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投資信託の差押え(14民懇談会)

曇り。

司法委員会と14民事部との懇談会。今年ちょっと変わっているなと思った話題は投資信託の差押え方法について。
貯蓄から投資へのかけ声のおかげか、従来預金を差押えの対象としていたのが、最近では預金が投資信託に変わってしまっていることがあるので、預金と共に、投資信託も差し押さえる必要があるとのこと。

取引のある金融機関がわかれば、金融機関を第三債務者として預金の差押えをすることができるが、投資信託となると、取引のある金融機関は、単なる販売会社であり、実際の財産は投資信託委託業者と投資信託契約を締結した信託銀行に保管されている。
そうすると、単なる販売窓口である金融機関ではなく、その背後にいる投資信託委託業者を第三債務者としなければならないのではないか、しかし無数といえるほどにある投資信託のどれを購入しているかわからないし、全部の委託業者を第三債務者として差押えをするわけにはいかない、という問題提起。

結論から言えば、14民は、投資信託の振替社債とパラレルに考えてよいとのこと。
振替社債の目録記載方法は、金融法務事情1667号、54頁参照。

平成18年12月14日最高裁判決。
債権者が投資信託の販売会社に対して解約実行請求をしたことについて、一審では、解約実行請求により信託契約について一部解約の効果が直ちに生じるとしたが、控訴審では一部解約金支払請求権は、信託契約について一部解約がされたことを条件として発生するものであり、解約権は販売会社ではなく信託の委託者が有するものだから、受益者から解約実行請求がされただけでは請求権はまだ発生していない、とした。

最高裁では、投資信託の契約の仕組みを分析し、受益者は、販売会社は、解約実行請求をした受益者に対し、委託者から一部解約金の交付を受けることを条件として一部解約金の支払い義務を負い、受益者は販売会社に対し、この条件のついた一部解約金支払請求権を有する、一部解約金支払請求権を差し押さえた債権者は、取立権の行使として、販売会社に対して解約実行請求の意思表示をすることができ、販売会社が一部解約金の交付を受けたときには、販売会社から取り立てることができる、とした。

販売会社の背後にいる投資信託委託業者を探す必要はなく、販売会社を第三債務者とすればよいけれど、販売会社は財産を預かっているわけではないから、実際に金を取り立てるためには、解約金が販売会社に交付されていることが条件になる。

使い勝手がいまひとつよくわからない。訴訟になっている事案では、債権者が解約請求をしたのに、解約されていなかったようだし。


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