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大晦日

出会った多くの方々から暖かいご支援を受け、今年一年を無事に過ごすことができました。
ありがとうございました。
弁護士という職業は、人とつながっていてこその存在であるということを実感した1年でした。
来年はさらに仕事の質の向上を目指して努力してゆきたいと思います。
今後とも、よろしくご指導、ご鞭撻のほどお願いいたします。

よいお年をおむかえくださいませ。
来年がよい年となりますように。

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今年の年末は

晴れ。暖かい。
今年はなぜか年末に仕事がたてこんでいる。

年内に証人尋問がしたいとの裁判所の意気込みに、それなら年明け早々にでも判決がもらえるのかと期待し、時間のやりくりをして臨んだところ、証人尋問終了後に来年早々に和解期日を入れましょうと言われ、なんだったんだと・・・。
12月28日午前に判決をすると裁判所が言うので、それなら事務所も28日まで仕事をしようと計画をしていたら、裁判所から電話があり、来年2月に判決を延期すると言われ・・・・。
そういえば、夏休みが終わるころまでに資料を提出するようにとの裁判所の指示があった審判抗告事件は、まだ高裁から決定が届かない・・・。
都知事は泣く子と地頭と国と仰ったけど。。

最高裁判所が不適切な会計処理をしたとの記事。
裁判所が発表するとおおげさに聞こえるけど、内容を見たら契約書の日付をバックデイトさせたとのことなので、契約書のつめより先に仕事をすすめてもらわないと間に合わない事情でもあったのだろう。
それより裁判員制度の広報のために21億円という金額の方に驚いた。
国民の多くがやりたくないと思っている制度を強引に国会で作っておいて、その広報のために税金で2年間で21億円の支払い。
裁判員裁判を実施するために全国の裁判所で法廷の増改築もすすめられている。これも税金。
ひどい話だと思うんだけど。

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研修の義務化

晴れ。少しずつ寒くなってきている。御堂筋沿の歩道は黄色い銀杏の落ち葉だらけ。

大阪弁護士会で研修が義務化され、今までに何単位とったとか、単位が足りなかったらペナルティはあるのか、といった会話をときどき耳にする。
今日届いた研修の案内は、「P2Pネットワークと法的問題 Winnyをめぐって」
なんだかなあ。タイトルを見ただけで、もういいやっていう気分になる。単位も足りていることだし。

と思っていたら夕方研修委員会から委員に対するアンケートが届く。
高齢による研修義務の免除を当然免除がよいのか、申請制がよいのか、免除対象は何歳が妥当か。

自分が高齢者になったことがないから、高齢者になったら、研修をどう思うだろうかと思いっきり想像力を働かせて考えてみるしかない。
やっぱり当然免除かなあ。当然免除でも受講したい人は受講できるから問題はないけど、当然免除にすると受講するなと言われているみたいに感じたらお気の毒かなあ。
そうすると、申請制にしておいて、申請があれば年齢要件のみで免除というのがいいのかなあ。

研修は、ここのところ法律がどんどん変わるし、電子化だのウイニーだのといろんなことがあって、各自で調べて勉強するのも大変だから、誰かよくわかっている人が全員に知識のお裾分けをしよう、という互助みたいなものだと思う。
だから、そんな分野には手を出さない、相談があれば他所の事務所に行ってもらうというポリシーなら研修は必要がないだろう。
もっとも、それが新しい問題で自分は知らないのだということがわかる程度に知っていないととんでもないことになるけど。
そうすると、高齢者にも、研修に出ようという動機付けのために義務化、無理な場合は免除申請というのが無難かなあ。
とはいえ「P2P」なんてタイトルの冒頭に書かれている研修案内を見ると、当然免除してもよいような気分になる。
どうしてこんなややこしいものが同じ日に届くのだろう。

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独占禁止法(土屋企業)

曇り。空気は少しひんやりしている。御堂筋沿いの花壇には黄金色の銀杏の葉が降り積もっている。

独占禁止法実務研究会で報告担当。事案は、東京高裁平成16年2月20日判決。
受注調整に対する課徴金を課した審決の一部が取り消された事例。

公取委の理屈は、某市の土木工事の受注に関し、69社の間で受注調整の基本合意がなされ、ある工事について、T社が受注しようとして基本合意に基づいて調整しようとしたが、X社がどうしても自分が受注したいと譲らず、X社とT社のたたきあいで、X社が落札したという事案。
他者に関してT社が根回しをしており、Xはそれを認識していたと認定されている。
裁判所は、課徴金には制裁的要素があり、個別の調整に関与していない場合には課徴金を課さないとした。

正直なところ、最初にこの判決を読んだとき、自分のしていないことについては責任を問われない、というごく当たり前のことを述べているだけで、何が面白いんだろう、と思った。
しかし、レジュメを作成するために課徴金に関する学説と過去の審決・裁判例を調べてみると、そんなに単純な話ではないらしい。

基本合意があれば、その存続期間内に受注した工事についてはすべて課徴金の計算の基礎となるとする考え方から、個別の工事について基本合意からの離脱があればその工事を除外するとするもの、そもそも受注調整がなされた個別の工事しか課徴金の対象とならないというものまで、課徴金の性質論だの、とりはぐれを心配する実質論だのが入り交じっていて結構面白かった。

研究会では、独禁法は一定の市場における競争制限を対象としているため、刑法の談合罪とは異なり、1回のみの談合は独禁法違反とはならない、某市の公共土木工事、という一定市場があり、それを対象とする基本合意が独禁法の規制対象となっているのだとの指摘をいただく。

また実務的な視点から、基本合意に基づく話し合いがなされたが、1社にしぼれず、数社のたたきあいとなったとき、競争はより熾烈なものとなるとの指摘があり、さらに、そのような熾烈な競争の結果、最低価格を下回って失格者を出したような入札で、最低価格ぎりぎりの価格を入れて落札した者に対し、課徴金を課すのが妥当かという議論になる。

その他、リーニエンシー制度の実情等興味深い指摘をいただき、報告担当としては楽しい会となった。
ところで、この研究会の出席者は女性の割合が高い。なぜだろう?


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近畿税理士会との研究会(取締役の報酬の定め方)

小雨。ときどき曇り。気温が下がってきている。

近畿税理士会との研究会で、4問中3問が相続だったが、残り1問は会社法。
質問の問題意識がどこにあるのか、どうしてそれが税金と関係しているのか、今ひとつよくわからなかったけれど、税理士会からの質問は、株主総会で取締役の報酬の総額を決め、各取締役の報酬額は総額の範囲内で取締役会で決定する、とした場合、各取締役の報酬の額を取締役会ではなく、社長が決定してもよいか、また、顧問弁護士ならどうか、というもの。
回答は阿多先生。
総額が決まっていれば、株主総会との関係で、取締役のお手盛りという心配はない。
しかし、総額の範囲内でどう分けるかという問題は、取締役相互の利益相反の問題である。
株主総会から取締役会に委任された事項をさらに代表取締役に委任することになるが、各取締役がそれでよいというのなら、かまわないだろう、とのこと。
その委任の相手が顧問弁護士の場合、株主総会が取締役会に委任したのに、それを無視して顧問弁護士に委任するのは問題がある、顧問弁護士の意見を参考にして取締役会で決定するというのが妥当ではないか、とのことだった。

ただ、代表取締役に一任すると、代表取締役を監督するのが取締役会なのに、各取締役の報酬を代表取締役に一任するのはおかしい、という説(浜田説)があるとの解説もなされている。
そうすると、代表取締役に一任するのはなんとなく外から見て取締役会が機能不全になりそうな心配もあるから、顧問弁護士に決めさせようということなのかもしれず、代表取締役一任はよいが、顧問弁護士一任はだめというのもなんとなくすっきりしない。
代表取締役への一任決議を有効とするのは昭和31年の最高裁判決とのこと。
昭和31年と現在とでは、日本の社会も日本人の常識も幾分変化したかもしれない。
代表取締役一任なんて言わずに、株主総会で取締役会が決めろと決議されたのなら、その責任を全うしてもよいのではないかと思う。

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信託法研修会(新井先生、杉浦先生)

曇り。御堂筋は黄金色。

信託法研修会。新井先生と杉浦先生のご講演。会場は盛況。
新井先生は、11月26日の日弁連の研修会でも講演なさったが、このときの講演で少しだけ披露された自説の解説を今回の講演で全面展開された趣があり、とにかく熱い、面白い。

コモンローの国でエクイティとして発展した、との説明を聞くと、従前の裁判例で、この関係を信託と構成すると、という論法がとられていたことに納得がゆく。成文法から一番遠い法理で、かつ救済法なんだ。

新井先生のお話をお伺いしていると、やっぱり今回の改正はおかしいと思えてくる。
諾成契約で、財産の名義移転の義務もないとなると、委任、代理と違わない。
委託者、受託者、受益者を一人の人間が兼ねることができるとは何事か。
信託の本質からかけ離れた「信託」だ。
受託者の義務の任意法規化にお怒りだったが、自己執行義務を明記した契約があっても、やむを得ないときには委託できる(28条)というのを見ると、任意法規化ではなく、自己執行義務を解除する方向での強行法規のようにさえ見えてくる。

立法過程も相当もめたそうだが、その結果できた法律については、なんと当初財産の証券化・流動化のために改正を求めていた規制緩和なんとかの人達でさえ、こんな法律使わないと言っているとのことで、信託銀行にいたってはこれで信託の信用が落ちるかもしれないと迷惑がっているとのこと。
永田町の論理でできた法律かと思っていたら、機を見るに敏な先生方のこと、会社法の成立時には、村上さんや堀江さんをもてはやしていたが、その後のあれこれで手のひらを返したように、濫用の危険のある法律はけしからん、ということになり、自民党の先生方からも反対意見がだされたとのこと。
もちろん民主党も反対。
ということで、なんと霞が関のお役人の論理のごり押しと御用学者の看板で成立したらしい。
お役人って税金を使って、国民のために働く人かと思ったら、税金を使って、国民に不利益をまき散らして自分の出世を図るひとだったのか・・。
もっとも新井先生は、日弁連けしからんとお怒りだった。日弁連が賛成したたのが、最後の一押しになってしまった様子。

友人のM弁護士が杉浦教授に直接講演をお願いしたことに端を発した講演会。杉浦先生は、当初10人くらいの勉強会にという話だったのに、あっという間にこんな大きな研修会になってしまったと仰っていた。
新井先生にけしからんと散々にけなされた後、立法に関わった杉浦先生の登場となったのが、ちょっとお気の毒だったが、杉浦先生の事業信託を中心にした話も、これはこれでとても興味深かった。
チャリタブルトラストを「チャリトラ」と略されたのにはのけぞったけど。

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税理士会との研究会

晴れ。日が落ちるとひんやりする。

税理士会との研究会。今回は税理士会から出題。
いつもながら問題意識がよくわからない。弁護士は回答するけれど、この事例のどこがひっかかって出題になったのかがわからない。双方の問題意識がかみあっているのかいないのか微妙。

事案の一つは、遺言書に従って遺産を分け、相続税を申告した後に、税務署が相続人の一人の預金が高額であり、実質は被相続人の財産であるとして納税を求めた場合というもの。
その預金が相続財産であれば、相続人の一人は遺留分を侵害されている。

弁護士の側は、税務署の言い分に従って納税しても、銀行は預金の名義を変更してくれないから、預金が相続財産であれば受け取るべき人にその預金がゆくことはない、だから税務署の言い分に従って納税しても無駄ではないかとか、預金が相続財産なら遺留分を侵害されていることになる人にとっては、相続財産とならないと遺留分ではなく、次の相続で法定相続分の相続ができるから有利なのではないかという意見まで出てきて、議論がどんどんこんがらがる。

4問中3問が相続がらみ。
こんなにこんがらがってる相続に、どうして税理士さんしか関与していないのだろうということの方が不思議に思えてくる。
もはや納税の問題ではなく、相続に関する法律の問題になっているのに?

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陳述書を出さないことの効用?

雨後晴れ後曇り。前線が頭の上を通過したようなお天気。
少年の保護者から当番の依頼があり、本人に選任届を書いてもらおうとしたら、別の弁護士に依頼したいから嫌だと言う。
本人と保護者の話を合わせて推測すると、本人は、ある弁護士に弁護をしてもらいたいと考えているが、保護者は弁護士費用を節約するために司法支援センターを使いたい、そのためには当番弁護がよいと考えたということらしい。
こんなとき、少年とよく話し合って説得するのが親切なのか、一度は思ったとおりにさせてみるのが親切なのか、よくわからない。

平成18年度司法事務協議会の結果要旨が配布された。開催されたのは1月30日となっているから、ちょっと遅い気もする。
ざっと読んでいたら、弁護士会からの要望事項の中に、陳述書の提出を求められたくない、というのがあった。人証は尋問が原則で陳述書は尋問を形骸化させるというのがその理由。
私にはよく理解できない。
陳述書を出さないと言う弁護士がどれだけ充実した尋問をしているのか見たいものだとも思う。
主尋問と反対尋問を間をおかずにする慣行が定着しているので、主尋問で何がでてくるかわからないと、反対尋問の準備が十分にできない。事前に聞いていれば、本人との打ち合わせの中で、それが虚偽だとわかり、その証拠を入手できるようなことでも、突然法廷で言われた場合には、当事者ではな代理人にはそれが何のことなのかわからず、反証が手元にないため、言ったもん勝ちのようなことになるおそれがある。
充実した審理をし、真実にたどり着くための十分な資料収集をしようと思えば、証言内容の概要くらい明らかにしてもよいのではないだろうか。
なお、裁判所は、裁判所が希望しなくても、当事者から陳述書が出されることが多いとの回答。
私の経験でも、ほとんどの弁護士は陳述書を出している。
一部の先生が、どうしてこれほど陳述書を提出することに抵抗するのかよくわからない。
陳述書を出しても尋問はするから、尋問が原則だということと、陳述書を出す出さないとは関係がないと思う。陳述書を出さないことの効果は、相手に反対尋問の準備をされないということで、陳述書を出さない理由をそのように説明するならわかるんだけど。


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