマ市民は法律を知っていなければならなかったということはローマ法の授業で習った。
あれこれ考えても、弁護士を儲けさせるために法律が複雑になっているなんてどこをどうしたらそんな発想がでてくるのだろう?
発言者が国会議員さんだとしたら、自分たちが作っている法律に対して無責任な言い方だし、政治評論家だとするとあほすぎる。一体だれだったんだろう?
この発言に一番近いと思われるのが、小泉さんが郵政民営化をするときに、外務省の役人の数より郵便局の人の数の方が多い、だから民営化して公務員の数を減らすと言ったことだと思う。
あのときは多数の人から公務員という安定した地位を奪うということに大衆が酔った。人の野蛮な感情を扇動して自分の人気を高めるというあの手法だ。
私は、私の知らないことで嘘をつかれていても気がつかないが、自分のわかることで嘘をつく人を見かけたら、その人は他のことでも嘘をついているのだろうと思う。

こんなことを考えていたら、アマゾンから注文していたCDが届いた。尾崎豊の「誕生」
「クッキー」という曲があった。

「空から降る雨はもう綺麗じゃないし、晴れた空の向こうは季節を狂わせている。」
「正義や真実は偽られ語られる。人の命がたやすくもてあそばれている」
温暖化は生存を脅かしているのに排出権の問題にすり替わっているし、拉致の問題も一向に進展しない。
「僕たちの親が作った経済大国。だけど文明はどこかで一人歩きしている」
「法律の名のもとに作り上げた平和、だけど首をひねって悩んでいるのはなぜ」
インド洋の給油の問題はどうなるのだろう。アメリカはイラクをどうしようとしているのだろう。
「未来を信じて育てられて来たのに、早く僕たちを幸せにしてほしいよ」
「ああ僕は明日を信じて生きてゆこう。急ぎすぎた世界の過ちを取り戻そう」

15年以上も前に書かれた歌詞。
20代の青年にこんなことを言われたら、21世紀に生きる大人の責任として、少しでも何か前向きなことを考えなければいけないのではないかと思う。
タックルのお馬鹿な発言者の台詞なんかについてあれこれ考えている時間がもったいない。
でも、尾崎豊にも生きていてほしかった。生きていれば40代。世界に対する大人の責任を分担してほしかった。

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裁判員雑感2

晴れ。これが9月なら夏の名残の日と言えそうだけど。もう名残惜しくもないからお願いだからさっさと秋になってほしい。

大学の教員をしている友人から米国の裁判所で陪審員を選ぶところを見学した話を聞いた。
裁判官が、名前を読み上げた人は帰ってよろしい、と言って名前を読み上げる。
名前を呼ばれた人は、ガッツポーズをして出て行く。
残った人たちは、こちらへと言われ、肩を落として連れられて行った・・・・。
同時に民事事件の陪審についてこんな話もあった。
デラウェアでは会社が多く設立されており、会社がらみの事件が多い。
他方住民の数は少ない。
それで、多くの住民は何度も会社に関する訴訟の陪審員となることになる。
最初はよくわからないから会社が悪いことをするはずがないだろうと訴訟で会社が勝っていたが、そのうち住民も裁判に慣れてきて賢くなり、会社の嘘が見抜けるようになって、会社が訴訟で負けるようになった。

制度設計時に、ドイツではそのへんの人を適当に連れて来て1事件限り裁判員をさせる制度なんて無理だと言われたということが各地の制度を調査した報告書の中にあった。メンバーを固定してそのメンバーに一定期間裁判に関与させなければ無理だということだったと思う。調停委員のようなものを考えればよいのだろうか。
メンバーを固定しておけば、その都度選任する手間が省けるし、ある程度慣れてくれば適切な意見も言えるようになるだろう。
固定されるメンバーは、各業界から推薦を受けて選任すれば、多少の不便も名誉職的なものとして忍んでいただけるだろうし。

などと言ってももう制度は決まってしまっているのだし、意味ないか。
裁判員制度を紹介すると、必ず質問されるのがいつからですか?
裁判員休暇を就業規則で決めておいた方がいいですよと説明すると皆さん頷くけれど、あなたが当たったときはね、と言うと、なぜか一様に、私は当たらないのでは、と仰る。
どうしてだろう?

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金融商品取引法勉強会(準備段階)

晴れ。秋の気配はどこかへ行ってしまったようだ。残暑。

NBL864号、865号「内部統制とリスクマネジメントの実務」
大手電器会社、外資証券会社の担当者を交えた座談会。
国際的な企業がリスクマネジメントについてどのように考えているのかがわかりやすく紹介されている。

金融商品取引法の勉強会の全体のスケジュールを作るにあたり、内部統制をどうしよう、どちらかと言えば会計士さんの分野だし、突っ込んで勉強しようとすれば誰か講師の先生に頼まなければいけないけれど、そこまでする必要もないだろうし、と考えていたが、この座談会記事に以前の八田先生の講義のレジュメを併せて使用すればなんとかなりそうだと目処がたつ。
黒沼先生の入門書(日経文庫)は一度ざっと読んだが、他の資料と突き合わせ、レジュメを作成しながら読み返すと、なんとか全体像がわかってきた。
あと別冊金融商事判例「金融商品取引法の理論と実務」は横においておくと便利。この薄い本が3200円するのが難点と言えば難点だけど。

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「破産と税務」パネルディスカッション

曇り。夏がぐずぐずと居残っていてなかなかすっきりと秋にならない様子。

破産と税務についてパネラー木内先生、高澤先生(税理士)、コーディネーター桐山先生と豪華(というかマニアック?)な顔ぶれ。
条文に沿った説明から始まったと思ったらやっぱりというかほどなく細かい話になってゆく。

国民健康保険料は、破産開始決定前の原因に基づいて決定されているから、財団債権となるのだが、月割り計算もしてくれるから毎月発生しているのに近いとも言えるし、財団が払えないと本人か健康保険を使えなくなるから、開始決定後の保険料は、本人に支払うよう言うことが多いとのこと。

延滞税の減免申請では、税理士の高澤先生が、交付要求額の合計額以上の金額が財団にできた日以後の延滞税の減免申請ができると説明されるのに対し、弁護士は条文上は「当該交付要求」となっているし、管財人も気づいていないような租税が後に発見されるかもしれないから、総額ということになると一体いくらなのかわからないとのことで、個々の交付要求額以上の額が財団にできていれば減免申請ができるとの見解を示す。

税金申告に関して、事業年度は、通常の事業年度の初日から開始決定のあった日までが事業年度になり、その2か月後が申告期限となる、開始決定の翌日から通常の事業年度の終了の日までがその次の事業年度となるのに注意とのこと。

消費税については、仕入れ税額控除があるので0ということはなく、納付か還付かしかないとのこと。
理屈はわかるけれど、納付なのか還付なのか、どの書類のどの項目をどうみたら簡単にわかるのかがわからない。これが簡単にわかれば、ついでに消費税の金額の目安が簡単につけば、税理士の先生に依頼して申告してもらうかどうか判断できるのに。
財団がある程度ないと税理士の先生へのお支払いができないから、還付があるかどうか調べてほしいという依頼ができない。だから還付してもらえない、ということになる。

源泉徴収義務をめぐっては現在高裁で係争中とのことだが、労働者に対しては賃金として支払っているのではなく、配当を支払っているのだし、労働者の所得税は財団の管理換価にかかる費用とは言えないので、源泉徴収義務はないだろうとのこと。
なお、この問題に関して税務署と意見を異にしても、税務署が自力執行することはないし、管財人は第二次納税義務者とはなっていないから、心配することはないとのこと。

やっばりというかなんというか、税金の分野はいつ聞いても何回聞いても、ややこしい。


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過払金と破産申立の関係(大阪)

晴れ。少しずつ秋らしくなってゆく・・と思う。

過払金について判タ1246号に大阪地裁第6民事部の運用が紹介されている。
それまで破産申立書の債権者欄にサラ金が挙げられていてもすんなり破産が認められていたが、昨年から債権者名簿にサラ金があがっていてかつ取引が長期間にわたっている場合には、過払金の有無の調査を指示される。
指示されて過払金が一定額以上あれば、管財人がついて回収することになるが、管財人をつけるための予納金を申立人が準備しなければならない。
過払金があるばかりに破産もできない、余計な金がかかる、というのは申立人としてはおもしろくない。
現在の大阪地裁の運用では、予め返還を受けた過払金と、返還の合意ができている過払金は自由財産拡張の対象とされるから、申立代理人としては、とりあえず取引履歴をチェックして、できるだけ過払金を回収し、予納金が必要であれば回収した過払金から予納金を支払い、余った分は破産者の自由財産として拡張の申し立てをすることになる。
回収金から回収の経費と申立人の生活に必要な資金を消費することは認められている。

サラ金さんからすれば、今まで破産してくれたら返さずにすんだ過払金を請求されることになる。
今まで破産されて回収をあきらめていたのに新しい運用では配当されるというケースもあるから、取引の短いところにはメリットがあるのかもしれない。
先日同期2名から別々に、管財人をしているが100%配当になり、さらに余った分を破産者に返還した、という話も聞いた。
100%配当?過払金というのは、利息を0にしているわけではなく、利息制限法(18%だっていいかげん高利だと思うけど)に定められた利率を支払ってのことだから、すごいなあ。

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過払金返還請求で困るのはどなた?

晴れ。日差しは強いけれど、秋の気配になっている。どこかに遊びに行きたいけど、川西商工会議所のセミナーがなんとか終わったと思ったら次は金融商品取引法勉強会のレジュメ作成が迫っている。その合間に信託法研究会の予習。

朝刊に掲載されている週刊誌の広告の中に、修習生は就職難なのに弁護士は過払金返還請求事件で儲かっているといわんばかりのタイトルを発見。
弁護士が景気がよいなら、修習生の就職だってよさそうなものだから、このタイトルは見ただけで眉唾。
サラ金相手の事件なんてほとんど若い弁護士の仕事だし、この種の事件で立派な事務所が維持できるなんて話も聞いたことがない。
それに、サラ金相手の事件がしたければ、どこかの事務所に就職しなくても修習が終わったら弁護士登録して自宅ですればよいことだから、あれこれ考えてもこのタイトルは意味がよくわからない、どちらかといえば弁護士に対する嫌がらせみたいなものだろう。
過払金の返還請求されて困るのはサラ金というよりもそのバックにいる大きな金融機関の皆様ということを考えたら、こんな意味不明のタイトルを雑誌に書かせたスポンサーがいらっしゃるのかなとまで疑ってしまう。・・・考えすぎか。


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