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高等裁判所の職人芸

晴れ。気持ちのよい季節。

机の上を片付けていたら近弁連89号。内輪の偉い人達の交代の挨拶やら人物紹介だけならそのまま廃棄の棚へと目次を見るとM先生執筆記事。
大阪高等際と近畿弁護士連合会との民事控訴審の審理充実に関する意見交換会。
すごい。
大阪地方裁判所と大阪弁護士会の民事訴訟改善のなんとかは、(内輪の)偉い先生と偉い裁判官がメンバーなので、実務的な話はこのレベルではなくもう一つ下でした方がよく(理由省略)、若手弁護士と若手裁判官の民事訴訟改善なんとかが最前線なんていう話を聞いたことがある。
そこから考えると、なんだか雲の上みたいな意見交換会だなあ。さすがM先生。

控訴審で1回結審で一審の判決が覆るときの審理のあり方について議論がされている。
弁護士側からは、被控訴人の代理人としては事前の警告がほしいとの要望。
裁判所からは、警告をしているのに代理人が気づかないとの答え。
裁判所がしているという警告とは、①この争点についてはもう一度慎重に検討をします、という台詞 ②被控訴人(原審勝訴側)の代理人に顔を向けて和解をしませんかと言う、③争点について双方に意見を言わせて、そういうふうに考えられますかね、と言う ④和解の席で被控訴人側代理人に十分に検討してほしいと言う、などが挙げられている。

弁護士側からは、裁判所は普段と違う言動をしているから読み取れと言われるのだろうが、日常的にその裁判官の法廷を見ているわけではないから、普段と違う言動をしてるかどうかたまに見てもわからないとの意見。

野球の監督の出すサインじゃないんだから、どうして暗号化する必要があるのかよくわからない。
誰に隠しているの?
サインの相手方が読めないサインって誰のためにあるの?

一審の裁判官が和解の席でどちらが勝つかはっきり言いたくないという理由はわかる。判決を書くために記録を読み返したら、結論が変更になることがあるから、そんなことになったら和解の席であなたが勝つとか負けるなんて断言していたら困る、というのはよく理解できる。
裁判官なんだからこんなことで困らなくてもよいようなものだけど、やっぱり裁判官である以前に人だから困るという感情が起きてしまうのは仕方がないかもしれない。
けど、控訴審は、記録をじっくり読んで、控訴理由書も読んで、その上で腹が決まっているのだから、一審の裁判官が勝ち負けを判決前にはっきり言いたくないというのとは違うと思う。
それでも法廷でブロックサインやら腹芸やらを見せてくださるのは一体どうした理由からだろう?
もしかしたら、それが裁判官としての職人技とか伝統芸とかいうものなんだろうか?

なんだか、源氏物語のころのお公家様の雅な世界を見ている気がしないでもない。
けど、実用的かなあ。


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