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不正競争防止法研(共同の取引拒絶)

曇り。雨でも曇りでも晴れても日本の5月は気持ちがよい季節だ。

不正競争防止法研究会の今年のテーマは「不公正な取引方法についての検討」。
2条9項1号証には、「不当に他の事業者を差別的に取り扱うこと」となっている。
これだけでは、何が不当な差別なのかよくわからない。公取の「不公正な取引方法」の告示では16項目が不当な差別として挙げられている。
ということで、初回は16項目のうちの1番「共同の取引拒絶」。
F先生が「共同の取引拒絶」が問題となった事例をいくつか紹介される。

その1 タクシー会社多数がチケット会社を設立し、運賃を安く設定している3社にはその会社のチケットを使わせなかった事例。
その3社でチケット会社を設立して、チケットを発行すればよいのに、と思うんだけど?
客だって安い方に乗りたいだろう、と思うのだが、チケットを使うのは、官公庁と会社となっている。日本海側の地方の県での出来事だから、多分官公庁がほとんどかな?
官公庁の人達は自分で払うわけじゃないから、タクシー代の高い安いは気にしない、のかもしれない。

その2 特定の公共工事にある工法を採用している会社が集まって「部会」を作り、部会員は、その工法のための機械を部会員以外に譲渡しない、販売している会社は部会に所属している会社以外に機械を販売しないとの取り決めをしたというもの。
その工法ができる以前は別の工法で工事がなされていて、もともとの工法でも工事ができるのだから、問題がないような気もする。
新しい工法が有用であることをその工法を採用した会社は、役所に説明して回り、納得してもらって発注してもらうという努力を重ねてきて、ようやくその工法が役所に広く受け入れられるようになったのではないのか、そうすると、部会に所属せず、広報の努力をせずに、機械を購入して役所から仕事の発注を受けようとする業者を阻止しようとするのには理由があるのではないかとの問題提起がN先生からなされる。

知財の勉強会では、どうして知識が独占できるのか、がいつも疑問だったが、独占禁止法の研究会では、どうして努力して得た地位を分け与えないといけないのか、がざらざらとした感触として残る。
「不当」とか「公平」ってむつかしい。


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片山元鳥取県知事

晴れ。少年審判に被害者の意見陳述ができるようになったということで、被害者の親権者が来られる。当日になって申出書を作成されたり、衝立を要求されたりで、審判の間延びが著しい。こんな中断は少年審判が得意とする「感銘力」を薄れさせると思うんだけど。大阪家裁でこの体制なら、支部や地方はどうなっているのだろう。
もっとも少年に直接被害者の声を届けるという点はよかったと思う。

ここ数年で経験した少年審判に関しては多少言いたいこともあるけれど、ないものを数えるよりはあるものの数を数える方が好きなので、昔(と言っても10年以内だけれど)はよかったと言えるほどの能力の高い調査官や審判官に出会えたことの方を幸運と思うことにしよう。
司法はここ数年で劣化しているのだろうか?それとも、たまたまそういう例に当たっただけなのだろうか?

日弁連の市民会議の委員の意見の要約が届いている。
委員で元鳥取県知事の片山氏の意見は次のようなものである。

知事をしていた当時の鳥取県の弁護士数は24人。行政トラブルを司法で解決しようにも、審議会に法曹を入れようとしても人数が不足していた。現在は48人。需要が顕在化するには時間がかかる。今の計画のまま法曹人口を増やしていくのは地方からみても疑問である。暫定的軌道修正が必要だろう。過疎の代表と言われたところからみても、とりあえず充足感はある。

いつもながらシャープな切れ味。数字と夢を同時に語ることができる人である。
そういえば、先日読売新聞に片山元知事の大阪府の改革に関するご提言が掲載されていた。
それを読んだとき、初めて私は大阪で何が起きているのかを理解した。あれだけ短い文章で、背景事情から問題の所在まで的確に指摘(ただし行間で)できる人はこの人を措いてほかにないだろう。
ないものを数えるよりあるものを数える方が好きなので、私は言いたい。我が国にはまだ素晴らしい人材がいる、と。


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日本の警察力

曇り。半日歩き回って事務所に戻ると留守電3件。ちょっと休んでから不在でごめんなさいと電話をすると、遅くまで頑張ってるんやね、早うしもうてお帰り、と言っていただいた。連絡がとれなくていらいらしていらっしゃるかと思っていたのにかえってねぎらわれてしまった。さらに別の方から相手方との交渉をすすめてとの連絡があり、急いでいるのにと叱られるかと思いながら、他の事件が切迫していて今すぐに交渉ができないと返事をすると、忙しいのにごめんね、気長にしましょ、と慰められてしまった。
なんだか他人様を助けるつもりで、あべこべに助けられている。

裁判官がストーカーの疑いという事件の報道がなされているが、裁判官がストーカーということより、よくこの程度の事件で警察が速やかに動いたなとか、逃亡のおそれもないのにいきなり逮捕かとか、別のところで感心していたら、件の裁判官が知り合いの警察庁の局長に相談し、局長から本部長に連絡が行き、本部長直々に捜査をするようにとの指示があったと報道されているのを見て妙に納得。
コネがあれば警察は動くと聞いたことはあるけれど、なんとも素晴らしい勢いだ。これが女性が交番に相談に行ったとか、せいぜい警察署の窓口に行ったとかなら、放置され、そのうちに引き継いでいませんとか、捜査してますが、ネットカフェ経由なのでどうにもなりませんなどと言われてそのうち忘れられていたのではないかと思ってしまう。
多分、件の判事さんもこの程度の事件の警察の扱いなんてその程度、とたかをくくって親切ごかしに口をきかれたのではないだろうか?
それにしても、なんだかねえ・・・・。

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みんなって誰のこと?

曇り。鑑別所の帰りにそういえば調査官の報告書が出るころだと思い出し家裁に寄ってから戻ると事務所に電話をしようとするとメールが入っている。家裁から報告書が出されたとの連絡ありとのこと。調査官報告って期待して見る割にはどうということがなかったりするのだけれど。

事務所に戻って書類の山の中から黄色の新聞を引っ張り出すと日弁連委員会ニュース。
1面は「カウントダウン!みんなで築こう裁判員制度」
ごろはいいけど、みんなって誰?とつっこみを入れたくなる。
国民の7割が嫌だと言い、東京と大阪と大分を除く弁護士会が準備が間に合わない、人手が足りないと悲鳴をあげている制度なのに(それはそれとして大分にはどのような特殊事情があるのだろうか?)。
日弁連がこんなに国民から乖離していてよいのか?
そもそも全国のほとんどの弁護士会が困っているのに、気にせずはしゃぐ日弁連って一体誰だ?

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契約と契約書

曇り。某市で「契約と契約書」の講演。粗筋だけ作っておいて、細部は直前につめたらいいやと思っていたら、期日切迫の少年事件を受任したりなどして、結局粗筋をすこし膨らませた程度のレジュメを持って会場へ。
女性も男性も熱心に聞いてくださり、気持ちよく話をさせていただきました。いくら私が話し好きと言っても50分も一人でしゃべるとさすがによくしゃべったなあ、という気になる。

契約と契約書というテーマなので契約書を作る場面を考えてみたけれど、日常生活に必要な取引はほとんど約款取引となっているし、そうでない場合でもたいてい事業者が作成した契約書があって、あとはそこに印鑑を捺すか捺さないか、という問題だけのような気がする。
とすると、贈与契約、死因贈与契約及び遺言書は個人が法律的な文章を成するわかりやすい場面ではという気がしてきた。
贈与契約と死因贈与契約は契約なので、受贈者の承諾が必要。死因贈与契約をするときには、受贈者の意思表示の記載もお忘れなく。


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IPO研究会(公認会計士は危険なお仕事?)

晴れ。朝刊の一面は日本の災害救助隊が四川省の災害現場で活動している凛々しくも頼もしい写真。こういうのがBoots on the ground とか国際貢献とか言う言葉の本来の使い方なんだろうなあ。
救助隊をなかなか現地に入れなかったとか、記事を読むと腹立たしいことも多いけど。

IPO研究会。公認会計士の方から、インサイダー取引の疑いをかけられたときの捜査の様子や、粉飾決算を見抜けなかったとの理由で損害賠償請求をされた民事裁判についてお話をお聞きする。
・・・公認会計士って、産婦人科のお医者様ほどではないにしても、ものすごく危険なお仕事みたい・・。

民事事件のお話を公認会計士の先生からお聞きしている限りでは、どうして損害賠償責任が一部認められたのかよくわからなかったのだが、山口先生が、裁判所は、この種の事件の過失認定について、医療事件と同様の考え方をしているのではないかとのご見解を述べられたうえで事実関係についていくつか指摘や質問をされ、そのやりとりをお聞きしているうちに、裁判所が一部過失を認定した論理構造が見えてくるような気がした。

話が佳境に差し掛かってきたのに事務所から電話。少年当番で弁護士会から連絡があったとのこと。
最後までお話をお聞きできないのは残念だけど、少年当番は最優先事項。

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判例体系

曇り。

第一法規から判例体系をCDからインターネット版に変更してほしいとの連絡。
承諾すると、今から1年間の契約書を持って来た。既に5年契約をしており、その期間は今年の9月までだと言うと、それは解除して今からの1年間の契約にする、と言う。
長期使用割引があり、来年からは安くするから、と真剣なお顔。

なんだかよくわからないけどまあいいや、と契約書を作成し、セールスの人が帰った後にインターネット版に接続すると、料金体系の項目がある。
クリックしてびっくり。
私の契約より随分安い。
??ということは、新たな契約などせずに、9月に契約終了を待って、新たに契約をした方が安いということでは?
不思議な商売をする会社だなあ。これでトラブルになっていないのが不思議。

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第一法規は契約書を返還し、今後インターネット版の料金に値下げするとのこと。
「契約と契約書」のテーマで講演原稿を作成中の私としてはちょっと複雑な心境。

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危急時遺言の確認

晴れ。昨夜の雷雨がうそのようだ。

遺言相続センターのマニュアル案を見ていたら、「危急時遺言の確認」というのがあった。
危急時遺言というものがあることは知っているが、実際に作ったことも作りたいという相談を受けたこともない。その「確認」って何だろう?

民法976条。死亡の危急に迫った者の遺言。特別の方式の項目の中にあるから、方式の一つなんだろう。
ちなみに、960条では、遺言はこの法律に定める方式に従わなければすることができない、となっている。

危急時遺言というのは、死亡の危急に迫った人の遺言なのだが、証人3人以上の立ち会い、遺言の内容の口授、証人の一人がこれを筆記して読み聞かせ、各証人が正確なことを承認した後、署名、押印する、となっている。
それで、4項に、この遺言書を遺言の日から20日以内に家庭裁判所で確認を得なければ効力を生じない、とされている。
裁判所が確認するのは、遺言者の真意に基づいて作成されているかどうかということなので、本人に面談するのが確実なんだろうけれど、多分立ち会った証人にそのときの状況を質問して確認するのだろうなあ。
だって裁判所が確認のために面談するくらいなら遺言時に公証人が面談して公正証書遺言が作成できるもの。
なお、裁判所が確認をしても別途検認手続は必要とのこと。

ところで、死亡の危急に迫っている、ってどのくらい迫っているときのことを言うのだろうか?
983条では、危急時遺言をしたときから6か月生存したときは効力を生じないとなっているところから考えると、余命6か月以内のことだろう。
病気の種類にもよるのだろうけれど、余命6か月なら、自筆証書遺言や公正証書遺言の作成が可能な気がする。
それでもこちらの方式を選択するというのであれば、それはそれでかまわない、ということなのだろうか?
この規定のできた明治のころと現代とでは医療が大きく違っていると思うのだけど。危急時遺言の需要は今でもあるのかなあ。


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4連休初日

お久しぶりです。
今年も会務及び会派務(?)は順調(?)に増えているようです・・・(あまり増えないでね)。

金融商品取引法の勉強会でKさんがインサイダー取引規制について報告とか、独占禁止法研究会で根岸先生の改正についての解説をお聞きするとか、4月の後半も研究会は活動していました。
私自身は、広報委員会の関西ラジオワイドの原稿と、憲法の日記念行事の市役所での講演原稿に苦しんでいました(正確には現在進行形ですが)。

結局関西ラジオワイドは、憲法の日記念行事の講演会の案内と9月から始まる大阪弁護士会遺言・相続センターの案内の二つの案内にしました。10分間の中に二つのテーマを入れるのは初めてで、ディレクターが嫌な顔をなさらなければよいのですが。
たまたま講演会の案内文と、遺言相続センターの案内文が手元にあったという極めて安直な理由ですが、会の広報をするという元々の趣旨からすればとっても正しい内容という気もします。
行事の案内だけだと書いていても面白くないので、ラジオワイドの原稿は、遺言・相続センターの電話相談だとこんな風な会話になるのかな、という内容にしました。

それから、憲法の日の記念行事についてですが、これは今月末までの間、大阪府下の複数の市で様々なテーマで講演が予定されています。
講演予定が多いテーマは多重債務問題、次いで裁判員制度についてです。
その他にもいろいろなテーマでの講演が予定されていますが、市によっては、聴講を市民に限定したり、予約制だったりするところもあるようです。
こういう情報はどこで手に入るのかと会に問い合わせると、市政便りに案内が掲載されていると言われました。
でも、市政便りはその市の行事しか書いてないのでは?
大阪府下の複数の市で開催される行事なのだから、一覧性という点から、むしろ府政便りに掲載していただいた方がよかったのでは?
大阪弁護士会のHPを見ても案内が出ていません。会に電話で問い合わせたら、秘書課に電話してもらったらよいと言っていますが、わざわざそんなところへ電話をする市民がいるのだろうか?
広報委員会の私が言うのもなんだけど、大阪弁護士会の広報ってもう少し効果的にできないのものだろうか?


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