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受益者連続型信託

晴れ。季節が狂う前の9月ころのお天気とのこと。

財産を遺贈した場合、財産を受け取った人は、それを完全に自分のものにでき、受け取った人が死亡すれば受け取った人の相続人がその財産を相続する(残っていればの話だが)。
妻に全財産を渡し、妻が死亡した後、妻の相続人である妻の兄弟がその財産を相続するという説例があげられている(子がいないということだろう)。
妻には全財産を渡したいが、妻が死亡した後に妻の兄弟に渡るのは嫌だ、別の人の渡したいという場合にはどうしたらよいのか。
遺言でこのような指定をすることはできないというのが通説だが、信託でならできるという不思議。
遺言でできないとする理由には、遺贈により取得するのが所有権であり、所有権を期限付きにすると所有権の永続性に反するということが挙げられている。

後継ぎ遺贈型の受益者連続信託。
この内容の信託を設定しておけば、自分の死後の財産の受益者を妻にし、さらに妻が死亡した後の受益者を指定しておけば、妻には財産を渡したいが、妻の兄弟には渡したくないという希望どおりになる。
ただし、この信託の効果は無期限ではなく、信託がされたときから30年を経過したとき以後に現存する受益者が受益した場合であって、その受益者が死亡するまで、または受益権が消滅するまで、とされている。
期限を限る理由は、公序良俗。
英米の信託では、「永久権禁止原則」があり、一定期間内に受益者が画定しない信託は、その受益者に関しては無効とされ、その理由は公序良俗だと説明されている(『現代信託法』能見善久)。

どうして公序良俗に反すのだろう?何がいけないのだろう?
死亡した人の意思が、いつまでも財産を縛っているのがいけないのだろうか?それとも人はそれほど長く将来のことを予想できないため、はずれた予想に基づく財産の配分の指示になる懸念があるからだろうか?

なんだかNHKスペシャルで見たアンデスのミイラ文明のような感じがしてきた。
ミイラが生きている人と同様に扱われる文明。

30年で効果が終わるのではなく、30年経過したときに、受益者がいれば、その受益者が死亡するまで効果が続く。
だから、自分の子の将来を心配して信託をしたときには、十分カバーできるし、自分が死んだ後30年後の受益者となると、もしかしたら自分の孫どころかひ孫かそのまた子が受益者となっているかもしれない。そのときの受益者が0歳だったとして80年生きるとすると、自分が死んだ後110年間財産の配分を指定できることになる。
そんな先まで心配しなくてもよいような気もするし、その間に消費しつくされないとなるとどれだけ莫大な財産だろう。会社の株式の配当金で、景気よく数百年存続するような会社を想定すればよいのだろうか。
受託者はどんな人になるのだろう。これもまた景気よく数百年存続する信託銀行のようなものを想定すればよいのだろうか?景気の浮き沈みによってどちらかが破綻しそうな気がする。
受託者であることを代々承継する一族と受益者たちの物語などというものを想像するとかなりSF的。

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