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独占禁止法(東洋精米機事件)

雨。

独占禁止法実務研究会。東洋精米機事件(東京高裁昭和59年2月17日判決)。
独禁法審決・判例百選(第6版)では、「実質的証拠の原則」に関する判決として扱われている(230頁)。

公取委が市場を画定していながら、シェアを認定するにあたって、画定した市場外の販売額を算入して認定したというもので、これだけ見ると、公取委がなんだか不細工なことをしたなあ、で終わってしまいそうな判決。
精米機メーカーが、販売業者を通じて米穀小売業者に精米機を販売するにあたり、販売業者との間で競合品を扱わないとの内容の契約をしていた事案。
研究会では、当時公取委は、不公正な取引方法について市場の画定は不要だと考えていたのではないか、との意見が出される。
そうだとすると、この判決は、不公正な取引方法についても市場の画定が必要だということを明らかにした判決となる。
さらに、判決では、すでに各販売業者が事実上特定の事業者の系列に組み込まれている場合は、排他的条件付取引に公正競争阻害性が認められないとされる余地が生ずるものと解される、と述べている。
これについては、系列化を進展させれば、市場の閉鎖性は一層甚だしくなるので、容認すべきではないとの批判が強い。
研究会ではこれについて、他の80%のメーカーが系列化しているとき、最後の20%のメーカーが排他的条件付契約をして系列化を完全なものとしたら、最後に系列化したところが独占禁止法違反なのか、という議論がなされる。
他の業者もそもそも最後の20%のメーカーのものは扱おうとはしていなかったのだから、誰も排除されていないじゃないか、最初の10%の系列化は問題にされていなかったのに、他人が系列化して、系列化が進んだ段階で最初の10%も違法とされるのか、他人の行為によって事後的に違法となるのか、という議論もなされる。
白石先生の『独占禁止法講義』(第3版)では、反競争性という弊害の発生にどれほど寄与したか、という点が基準となるものと思われる、と記載されている。
そうすると、シェアの大きいところの系列化だけが違法で、排他的条件付契約を破棄されることになり、シェアの小さいところの系列は残るということになりそうだけれど・・・?

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