« いとしのクレメンタイン | Main | Tutankhamun展(デヤング美術館) »

ギラデリのチョコレートを食べよう

晴れ。雲が多くて風が強い。
NYBarが終わったためか、昨日から引っ越しが始まっている。エレベーターに不要となった家具等のセールの張り紙があったり、廊下に巨大ソファが置いてあったり。
オートシートフィーダーの壊れたプリンター5ドルの張り紙。手で1枚ずつ入れれば問題ありません、と書いてある。高いのか安いのか?

1年したら私もここを出るのか。そのときには別れを惜しむ友人がいるのだろうか?
研修所の寮を出るときには、ばたばたしていたし、友人とも大阪で再会するので、それほど感慨に浸ることはなかったけど、ここで出会って別れた人とはもう一生会うことがないのかもしれない。
萩尾望都の「11人いる」みたい。もっともあれは続編で再会することになり、悲劇が起きるのだけど。

音楽狂氏も心配してくださっているが、授業についていけるかは本人である私も切実に心配している。
ということで、持参した本を読み始める。
英語と法律の双方をいっぺんに勉強できるだろうという安直な理由で購入した『品格ある英語を学ぶ』(藤田泰弘)。これが予想外におもしろい。
ゲティスバーグの演説のgoverment of the people, by the people, for the people が、実はマーシャル長官の判決文の見事で的確な要約で、この判決文の一節が日本国法の前文の元にもなっている(ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し(of the people)、その権力は国民の代表がこれを行使し(by the peopel)、その福利は国民がこれを享受する(for the people))、なんておもしろすぎてトリビアなんてレベルじゃない。
著者は弁護士で東大の法科大学院の講師となっているが、こんな授業を聞くことができるなんて東大生がうらやましい。

なお、people とは、国(union)が州(state、国)の権利に対抗するための葵の印籠、錦の御旗だそうだ。

ホームズ判事の著書の有名な一節、法の生命はロジックではない(The life of the law has not been logic) を読んだとたんに、松浦教授(現名古屋大学)が法理学の授業で、「ホームズ判事は法とはロジックではないと言っているのですよ」とおっしゃったお声をあの端正なお顔とともに思い出した。

スカリア、ブラックマン、レーンキストなんていうお名前を見ると、松井教授(現UBC)の授業を思い出す。
法理学は松浦教授に、アメリカ憲法は松井教授に、民法は潮見教授に教わった。思えば贅沢で豊かな学生生活だった。
・・・そんなことは思い出すけど、肝心の英語の判決文を読む速度が戻らない。もう少しトレーニングをしたら思い出すかしら。

そういえば、シビックセンターにある州裁判所の建物には、アール ウオーレンの名がついている。戦時中日系人を強制収容した知事にして連邦最高裁長官。 日系人の強制収容の実績を買われ、保守派と信じて任命されたのに、人種別学校を違憲だと断じた人。
人って複雑な生き物だ。

藤田氏の最高裁判決の解説がまたおもしろい。なにしろ「法の生命はロジックではない」わけだから、政治的、経済的背景まで読み込んだ解説がなされていて、最高裁判決といえどなかなか一筋縄ではいかないと思わせる。

勉強のお供にエンバカデロで見つけたゴディバを持っていたのだけれど、やはりここはこの地に敬意を表してギラデリでなくちゃ、と思い、ユニオンスクエアまで買いに行く。50個入りの袋が20ドル弱。食べ慣れるとこれはこれで。

|

« いとしのクレメンタイン | Main | Tutankhamun展(デヤング美術館) »

留学」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« いとしのクレメンタイン | Main | Tutankhamun展(デヤング美術館) »