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声が出なくてご迷惑をおかけしています

晴れ。梅雨の合間。
数日前から夏風邪をこじらせて(医師談)声が出ない。
これが結構不便で、電話をかけられないし目の前で電話が鳴っていても受話器をとれない。
電話をかけたら受話器がはずれてネコの声がしたという話があるが、法律事務所に電話をかけたら無言でぜいぜい息をする音が聞こえる、ではホラーだ。
この状態になって初めて、電話のありがたさがわかった。交渉をしたり、打ち合わせをしたり電話は必需品。
それでどうしても電話をしないといけない場合は、事務員に内容を指示して代わりに電話をしてもらっている。

で、声が出ないと静かで大人しいかと言うと、静かではあるかもしれないが、大人しくはないようだ。相手と対面している場合には、身振りと口の動きとそれにともなうささやき声でしゃべるしゃべる。それでさらにのどを涸らすし、酸欠状態でくらくらしてくるし。
今日の夕方など目の前で鳴っている電話にたまりかね、のどの奥から音をしぼりだして対応してしまった。相手はさぞびっくりなさったと思う。

早く回復しないと仕事にならないから、ここのところ2日に1度くらい医者に行っては窮状を訴えてあれこれ薬を処方してもらい、一体何種類になるだろうと思いながらせっせと薬を飲んでいる。読んでいる本が「しゃばけ」シリーズだから、主人公の一太郎の病状の描写と自分の症状を比べて、まだましと納得したり、私の薬と一太郎の服用している薬はいずれがよりけったいだろうかと考えたり。

薬を飲みながら、忙しいからと昼食をとる時間もなく走り回っているから、お医者様にしたらそれで治らないと言われても、というところだと思う。
以前同じお医者様に別の症状で行ったとき、とりあえず午後の会議に出たいから来たというわけね、休もうというつもりはないのね、と見透かされたともあったし。

解熱剤があるから熱は出ないし、鎮咳剤があるから咳も抑えられるし、他人に感染させる危険はないと思うけど、念のためしばらく会議や研究会は欠席・・・さぼる言い訳かなあ。

病人にしては元気。午後は意味不明な理由をつけて何としても審判書を書きたくないと言い張る家裁の裁判官に囁き声でかみついてきたし(風邪を感染させてたらごめんなさい。多分大丈夫と思うけど。)。
それにしても、自分一人の意見なのは経緯からみえみえなのに「調停委員会の意見としては」と言ってとりあえず攻撃をかわそうとしたり、調停期日をもう一度指定しさえすればもしかしたら調停が成立するかもとか、寝言のようなことを言わずに、私はこれこれの理由で忙しくて審判書を書く時間がないんです、とか、私は都合でちょっとここの部署にいるだけで、少し時間稼ぎをしていたら交代の人が来てくれるんです、とか本当の理由を言えば私もそんなにかみつかなくてすむのに。
裁判官の得意技「そのように聞いておきます」はこの人が言うと全く迫力がない。コンビニのアルバイトがとりあえず客の苦情を聞いたけど対応がわからないという風にしか聞こえない。そういう台詞は仕事をしてから言おうね。

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音声認識自動翻訳システムって使い物になるの?

晴れ。
サービスパック3を入れると電子内容証明郵便のソフトが不具合を起こすことがわかり削除。しかし一度入れて削除したパソコンでは相変わらず不具合を起こすので、サービスパック3を入れていないパソコンから送信。それでいずれのパソコンにもサービスパック3を入れずにそのまま使用していると今度はいくつかのサイトに入れないというトラブルが発生し、仕方なく一度インストールして削除したパソコンに再度インストール。

電子内容証明ソフトの使い勝手がいまいちなこととあいまって日本郵便に八つ当たり気味で(使い勝手がよくないところに「あたらしいふつうをつくる」という意味不明のキャッチコピーがついているのを見るとさらに腹がたってくる。)、関係ないとは思いつつ総務大臣に肩入れをしてしまう。鳩山大臣がんばれ。

月刊大阪弁護士会5月号が机の上の書類の山の中で発見。
ぱらぱら見ていたら各種システムのご紹介で裁判所のシステムとして量刑データ検索システムと音声認識自動翻訳システムが紹介されている。

量刑データ検索システムは、登録したてのころ、こんなのが裁判所にあったらいいな、というか当然あってしかるべきと思っていたことを思い出す。
ようやくできた。それも裁判員という圧力の下で。

音声認識自動翻訳システム。
私が修習生のころには、裁判所には速記官という特殊技能を持つ人達がいて、証人尋問のときにしゃべる速度と同じ速さでタイプをしていた。速記官が聞き取れないときには、その場で質問をして正確なやりとりの再現をしていた。機械はこの人達の技能にはかなわない。
登録してまもないころ、修習中に速記について教えてくださった速記官から、いつか私の証人尋問の速記をしたいと言ってもらった。速記の入るような事件で証人尋問をする自分を思い描き、そのときは速記官に恥ずかしくない尋問をしたいと夢見た。

裁判所は今、速記官にかえて録音反訳なんて言うけれど、某支部の録音反訳のできあがりを見ると不正確だし、なんとなくうさんくさい。どうして相手方代理人のくだらない異議は記載しているのに、相手方代理人が自己の依頼人に対してなした露骨な誘導に対する私の異議は記載されていないの?この記録だと相手方代理人は異議も出されていないのに突然質問を言い換えたりしていることになってしまう。速記官のタイプの方がよほど正確で公平性に疑いなんて入らないと思う。

録音反訳は時間がかかりすぎて裁判員で使い物にならないことは一目瞭然。
それで今度は音声認識自動翻訳システム。
記事には注意として、弁護士人に1つしか貸与されないピンマイクを通さないと発言が拾われないと書いてある。複数の弁護人がいるときにどうするの?
しかしさらに驚いたことに、標準語で滑舌よくと書いてあり、大阪弁のアクセント使用不可、「東京特許許可局」などの発音練習をしましょう、と書いてある。
悪い冗談としか思えない。

裁判員って地元の人ばかりでしょう?地元の人が地元の事件に関与するところに意味があるんでしょう?
それなのに全国の裁判所で関係者全員が標準語で滑舌よくしゃべらないと裁判ができないの?
音声認識自動翻訳システムに方言を覚えさせるのが筋じゃないの?
大阪の法廷で標準語を使って、それで人の心が動かせると本気で思っているわけ?
いやそもそも被告人、被害者、証人、裁判員に標準語を強制するわけ?
ありえへん。
めっちゃ好きやねんタイガース、と言おうとしたら、私は阪神タイガースが大変好きでございます、となるわけ?
これ本当に同じ意味?

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高等裁判所の職人芸

晴れ。気持ちのよい季節。

机の上を片付けていたら近弁連89号。内輪の偉い人達の交代の挨拶やら人物紹介だけならそのまま廃棄の棚へと目次を見るとM先生執筆記事。
大阪高等際と近畿弁護士連合会との民事控訴審の審理充実に関する意見交換会。
すごい。
大阪地方裁判所と大阪弁護士会の民事訴訟改善のなんとかは、(内輪の)偉い先生と偉い裁判官がメンバーなので、実務的な話はこのレベルではなくもう一つ下でした方がよく(理由省略)、若手弁護士と若手裁判官の民事訴訟改善なんとかが最前線なんていう話を聞いたことがある。
そこから考えると、なんだか雲の上みたいな意見交換会だなあ。さすがM先生。

控訴審で1回結審で一審の判決が覆るときの審理のあり方について議論がされている。
弁護士側からは、被控訴人の代理人としては事前の警告がほしいとの要望。
裁判所からは、警告をしているのに代理人が気づかないとの答え。
裁判所がしているという警告とは、①この争点についてはもう一度慎重に検討をします、という台詞 ②被控訴人(原審勝訴側)の代理人に顔を向けて和解をしませんかと言う、③争点について双方に意見を言わせて、そういうふうに考えられますかね、と言う ④和解の席で被控訴人側代理人に十分に検討してほしいと言う、などが挙げられている。

弁護士側からは、裁判所は普段と違う言動をしているから読み取れと言われるのだろうが、日常的にその裁判官の法廷を見ているわけではないから、普段と違う言動をしてるかどうかたまに見てもわからないとの意見。

野球の監督の出すサインじゃないんだから、どうして暗号化する必要があるのかよくわからない。
誰に隠しているの?
サインの相手方が読めないサインって誰のためにあるの?

一審の裁判官が和解の席でどちらが勝つかはっきり言いたくないという理由はわかる。判決を書くために記録を読み返したら、結論が変更になることがあるから、そんなことになったら和解の席であなたが勝つとか負けるなんて断言していたら困る、というのはよく理解できる。
裁判官なんだからこんなことで困らなくてもよいようなものだけど、やっぱり裁判官である以前に人だから困るという感情が起きてしまうのは仕方がないかもしれない。
けど、控訴審は、記録をじっくり読んで、控訴理由書も読んで、その上で腹が決まっているのだから、一審の裁判官が勝ち負けを判決前にはっきり言いたくないというのとは違うと思う。
それでも法廷でブロックサインやら腹芸やらを見せてくださるのは一体どうした理由からだろう?
もしかしたら、それが裁判官としての職人技とか伝統芸とかいうものなんだろうか?

なんだか、源氏物語のころのお公家様の雅な世界を見ている気がしないでもない。
けど、実用的かなあ。


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