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外部監査人実務研修会(日弁連)

曇り。昨日より気温がやや下がったようだ。

外部監査人実務研修会。
地方自治体の包括外部監査(地方自治法13章)を経験した弁護士5名による解説。
対象となったのは目黒区。
債権の回収状況を調査しているうちに保育費の滞納が多く、しかも高額所得者が滞納しており、区が適切に督促をしていなかったということが判明したという話だが、どうやってそこにたどりついたのかの話が興味深く、面白かった。
活劇があるわけでもなく、ドラマがあったわけでもない。
テーマをある程度の幅をもった内容で決め、それに関係する資料を見せてもらい、担当部署のヒアリングをする。
会計士ではなく弁護士が監査人となったということで担当者が身構えてしまうこともあるが、結局一番問題をよく知っているのは担当者であり、真面目な担当者であればあるほど、問題を認識して悩んでいる。仕事上の悩みはないか、困っていることはないか、一緒に解決しようよ、というスタンスで話を聞き、あるはずの資料がなければどうしてないのかを考え、あるべき資料についてないという報告を受けたら、もう一度よく探してみよう、キャビネットの奥にあるかもしれないし倉庫にあるかもしれないから、と励まし、調査票にメモ程度しか書いてくれなければ行って担当者と面談して話を聞き、今話したことをここに書き加えてねと言い、メールを送ったら5分後に電話をかけ、その場でメールを開いてもらい、説明をし、期限をきって回答を求める。
この繰り返しの作業の末に、高額所得者に対して保育料を督促していなかったことなどが判明したとのこと。
報告書では、問題点を指摘するに止まらず、改善方法の示唆まですべきとのこと。
これはいいなと思ったのは、200頁に及ぶ報告書を誰も読んでくれないと困るから、という理由で、報告書の冒頭に、前提事情と指摘事項の要旨の一覧。
これを見ると報告書の内容が一目瞭然で、特に興味を持った項目を選んで読むこともできる。
ビルの賃料を長期にわたって徴収していなかったなんていうこともこの見出しをみるとわかる。

問題は、監査報酬で、時給に換算すると5000円くらいとのこと。
外部監査人を業務として成り立たせるためには、質を下げない合理化と効率化、を考えないといけない。

研修は、会計士が数字を見るのとは違った、「弁護士の監査」というのはこういうものだ、というあり方を示す、有意義な内容だった。
この5名のチームからなる外部監査の報告書に基づき、区は問題点の改善に動き始めたとのこと。
爽やかな印象の5名だったが、唯一の不満は、これだけ女性弁護士が増えているのに、全員が男性でチームを編成したことか。

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