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地球温暖化対策の基礎(日弁連研修)

やや曇り。一昨日は暖かい風と冷たい風が混じっていて、昨日は雷雨。そして今日は肌寒い。

日弁連研修、地球温暖化対策の基礎と弁護士の役割。
出席者がとても少ない。
温暖化と法律の関わりが排出権の証券化でしかないならば、およそ金銭評価できるものならどんなものでも分割して売りさばく一部の弁護士にしか関係しない話題、ということなのだろうか。

主催者もこのあたりには配慮したと見え、①販促材料としてカーボンオフセット年賀葉書と同様の取り組みをしたいと相談を受けたとき、②省エネ法の対象となっているビルのオーナーからビルが老朽化していてどのように対応してよいかわからないと相談を受けたとき、③家庭用太陽光発電を導入しようと思っているが余剰電力の売却や先行投資の回収についてどのような制度があるのかと相談を受けたとき、④温暖化対策に取り組んでいる弁護士事務所の事例が知りたい、の4つのテーマを設定していた。

聞いていてなんとなくわかったのは、カーボンオフセット商品というのは、実効性というより、啓蒙活動に近いものでしかないこと、家庭用太陽光発電は数年すれば価格が下がると政府が公報するから余計に普及しないということ、省エネ法は二酸化炭素削減とは無関係であること等々。
地球規模の災害に対して闘いを挑むのは、単騎風車相手に闘いを挑むよりもなお絶望的であるのに、何もしなければ取り返しのつかない事態に向かってまっすぐに進んで行く。まるで滝壺に向かって流されて行く小舟に乗っているみたい。

温暖化対策を事務所の取り組みの実例を聞いてさらにがっかりする。
電気の回線を複数に分けて不要な電気を消す、事務所のゴミを減らす・・・・・当然のこととして、事務所設立以来実行している。ファックス機をぺーバーレスのものに変更する、というのは先日業者さんから勧められたけど実行しなかった。十分使える大型ファックス機を買い換えたらゴミを増やすだけじゃないの?
これで、前年度比何%二酸化炭素搬出量削減という目標数字を出せと言われても、既にできるだけのことはしているから、これ以上は・・・・と考えて、これでは日本が世界に対してしている言い訳と同じじゃない、と思う。
しかし実際に家庭の二酸化炭素排出量データを見ても、我が国が温帯(というよりもはや亜熱帯か?)に所属していることもあってか、日本の家庭は欧米のご家庭に比べてつつましい電力消費量である(バブルのころアメリカの恫喝に負けて大型冷蔵庫の入るマンションなんて政府が推奨しなかったのは賢かった。当時は中曽根さんだったけど、もし小泉さんだったらあのノリでやっちゃったかも。)。
日記を書くためにパソコンのキーボードをたたくなんていうのも不必要に二酸化炭素を排出させているようで、なんだか申し訳ない気がする。
うちの事務所で二酸化炭素排出量削減となると、まず日記の閉鎖から・・・かなあ。

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夜鳴鶯

台風は大阪をはずれたらしい。夕方から晴れ。

弁護士会館で死亡時医学検索に関する講演があったので聞きに行った。
諸外国の例や実際の事件を例にあげての講演で心配していたよりわかりやすかった。
講師は千葉大学の先生とジャーナリストのお二人。
日本で既にサーズによる死亡例が発生したが、警察がめんどくさがったので、日本ではサーズはまだないことになっている、感染が人知れず広がっているかもしれない、などと恐ろしいことも仰る。
お二人があげる実例の中には、状況から見て警察が事件と思わなかったのはどうしてだろう、というものと、おそらく事件性はなく事故だろうと思われるものが混じっている。

おそらく事故だろうと思えるものにしたって、死亡時医学検索をして死因をはっきりさせれば、ご遺族もなっとくなさるだろうに、とは思う。
しかし、そのために数十万円の費用がかかる。これを税金でまかなうべきか、という問題が生じる。
会場からは、個人的に解剖を依頼することはできないのか、との質問がでるが、それをすると国が責任をすべて個人に転嫁してしまうので、したくない、とのこと。

どうして警察が事件と思わなかったのだろうかと事案について考えていたら、もしかしたら警察も事件だと思ったけど、捜査がむつかしそうだったので、どうせ犯人を見つけられないなら、最初から事件ではく事故にしておこうと思ったのではないかと思えてきた。
この件は警察が動かなかったので大阪の弁護士がチームを組んで状況を調査し、ようやく被疑者不祥で告訴をしたが、結局警察は犯人を見つけられなかったとのこと(状況からして事件だとすると犯人は10名くらいにしぼられるはずなんだけど)。
事件として認識すると、仕事が増えるうえに未解決の事件の割合が増え、警察にとってはよいことが全くない、
結果的に犯人がわからないなら最初から事故にしてしまおう、というのも実務的なセンスかもしれない。
警察官の給料は税金だし。

こんなことを考えながら、海堂さんのナイチンゲールの沈黙を読んでいると、ちゃんと私の疑問に対する答えが書いてあった。

一線を越えてしまった者は犯行がばれなかったことで、歯止めがなくなる。

なるほど死亡時医学検索で事実を明らかにするのは、同様の犯行が繰り返されないため、という意味もあるのか。
しかし、警察は嫌がるだろう、と思っていたら、その答えもちゃんと書いてあった。

白鳥さんが厚生労働省でAiを推進しようとしているのを知った法務省と警察庁が手を組んで、霞が関内第一種警戒警報が発令された・・・・。
海堂さんは、死亡時医学検索を普及させると警察が大迷惑を被るから、このくらいのリアクションがあるだろうと予想していらっしゃるのか。

ナイチンゲールの沈黙の読者の評価はバチスタほど評価は高くない。
ミステリとしてどうか、ということらしい。
だけど看護師と夜鳴鶯をかけたタイトルもいいし(どちらの沈黙でも意味が通るところがなおよい)、何より田口ファンとしては、バチスタよりナイチンゲールの方が田口先生らしくていい。バチスタでは、前半は外科のハイテンションに巻き込まれていて、後半は白鳥さんのペースに巻き込まれているから、田口先生の持ち味が十分に発揮できていない気がする。
その点ナイチンゲールでは、田口先生の本拠地の愚痴外来がメインで出てくるし、ここだと患者に振り回されているように見えても田口先生が根無し草にはならない。
ところで、ハイパーマンシリーズって、田口先生の反応は十分笑えるけど、まさか実際に放映されてなんて・・・ないよね?


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朝のひかりを待てるから(アンジェラ・ジョンソン作 池上小湖訳)

晴れ。連日最高気温が30度を超えている。

ニューヨーク育ちの友人から、彼女が翻訳した本をいただいた。
「朝のひかりを待てるから」(アンジェラ・ジョンソン)

読み始めたら止まらず、途中で泣きそうになったけれど、ここで泣いたら最後まで読めないと泣くのを断念して先に進み、フェザーをしっかりと抱いたボブと一緒にヘブンで長距離バスから降りてようやく現実に戻った。

様々な場面が脳裏を横切るけれど、この話を言葉でどう表現してよいのかわからない。

10代で子どもができた高校生カップルの話?
妊娠中の危険と大変さ?
育児にかかる負担と甘く誇らしい気分?
尊厳と責任?
友情、親達の困惑、養子縁組システム。
大人になるということ。
親になるということ。

最後に16歳の少年は住み慣れた街と両親から離れ、娘をしっかりと抱いて(育児用品のつまったバックを持って)長距離バスから降り立つ。草が蒼く茂っていい匂いのする、町外れの牧場を馬が駆け回る、大きな窓の自動車修理工場にくっついたアパートのある町に。

ゲームセンターにたむろする同年代の少年たちを見ると損をした気分がする。
少しでよいから赤ちゃんから離れて自由に遊びたい。
誰かに無性に甘えたくなる。
ただ、ただ眠い。
秋からの大学はどうするの?せっかく16歳で高校を卒業できたのに。
庭にブランコがあり大きな犬を飼っているにこにこした人達にもらわれたら赤ちゃんは幸せになるのだろうか?

そんなに抱いてばかりいたら、この子が歩けるようになったらあなたから離れなくなるわよって、おどしになっていないよな。


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