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行政活動に対する環境訴訟(山村先生講演)

晴れ。夏がすぐそこまで近づいていることを感じさせる陽差し。

「行政活動に対する環境訴訟」(山村恒年先生)
それほど期待せずに出かけたのだが、妙に面白かった。
レジュメの文字は細かいし、地味そうな内容だし、話し方にも派手さはないが、聞き始めると面白い。

行政法が司法試験の必修科目になる以前に合格した裁判官は、行政法を選択していない人が多く、行政訴訟が行政の行為の適法性を争うものであることを理解せず、民事訴訟と同様に扱おうとするから、「効果」の発生を訴訟の要件にしてしまうのだ、に始まり、公害規制行為に対する訴訟には、規制された企業から争う場合と規制がないことについて住民が争う場合とがあるが、日本ではアメリカに比べて企業が争うことが少ない。どうしてか?政治家に話をした方が早いから、などと、そういうことをさらって言ってよいのか、と聞いている方が悩んでしまいそうなことがずばずば出てくる。

原告的確。
合衆国の原告的確の広さを例えて、合衆国なら、北海道の環境保護団体が以前からやんばるの森の保護活動をしていれば、その団体がやんばるの森の保護の訴訟について原告的確がある。
合衆国では「現実的な損害」があれば的確は認められる。
この場合の損害は、それまでに保護活動に要した飛行機代である。

やんばるの森を切って、そこに金になる木を植える計画を知事がたてた。
日弁連で調査に行くと、地元の人は、こんな木は金にはならない、と言っている。
それならどうしてやんばるの森を切って役にもたたない木を植えるのか?

通常の国の補助金は3分の1だが、沖縄は全額補助で事業ができる。何かをしさえすれば、地元に金が入る。
木を売って金にするのではなく、役にたたない木を植えること自体が金になる。
沖縄がどんどん開発される理由。

ちなみに、やんばるの森訴訟は、沖縄の弁護士ではなく、大阪の弁護団が活動した。
どうしてか?
開発をしようとしたのが革新系の知事で、沖縄の革新系の弁護士はその知事を選挙で応援していたから。

日光太郎杉事件。
4300万円から13億5100万円までの幅広い工事案が提案されている。工事期間も6カ月から3年とさまざま。
裁判所が採択したのは、一番安い4300万円6カ月案ではなく、次に安い2億2000万円2年案。
どうしてか?
日光太郎杉の価値は2億円を超える。4300万円案は太郎杉を15本伐採するが、2億2000万円案は一本も切らずにすむから。

淀川水域ダムにかかる費用は、国土交通省が計算すると随分少ない。
どうしてか?
これまで10年間に使用した用地買収とダム工事のための道路建設費をダムにかかる費用として計上していないから。

次々に面白い話が飛び出してくる。
ここで質問。
景観の価値ってどうやって金銭評価するのですか?

答え。
浜辺の価値の場合、その海岸に遊びに来る人にランダムに、ここを残すとしたらいくら払うか、アンケートをとる。各自3万円とか、1万円とか答えるので、その平均値をとる。その浜辺に年間に訪れる人の数に平均値をかける。
計算方法の一例だそうだ。

行政法も環境法もむつかしそうだと思っていたのだが、手練れの手にかかると、こんなに面白い。
レジュメと一緒に先生のご著書を安く分けていただけるとの案内が入っていたので、事務所に戻って早速注文する。

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