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音声認識自動翻訳システムって使い物になるの?

晴れ。
サービスパック3を入れると電子内容証明郵便のソフトが不具合を起こすことがわかり削除。しかし一度入れて削除したパソコンでは相変わらず不具合を起こすので、サービスパック3を入れていないパソコンから送信。それでいずれのパソコンにもサービスパック3を入れずにそのまま使用していると今度はいくつかのサイトに入れないというトラブルが発生し、仕方なく一度インストールして削除したパソコンに再度インストール。

電子内容証明ソフトの使い勝手がいまいちなこととあいまって日本郵便に八つ当たり気味で(使い勝手がよくないところに「あたらしいふつうをつくる」という意味不明のキャッチコピーがついているのを見るとさらに腹がたってくる。)、関係ないとは思いつつ総務大臣に肩入れをしてしまう。鳩山大臣がんばれ。

月刊大阪弁護士会5月号が机の上の書類の山の中で発見。
ぱらぱら見ていたら各種システムのご紹介で裁判所のシステムとして量刑データ検索システムと音声認識自動翻訳システムが紹介されている。

量刑データ検索システムは、登録したてのころ、こんなのが裁判所にあったらいいな、というか当然あってしかるべきと思っていたことを思い出す。
ようやくできた。それも裁判員という圧力の下で。

音声認識自動翻訳システム。
私が修習生のころには、裁判所には速記官という特殊技能を持つ人達がいて、証人尋問のときにしゃべる速度と同じ速さでタイプをしていた。速記官が聞き取れないときには、その場で質問をして正確なやりとりの再現をしていた。機械はこの人達の技能にはかなわない。
登録してまもないころ、修習中に速記について教えてくださった速記官から、いつか私の証人尋問の速記をしたいと言ってもらった。速記の入るような事件で証人尋問をする自分を思い描き、そのときは速記官に恥ずかしくない尋問をしたいと夢見た。

裁判所は今、速記官にかえて録音反訳なんて言うけれど、某支部の録音反訳のできあがりを見ると不正確だし、なんとなくうさんくさい。どうして相手方代理人のくだらない異議は記載しているのに、相手方代理人が自己の依頼人に対してなした露骨な誘導に対する私の異議は記載されていないの?この記録だと相手方代理人は異議も出されていないのに突然質問を言い換えたりしていることになってしまう。速記官のタイプの方がよほど正確で公平性に疑いなんて入らないと思う。

録音反訳は時間がかかりすぎて裁判員で使い物にならないことは一目瞭然。
それで今度は音声認識自動翻訳システム。
記事には注意として、弁護士人に1つしか貸与されないピンマイクを通さないと発言が拾われないと書いてある。複数の弁護人がいるときにどうするの?
しかしさらに驚いたことに、標準語で滑舌よくと書いてあり、大阪弁のアクセント使用不可、「東京特許許可局」などの発音練習をしましょう、と書いてある。
悪い冗談としか思えない。

裁判員って地元の人ばかりでしょう?地元の人が地元の事件に関与するところに意味があるんでしょう?
それなのに全国の裁判所で関係者全員が標準語で滑舌よくしゃべらないと裁判ができないの?
音声認識自動翻訳システムに方言を覚えさせるのが筋じゃないの?
大阪の法廷で標準語を使って、それで人の心が動かせると本気で思っているわけ?
いやそもそも被告人、被害者、証人、裁判員に標準語を強制するわけ?
ありえへん。
めっちゃ好きやねんタイガース、と言おうとしたら、私は阪神タイガースが大変好きでございます、となるわけ?
これ本当に同じ意味?

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Comments

こんばんは。ご無沙汰してます。

音声認識の技術そのものはだいぶ進化してきてはいるものの,実社会において,その技術が利便性を発揮するのは「単語」レベルであり,文章レベルで認識しようとするとかなり無理が出てくると思いますね。

「標準語で滑舌よくしゃべらないと」っていうのが,いかにもシステムの限界を示していると思いますが,実際に適用してみて,いかに使いものにならないかがすぐ明らかになるというのが関の山でしょうね。

所詮,ああいうシステムは航空会社の発着案内とか,証券会社の株価問合せ等のアプリケーションがいいところなので,正直言って裁判所でというのは現実的ではないでしょう。

Posted by: 中年音楽狂 | 2009.06.13 at 06:33 PM

音声認識は、参考展示されていた頃だから、1970年代のビジネスショーなどで見ていたと思います。

それがパソコンで使えるViaVoiceが登場してすぐに使ったのですから、それが97~98年頃だと思います。

その後何年か使いましたが、今ではほとんど使いません。

その理由は、けっこう難しい。

長い間使っていると、認識精度を上げるためにエンロールを繰り返したりして、難しい言い回しにも対応できるようになるのですが、その認識精度を維持できないのです。

どうも、体調などで同じ単語ですら、別の言葉に聞こえるらしい。

もちろん、コンシューマー用ではないものでは実用になっているものがあることは知っているので、法廷でも全面的にダメだとか、方言に対応しないといった誰にでも予想できる問題は、回避すると思うのですが、人間が機械の能力に合わせて発音すること自体がけっこう苦痛であることを確認したと思っています。

現在でも、速記録が反訳の段階で明らかに間違っているという例に接しますが、それと比べてどうなのか?ということなのでしょうか?

いずれにしろ、音声認識がダメだったときのバックアップとしての速記が必要なよう思います。

Posted by: 酔うぞ | 2009.06.14 at 03:29 PM

酔うぞ様、音楽狂様
コメントありがとうございます。
でも冗談ではなく裁判所で、しかも裁判員裁判で使うようです。
おそろしいという以前の問題で冗談でしょう、としか・・・。
裁判員裁判には関わりたくないものです。

Posted by: 悠 | 2009.06.26 at 05:44 PM

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