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説明義務・情報提供義務と自己決定(潮見論文)

晴れ。気温は低いようだが、日差しがよいので冷たい風が心地よい。
大阪商工会議所女性会の新年会に参加。どんな雰囲気かとおそるおそる出かけたが、元気のよいしっかり者の女性の集まりといった雰囲気。
アトラクションは伍・芳(ウー・ファン)氏の古箏の演奏。
装飾のついた美しい箏がどのような音を出すのかと見つめていたら、予想外に力強い響きだったのに驚いたが、大阪商工会議所の女性会もそんな感じだと妙に納得。
美しく力強い音色が素晴らしかったので、事務所に戻って早速CDを注文した。
新年会には太田大阪府知事も来られて新年の挨拶をしていらっしゃった。
8年間の功績がおありだろうに、講演料で政治と金と言われて追い出されたようになったのが少しお気の毒な気がする。まして、その後に自民党の府会議員さんたちが担ぎ出したのが芸があるのかないのかよくわからないようなタレントではねえ。

3連休中に潮見教授の2005年の「説明義務・情報提供義務と自己決定」(判タ1178号)を読む。
同論文は、交渉力の格差があることから直ちに情報提供義務を正当化できるわけではないとして、憲法や新自由主義をその根拠とする理論を解説する。
学者は理論に命をかけているだろうが、適合性原則違反などを裁判で主張する立場から言えば、憲法から説き起こす説と新自由主義から説き起こす説を知っていても知らなくても、使い勝手に違いはない。だから、教養というか、どうしてこんな主張ができるのだろうかとふと疑問に思ったときに、自分自身に対して説明ができるというか、私にとってはその程度の意味なんだと思う。

読んでいるうちに、学生時代にゼミで、おばあさんが冬にガソリンスタンドにポリタンクを持ってきて、「ガソリン」と注文し、ガソリンをタンクに入れて渡したところ、後日おばあさんが自宅のストーブにガソリンを入れて火をつけたために家事になった場合、ガソリンスタンドに責任はあるか、と教授が質問されたことを思いだした。
4年生以上は民法の意思表示の条文などを根拠にしてそれぞれ答えていたが、3年生の一人が、どうしてガソリンスタンドの従業員は、おばあちゃん、「何に使うの」と尋ねてあげなかったのだろうかと言った。
意表をつかれた思いがした。
民法の意思表示の解釈以前に、状況からしてガソリンというのはおかしい、灯油の間違いでないだろうかと、普通は思うだろう。それなら一言聞いてあげるのが社会人としての常識的な態度ではないだろうか。

弁護士の立場からすれば、常識を理由に適合性原則違反を主張すれば足りる。それを「社会人の常識(良識)」ですまさず、憲法上の権利や哲学的思想によって理論付けをするのが学者の仕事なのだろう。

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