除斥期間排除(最高裁)

晴れ。肌寒い。

最高裁で除斥期間適用せずとのニュースを見て裁判所のHPで内容を確認する。
・・・本当に除斥期間(民法724条)を制限している・・。

ご遺族にとっては喜ばしい判決だと思う。
そして多分正しい判決だと思う。

でも判決文を見ていると胸の奥で何かが震える。
うれしいという感情ではない、と思う。
今まで、今までの悔しさは何だったんだ。
にべもなく門前払いをしてきた今までの判決は何だったんだ、という思いが胸の奥を冷たくする。
怒りは感じないけれど、今まで除斥期間で蹴られてきた事案を思い出すと、請求者たちの気持ちを思うと、ただ、ただ悲しい。
したり顔にこれが公序だと最高裁を擁護してきた学者たちの顔が思い浮かぶ。

最初は平成2年の判決だった。
初めて事案を読んだときは涙が止まらなかった。
その判例研究会である教授がこれで戦争責任を追及する訴訟を断つつもりではないのか、と仰ったとき、まさか、と思った。
まさか裁判所がそんな政治的意図で判決をするだろうか、とそのときは思った。
目の前に苦しみ続けている人がいるというのに?

除斥期間をかいくぐって予防接種事件を救済した事案の調査官解説を読んだときは、僕って頭がいいでしょう、と紙の向こうに得意満面の顔を思い浮かべた。
これはいいけど他はだめ、という得意顔。
それを可能にした僕って頭いいでしょ、という顔。

さらに今回は予防接種事案をさらにひねくり回したみたいな難易度の高い技・・?

これが公序だと言った学者が改正案を提案し、改正案の期間は除斥期間ではなく時効だなどと仰るのを、公序はどこへ行ったのと皮肉な気分で眺めていたけど、改正案が判決に影響を幾分が及ぼしたのだろうか?
何年かすれば除斥期間なんて概念はなくなるので先取をしたとか?

喜ぶべきなのだろうか、悲しむべきなのだろうか、怒るべきなのだろうか。
この国はどんな国なんだ。
私たちは一体どこへ向かって進めば。


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銀行に預金者に対する取り引き明細開示義務(最判平成21年1月22日)

曇り。明日からは寒くなると言うけれど。

預金者の相続人は、銀行に対して取り引き履歴を請求できるとする最高裁判決。

この前段階として、預金者は銀行に対して自己の預金の履歴を請求できるか、というのが問題になる。
というか、こんな馬鹿なことが問題になるはずがない、と思うのだが、東京地裁で、銀行は預金者に対して履歴の開示義務がない、という判決が平成14年にあった。

この判決では、契約書に取り引き明細を開示するとは書いていない、銀行と預金者の関係は民法の消費寄託だが、民法の消費寄託に関する条文にも明細の開示の規定はない、原告は預金が多種多様な用途に用いられ、銀行は手数料収入を得ている実情があるから開示しろと言うが、どうしてその実情があれば開示しなければならないのかわからない、と書いてある。

この判決を読んだときに、この裁判官はきっと給料は手渡しで受け取り、勉強に忙しくて預金なんてする暇がなく、銀行に行ったこともないのだろう、と思った。

翌平成15年に同じ東京地裁で、預金者は銀行に対して取り引き明細の開示請求をする権利があるか、が再び論点となり、丁寧な理由付けと共に、権利あり、とする判決が現れる。
普通に銀行を利用している者から見れば、ごく当たり前のことのように思えるのだけれど、その前年に権利なしの判決があるから、丁寧な理由がつけられたのだろう。

そして、今回の最高裁判決でこの論点は決着がついた。
というわけで、画期的な判決。

最初の権利なし判決がなければ、こんなにきらきらした判決に見えないだろうから、そういう意味では、権利なし判決も意味があるかも・・・・ではなく、その判決の原告は当然の権利を裁判所に踏みにじられたわけで、なんて迷惑な話だと私は憤りを感じるのだけれど。


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投資信託の差押え(14民懇談会)

曇り。

司法委員会と14民事部との懇談会。今年ちょっと変わっているなと思った話題は投資信託の差押え方法について。
貯蓄から投資へのかけ声のおかげか、従来預金を差押えの対象としていたのが、最近では預金が投資信託に変わってしまっていることがあるので、預金と共に、投資信託も差し押さえる必要があるとのこと。

取引のある金融機関がわかれば、金融機関を第三債務者として預金の差押えをすることができるが、投資信託となると、取引のある金融機関は、単なる販売会社であり、実際の財産は投資信託委託業者と投資信託契約を締結した信託銀行に保管されている。
そうすると、単なる販売窓口である金融機関ではなく、その背後にいる投資信託委託業者を第三債務者としなければならないのではないか、しかし無数といえるほどにある投資信託のどれを購入しているかわからないし、全部の委託業者を第三債務者として差押えをするわけにはいかない、という問題提起。

結論から言えば、14民は、投資信託の振替社債とパラレルに考えてよいとのこと。
振替社債の目録記載方法は、金融法務事情1667号、54頁参照。

平成18年12月14日最高裁判決。
債権者が投資信託の販売会社に対して解約実行請求をしたことについて、一審では、解約実行請求により信託契約について一部解約の効果が直ちに生じるとしたが、控訴審では一部解約金支払請求権は、信託契約について一部解約がされたことを条件として発生するものであり、解約権は販売会社ではなく信託の委託者が有するものだから、受益者から解約実行請求がされただけでは請求権はまだ発生していない、とした。

最高裁では、投資信託の契約の仕組みを分析し、受益者は、販売会社は、解約実行請求をした受益者に対し、委託者から一部解約金の交付を受けることを条件として一部解約金の支払い義務を負い、受益者は販売会社に対し、この条件のついた一部解約金支払請求権を有する、一部解約金支払請求権を差し押さえた債権者は、取立権の行使として、販売会社に対して解約実行請求の意思表示をすることができ、販売会社が一部解約金の交付を受けたときには、販売会社から取り立てることができる、とした。

販売会社の背後にいる投資信託委託業者を探す必要はなく、販売会社を第三債務者とすればよいけれど、販売会社は財産を預かっているわけではないから、実際に金を取り立てるためには、解約金が販売会社に交付されていることが条件になる。

使い勝手がいまひとつよくわからない。訴訟になっている事案では、債権者が解約請求をしたのに、解約されていなかったようだし。


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抵当権と法定地上権(最高裁判決)

晴れ。猛暑。

「大阪における当番弁護士活動」第14集が届く。原稿を提出してから1年くらいたったように思う。もう掲載してもらえないのじゃないかと思っていたところだった。
他の人達のタイトルをざっとみると、無罪だの更生緊急保護制度を利用しての執行猶予だの処分保留釈放だの不処分だのといった活動の成果が挙げられていて、こんな素晴らしい活動の中に私の原稿が混じってよいのだろうかと思う。
7人に対する殺人未遂が1人に対する傷害となり、不処分というのがあるので読んでみたら、少年が15人のグループにおびき出されて、危ういところを自動車で脱出しようとしたところに警察官が通りかかり、15名から轢き殺されかけたと訴えられて逮捕されたというものだった。警察に虚偽の自白をさせられたところで接見した若手のS谷先生、大変なことだと弁護士はいらないという親を説得して付添人になり、裁判所を説得して観護措置をとらせず、最終的に不処分にしたという華々しい活躍が書かれていた。その間、少年の兄がグループに襲われ、少年自身も再度襲われるのではないかという手に汗握るシーンだの、調査官が自分で逃げようとせず警察に助けを求めたらよいじゃないと非常事態を理解しない発言をするのに対決するシーンだのドラマを見ているような展開。
やっぱり弁護士は熱血じゃなきゃねってこの報告書を見たら思ってしまう。S谷先生、普段は熱い人に見えないんだけど。

法定地上権に関する最高裁判決(平成19年7月6日)。
土地を目的とする先順位の甲抵当権が消滅した後に、後順位の乙抵当権が実行された場合において、土地と地上建物が甲抵当権の設定時に同一の所有者に属していなかったとしても、乙抵当権の設定時に同一の所有者に属していたときは法定地上権が成立する。

一審、二審とも反対の結論をとっている。
確かに甲抵当権が消滅していなければ、乙抵当権設定時に土地建物が同一の所有者であっても、抵当権が実行されたときに法定地上権は成立しない。
そうすると、乙抵当権者は、抵当権設定時に、同一所有者であっても甲抵当権があるから、法定地上権が成立しないだろうとの予測のもとに不動産の価値を評価していた可能性がある。
この場合、甲抵当権があるので、乙抵当権は法定地上権のない不動産の価値から甲抵当権の被担保債権額を引いた価値を計算していたはずである。
ところが、その後甲抵当権が消滅し、乙抵当権は、不動産の価値全体を把握することができるようになった。
問題は、その不動産の価値が、不動産(法定地上権なし)、不動産(法定地上権あり)のいずれであるか、である。

最高裁は、抵当権というものは消滅する可能性があるのは当然のことだから、そのことを予測した上で、順位の上昇の利益と、法定地上権成立の不利益を考慮して担保余力を把握すべきもの、とした。

甲抵当権の把握していた価値がよほど小さくない限り、順位が繰り上がることと法定地上権が成立することのプラスマイナスを考えたらプラスになるように思うのだけれど、実際にはどうだったんだろう。
不動産の所有者からすれば、甲抵当権の把握している価値が小さいなら、弁済してしまって法定地上権をつけてもらった方が有利ということもあるだろう。


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消滅時効の起算点

曇りのち晴れ。
日曜日の住宅相談で、はじめて3人もの相談者が現れた。とはいえそのうちの一人はリピーターだから、実質は2人。

 自動継続特約付きの提起預金契約における預金払戻し請求権の消滅時効は、自動継続の取扱いがされることのなくなった満期日が到来したときから進行する(最判平成19年6月7日)。
 預金者が継続停止の申し出をするかどうかは預金者の自由に委ねられているのに、初回の満期日に払い戻しを請求することを前提に、消滅時効の起算点を解釈するのは、事実上預金者に払い戻しをするよう要求しているに等しい、というのがその理由である。

 先日の学生さんの法律相談会に、一定額まで貸し付けをする契約で利息の返済がなければ元本に組み入れ、元本と利息が当初の約定額を超えたときには、超えた分を請求する、という契約に関する相談が持ち込まれた。
 約10年前に返済したのが最後で、それ以後請求もされていないかったのに、このたび一定額を超えたとして請求された、銀行の請求権は時効消滅しているのではないかというもの。
 約定では、契約は毎年自動更新されており、一定額を超えたときに超えた分を請求するとなっているから、一定額を超えるまでは銀行が請求しても借り主は一定額を超えていないので返済しないという抗弁が成り立つ。
 つまり銀行が権利の行使ができるのは、一定額を超えたときなのだから、そのときが消滅時効の起算点だろう。
 学生さんたちは、どの相談者に対してもそうなのだが、目の前の相談者に同情的で、なんとかして銀行に消滅時効を主張する方法はないものかと考えていた。
 学生さんたちの議論を聞きながら、冒頭の最高裁判決が脳裏をよぎった。
 銀行だって、10年も自動更新されている定期預金の時効消滅を最高裁まで主張したくらいだから、個人だって自動的に利息が元本に組み入れられて10年もたったら時効消滅を主張したくなるよなあ。
 もっとも、通帳に記帳すれば貸し付け残高はわかるようになっていたというのだから、残高を記帳していなかったので知らなかったという抗弁もどうかなあ。

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継続的不法行為による将来の損害賠償請求

晴れ。不正競争防止法研究会に出かけなければならないのだが、疲れていて気が乗らない。

横田基地夜間飛行差止請求事件最高裁判決(平成19年5月29日第三小法廷判決破棄自判)。
5名の内3名が多数意見を構成し、多数意見の内2名と1名に別れて補足意見があり、那須裁判官と田原裁判官の反対意見がそれぞれ付されている。
多数意見は、昭和56年最高裁判決に従い、継続的不法行為に基づく損害賠償の将来請求の行使は、口頭弁論終結時までとしている。
原審は、判決の日まで認めているので、口頭弁論終結時から判決の日までの期間分が破棄され、この部分の被上告人の控訴が棄却された。

田原先生の反対意見は明確である。
昭和56年判決から25年が経過した今日、その間に提起された同種事件の状況や学説の状況をふまえれば、同判決が定立した継続的不法行為による将来の損害賠償請求権の行使が許容される場合の要件について、その見直しがなされるべきである、と言い切られる。
そして、昭和56年判決が自身が定めた要件にあてはまる例として挙げた不動産の占有者の明渡義務の履行完了までの請求権につき、バブル経済崩壊期を例にあげ、最高裁の要件にあてはまってはいないが、請求異議が認められるべき場合が存在すると指摘する。
次いで、継続的不法行為による将来の損害賠償請求の訴えを容認できる範囲を、56年判例より拡大して解釈すべき社会的事実が生じているとし、それを指摘する。
最後に、原審が、将来請求を認めずに、判決の日までの請求を認めたことについてついて、非常に小さな意味しか有しないと批判する。

きっぱりとしてご意見で、すっきりとして論理で、そうだ、そうだと頷きながら読ませていただいたのだが、原審は本当に「非常に小さな意味」しかなかったのだろうか。
原審があったからこそ、この問題が最高裁で争点になり、新たな議論が生まれ、田原意見が世に現れたのではないだろうか。
私は原審の裁判官の勇気と被害者を思う暖かい心にも敬意を表したい。


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過払金の充当ルール

晴れ。6月は気持ちのよい風が吹く季節。

過払金が発生した後の借入金の返済に過払金を充当できるとの最高裁判決。
当然だろうと思うのだが、今年2月13日の最高裁判決では、過払金が発生した後に債務が発生した場合、基本契約がないときは、基本契約が締結されているのと同様の貸し付けが繰り返されていたとか、過払金を充当する特約が存在するなどの事情がない限り、過払金は新たな債務の弁済に充当されない、としている。
債務者が過払金の存在を知れば、不当利得として返還を求めるか、相殺をする可能性があるのであって、当然充当ではない、というのがその理由。

債務者が過払いがあることを知っていれば新たに借りる前に返還を求めたはずで、しかも貸金業者は過払金の存在を当然に知っているのだから、釈然としない。
釈然とはしないが、さりとて2月の判決存在してしまっていて、それにもかかわらず6月7日に別々の基本契約に基づく借入金に当然充当という結論をもってきて、しかも両判決が矛盾しないようにロジックを組み立てているのだから、最高裁はオールマイティだと思ってしまう。
当方も2月の最高裁判決を見て、はいそうですか、今後は別契約では充当しません、という行動をとろうとはこれっぽっちも思わなかった。
こんなのロジックでどうにでも乗り越えられるじゃない、最後まで戦うまで、と思ったのだが、最高裁が4か月後にそれをやってみせてくれるとは。


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お医者さんの責任(最高裁平成19年3月26日)

晴れ。美しい新緑の季節。
中学校の同窓会MLで友人のブログを知る。
中年音楽狂日記
変わらないねえ。あまりに変わっていないのにびっくりしてしまう。
本業はEコマースのビジネスモデルの開発か何かだと思うんだけど。
それはともかくブログで紹介されていたジャズCDを早速アマゾンに注文する。
アマゾン検索がブログ内に置いてあり便利。

患者を取り違えた麻酔科のお医者さんに対する最高裁判決(平成19年3月26日)。
5年目の麻酔科の女医さんが、手術開始前に本人に○○さんと呼びかけると返事があり、それでも他のさまざまな点から患者が違っているのではないかと疑い、その都度看護婦に確認したり、他の医師に確認したりしても誰も明確に答えず、主治医にも患者が違ってないか見てほしいと言ってみてもらったが明確な答えがなく、さらに不安になって病棟に電話して患者が病棟に残っていないか確認したが手術室に行ったとの答えが返ってきて、ついに手術を実施してしまったので、業務上過失傷害罪が成立するとされた事件。
裁判所は、被告人は努力はしたが、疑った以上はなんとかしろという意見。
公立大学附属病院で5年目の麻酔科の女医さんにこれ以上何ができたと言うのだろう。

以前、大阪大学LSのシンポジウムでお医者さんの講演を聴いたときには、患者取り違えで医者が長期間裁判に関わるのは可哀想だ、彼らの責任ではない、一つ5円のビニールの名札をつけた腕輪を患者につけていさえすれば防ぐことのできるミスだ。
これは病院のシステムの責任で、個々の医師の責任ではないと思う、とのことだった。
それでなくても、お医者さんたちには、司法は医師の置かれている状況を十分に認識していないし、不公平だとの意識があるように思うのに、今回のような判決が出たら、ますますお医者さんたちの司法に対する信頼が薄らぎそうで心配になる。
本当にこのケースで、この麻酔科の医師に業務上過失傷害罪が成立するのだろうか?
それとも彼女を有罪にすれば、それで今後の再発防止に効果があるとでも思っているのだろうか。

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種類物と不当利得

曇り。寒くなるとの予報だったのでハーフコートを引っ張り出す。

株券の交付を受けたが、名義の書き換えを怠っている間に、株式が分割され、株主名簿上の株主である譲渡人に新株券が交付された。譲渡人が配当金を受け取り、受け取った株式を売却した後に、譲受人が譲渡人に対し株券及び配当金の引き渡しを求めた事案(最高裁平成19年3月8日判決)。

1審は口頭弁論終結時における新株式の価格相当額及び配当金の支払いを命じた。
原審(東京高裁)も高等弁論終結時またはこれに近い時点における価格相当額で算定するのが返還を請求できる金額だとした。
ただ、一審では約2680万円とされた価格が原審では約1867万円とされた。裁判をしている間に、株価が下落したらしい。
最高裁は、一審と原審が算定の基準とした口頭弁論終結時の株価で算定するという方法を否定し、昭和18年の大審院判決を引用し、「受益者は、法律上の原因なく利得した代替性のある物を第三者に売却処分した場合には、損失者に対し、原則として、売買代金相当額の金員の不当利得返還義務を負うと解するのか相当である」とした。

市場で調達できるもので物に個性がないのだから、買って返せばよいのじゃないかとか、口頭弁論終結時の株価相当額を渡してもらったら自分で市場で買えるから問題ないのじゃないか、とか思うのだけれど、最高裁は、不当利得は「公平の観念に基づいて受益者にその利得の返還義務を負担させるもの」だから、売却後に価格が下落したり無価値になったりしたら、全部または一部の返還を免れたことになるし、価格が高騰したら受益者が現に保持する利益を超えて返還義務を負担することになるがこれも公平ではない、とする。

わかりやすい規準ではある。
しかし、株価が下落している場合には、確実に口頭弁論終結時までに売却していたと立証できるなら、その時点の株価との差額は損害賠償請求を別にたてたらよいのだし、反対に株価が高騰しているときには、売却時の代金を返してもらっても、不当利得されたのと同数の株式は購入できない。
金銭賠償は不当利得された株式の返還に代わるものなのだから、口頭弁論終結時の株価でよいのではないだろうか?


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代理母最高裁判決

雨。暖かい。

卵子提供者を母とするネバダ州の判決を承認することは公序良俗に反し認められないとの最高裁判決。
東京高裁は、ネバダ州判決を承認することは公序良俗に反しないと判断したので、公序良俗に関する解釈が正反対となっている。
東京高裁が、当該事案につき卵子提供者を母とすることが公序良俗に反しないかを検討しているのに対して、最高裁は、一般的に代理母契約によって生まれた子について卵子提供者を母と認めることが公序良俗に反しないかを検討したため、結論に違いが生じたと考えられる。

最高裁は、代理母による出産で生じうる法的トラブルを検討し、米国、イギリス、ドイツ、フランスの代理母に関する法制度を調査し、さらに本件での特別養子縁組成立の可能性に言及している。
ちなみに、ドイツ、フランス、米国の一部の州では代理出産はおよそ禁じられており、依頼者と子との養子縁組さえ認めないところもあるとのこと。

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