競売と敷金

晴れ。9月か10月といってもよいくらいの日差し。少なくとも11月という雰囲気じゃない。

日曜日の住宅相談の予約表が送られてきた。
敷金関係の相談が複数ある。そのうちの一つは競売と敷金の関係について。

敷金と競売の関係は、民法の改正で平成16年4月1日から制度が変わっておりややこしい。
以下の項目に従って、考えるのがわかりやすいと思う。

1 まず、抵当権の設定と建物賃貸借契約の先後関係を確認する。
  建物賃貸借契約が抵当権より先で、かつ、対抗要件(引き渡し)が備わっていれば、賃貸借が抵当権より優  先するので、賃貸借契約はそのまま存続する。
  ただ、通常は、建物を建てるときに銀行から金を借りて、その債権の担保のために抵当権を設定するから、抵 当権の方が先に設定されていることが多い。
2 抵当権の方が先に設定されていれば、建物賃貸借契約がなされたのが、平成16年3月31日までかどうかを 確認する。
3 契約の締結が平成16年3月31日までになされていれば、賃貸借の期間が、3年以内かどうか調べる。
  賃貸借の期間が3年を超えるときには長期賃貸借となるので、保護の対象にはならない。
4 賃貸借の期間が3年以内であれば、契約が、競売開始前に締結されたかどうか確認する。
5 競売開始前に契約が締結されていたら、次に賃貸借期間の満了が競落人の代金納付の前かどうか確認す  る。
  代金納付時に賃貸借契約期間が残っていれば、契約の残期間は居住ができ、かつ、新しい家主に敷金の返還を請求できる。
6 登記をした賃貸借については、抵当権者が同意し、同意の登記があるときには、抵当権に対抗することができ るとの規定もあるので登記簿を確認してみてもよいかもしれないが、通常はこんな登記はしないだろう。
7 法律の規定にかかわらず、新しい家主との間で従前の敷金を引き継ぐとの内容の契約を締結すれば、敷金が 引き継がれる。
8 5、6、7の場合以外の場合は、新しい家主に敷金の請求ができない。元の家主に請求をすることになる。ただ し、元の家主は所有建物が競売にかかるくらいだから、金を持っていない確率が非常に高い。

どうして、元の家主に請求するのを原則にしたのだろう?
新しい家主に請求できることにしておけば、新しい家主はそれを前提に建物の価格を判断して競落するから、新しい家主に思わぬ損失が発生することはない。
敷金を払った賃借人が泣き寝入りせずにすむ。
ただし、こうすると、敷金の分建物価格が下がるから、競落代金から貸金を回収する銀行の取り分が減少する。
つまり、銀行と賃借人の保護をてんびんにかけて、銀行の回収を優先したということになる。
法律を作るのは国会議員で、国会議員にとって銀行と賃借人のどちらの味方をする方が得になるか、という話なのかな?

| | Comments (1)