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遺言に関する実務上の諸問題(高山裁判官講演)

雨。
「遺言に関する実務上の諸問題」研修。講師は大阪家裁の高山裁判官。

講義が始まってしばらくは随分とまどった。なにしろ、話が先に進まない。2時間の講義時間で、レジュメが3頁と少し。
しかし開始後30分たっても、1頁目の3分の1までもいかない。話はぽつりぽつりといった感じで、文と文の間には長い間があく。
レジュメを見ると、ここは聞いておきたい、という事項がいくつか並んでいるが、そこまで進まないのではないかという疑問が浮かぶ。講師は申立件数の統計数字の説明などをのんびりとなさっている。
仕方がないので、添付資料の「参考裁判例」を読み始めるとこれがよくまとまっていて、とてもおもしろい。古い順に40の裁判例が要領よくまとめられている。
レジュメといい、資料といい、相当な力量の方が作成されたはず・・・なのに、目の前の講師は相変わらず長い間のあいた口調で、遺言をめぐる紛争に関するご自身の感想や人生観のようなものを述べていらっしゃる。
このギャップをどう解釈すべきか・・・・。
開始から1時間あまりも経過してようやくここは聞いておきたい、という箇所に差し掛かるが、するっと流されて次ぎの項目に移っているのか、それとも話が前後しているのか・・・また悩んでしまう。
しかし、このあたりから俄然話の内容が面白くなってくる。
前半で語られた人生観のようなものがにじみ出るような遺言の紛争処理、紛争を未然に防ぐための具体的方策などがやはりぽつりぽつりと語られる。
内容は、当たり前と言えば当たり前のことが語られているのだけれど、言葉が上滑りしていないので、聞いてしまう。
結論から言えば、この種の実務的な、つまり実利を目的とした講演には珍しく、「聞き応えのある」または「味のある」講義だった。

講義内容の内、留意事項の項目は以下のとおり
1 遺言者が健常なうちに遺言書を作成する(遺言能力でもめる)
2 遺言書に宛名を書かない(遺言か私信かでもめる)
3 夫婦に子がいないときには、配偶者に配慮する(兄弟姉妹には遺留分なし)
4 高齢で再婚した場合には、子が被害感情を抱いている可能性があることに注意する
5 事業承継のために遺言であるときには、自社株が意に反して分散しないよう代償金にまで配慮する
6 遺産分割協議をする前に遺言書の有無を確認する
7 貸金庫の有無とその内容は分割協議前に必ず確認する
8 分割協議前に不動産は現地で現状を確認する
9 分割協議前に預金の確認をする、ネット預金に注意する(銀行から文書が送付されない)


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